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好きが止まらない1号  学習机

引っ越しに付き物の見積もり作業。この時は、本棚の本以外は「あまり荷物がない。」と判断されて、荷造り用の段ボールが届きます。

が、そうは問屋がおろさない…。

毎回、最終的には、見積もりのほぼ倍量の段ボールが必要になります。

その原因の1つが、この学習机。四つある引き出しの中には区分けして文房具をモリモリ入れています。この量が段ボール数をググっと押し上げるのです。そして、これらを収めている学習机こそが、私の人生の『相棒』。

小学校入学前、2学年上の姉が当時使っていた机を私が使い、姉に1台だけ学習机を買おうという計画が持ち上がっていました。洋服のお下がりが当たり前だった時代、小1に大きな学習机は要らないだろう・時期がくれば準備すれば良いと思っていた父母に、私は「ど〜しても机が欲しい〜‼︎‼︎」とあらん限りの駄々をこねました。あれだけの勢いで駄々をこねた事は後にも先にもない気がします。その結果、根負けした父が何も言わずに家を飛び出し、自分の臨時収入を全て注ぎ込んで姉とお揃いで2台購入してきました。

横105㎝×奥行60㎝・備え付けの本棚が上に2段あり、当時のものとしては大層立派でした。父の『えぇい‼︎ままよ‼︎』気分がそのまま反映されたのでしょう。その2台がドドンと届いた時には母が目を丸くしていたのを覚えています。そしてさすがに途中で本棚は外しましたが、本体の学習机とは彼此40年以上の付き合いになりました。

今でも、机の前に座ると、自分の時間が始まります。

机の天板にほっぺをあてると気持ちが落ち着くのはこの机だけ。

嬉しい顔も焦った気持ちも唸った声も全部知ってるのもこの机だけ。

荷物としては幅をとっても、その幅以上の懐の深さを持つのもこの机だけ。

まさか、あの時の父母は、娘がこの机を持って東に西に何度も移動するとは思ってもいなかったことでしょう。『相棒』としてまだまだ一緒に過ごすことになりそうです。


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