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お茶をはじめたら、想像以上に豊かになった

「お茶を習いたい」そう思い続けてはや数年が経ち、習う必然性もなければ、きっかけもないまま過ごしていました。
でもお茶を習ってみたい気持ちはずっと心にありました。

そんな私がお茶をはじめてみたら、想像以上に自分にとっていいことだらけだったというお話です。

はじめるに至ったきっかけ

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夏の蒸し暑い夜に、福岡にある 万-yorozu- という茶寮に行ったときのこと。

一腕のお茶を淹れる所作が
丁寧で、むだがなく、それでいて美しい。

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暗闇の中、目を凝らしながら見たその所作に引き込まれて、
その場で、以前からなかなか踏み出せなかったお茶をはじめることを決めました。

「お茶をはじめる」といっても、あの所作が出来る様になりたいが目的だったので、着物を着て、お抹茶を立てる練習をするという一般的な"茶道"(個人の偏見です)に少し違和感を持ちつつ、お茶をはじめられるところを探していました。


そんなとき、日頃よく足を運ぶ中川政七商店が運営しているお茶のブランド「茶論」が東京にもあり、職場の近くで通いやすいこともあり、教室に通うことにしました。


それが11月の中旬のこと。


ハマりにハマり、1ヶ月半の間に初級編が終わり、いろんな人に魅力を話す機会が増えたので一度まとめてみたいなと思いました。
そして今、偶然にも仙台にある 茶寮 三 というお茶屋さんでこの文章を書いています。


さっそく本題に

お茶をはじめて、豊かになること

※ お茶≒茶道 という意味でお話ししてます。

私が感じているお茶の魅力は、

⑴もてなし力があがる
⑵幅広い教養が身につく
⑶日常に落ち着いた時間ができる
⑷美意識を磨ける
⑸健康になる
(気がする)
(⑹おいしいお菓子が食べられる)

大きくこの5つ
この5つをとおして、身も心も豊かになっている気がします。

⑴もてなし力があがる
「もてなし力」=「もてなす習慣」×「もてなし方の幅」
とここでは分解してみると、

私たちにとってお茶は「飲む」ものですが、
古くから日本では、その行為を超えて、人を「もてなす」場でもありました。

例えば、お茶を出すときに
床の間に季節の花をいけたり
季節のイベントにちなんだお菓子を使ったり
相手の好きな色の茶器を選んでみたり
相手の出身地の器を選んでみたり


その時かぎりの取り合わせに思いをめぐらせることが、お茶のもてなし。
これって別にお茶に限った話じゃないはず。
レストランを選ぶとき、誰かにお土産を買うとき、どうもてなすのかに思いをめぐらせる「もてなす習慣」がつくようになります。

そして、ちょっとプレゼントに近い考えかと思うんですが、テラハのペッペが花言葉やデザートの意味を知っていたように、贈り物やおもてなしをするときに、季節のお花やその意味、器の種類を知っているとその「もてなし方の幅」が広がります。

そうした意味で、もてなす力がついてきたなと日々感じています。

⑵幅広い教養が身につく
日本でのお茶は、空間全体でもてなすことに重きを置かれて現代まで歴史を歩んできました。その空間づくりのために、床の間にかける掛け軸の言葉や、いける花、使う花瓶。茶道具ひとつひとつの組み合わせでも、意図をもって選ばれていることが多いのがお茶の特徴でもあります。

今回なぜこの取り合わせにされたのかを知っていく過程で
例えば、
・食材/花/行事などの風物詩の知識
・焼き物についての知識
・心構えや季節を表す言葉の知識
といった教養が身についているなと思っています。

⑶日常に落ち着いた時間ができる
これは、お茶に限ったことではなく、珈琲などにも言える話かもしれないですが、忙しない毎日の中で、一杯のお茶を淹れることに集中する時間ができます。
お茶を点てるその時間は、なにも考えずにいられる、落ち着いた時間でもあり、心のゆとりができていると思っています。

また、お茶の魅力に気づき、惹かれていく女性の映画「日々是好日」では、

雨の日は雨の音を聴く。
雪の日は雪を見て、
夏には夏の暑さを、
冬は見の切れるような寒さを。
五感を使って、全身で、その瞬間を味わう。​

と語られていますが、繰り返し静かにお茶を淹れる時間によって、日常の様々な変化に気づくようになるとも思っています。

⑷美意識を磨ける
日本の伝統的な美意識の一つである「侘び」「寂び」。
この「侘び」「寂び」は茶道の真髄としても語られます。
例えば、侘びは茶の湯の中で理論化されていき、「わび茶」という言葉が江戸時代に出来たほどで、その後茶道の根本美意識として侘が位置付けられるようになっています。
このような「侘び」「寂び」の精神を読み解きながら、自分自身のものにしていく。その過程で美意識が磨けるのではないかと思っています。

⑸健康になる(気がする)
お茶はもともと薬で飲まれているほど、たくさんの効能があります。
お茶を飲んだだけで、どうなるとは専門家でもないので言い切れないですが、みなさんが御存知の通りの効能があるのを念頭に、お茶を飲むととても健康になる気がします。

(⑹おいしいお菓子が食べられる)
これは余談ですが、お茶にはカフェインが入っていて、昔は今よく飲むお抹茶(薄茶)よりもだいぶ濃いお抹茶(濃茶)を飲んでいました。当然濃茶に含まれるカフェインは、薄茶よりもだいぶ多いので、空腹時に飲むと胃に刺激を与えてしまいます。そのため、「主菓子」というお菓子を先に食べるという作法になったそうです。

その「主菓子」も、薯蕷饅頭、きんとん、ねりきり、餅菓子、、と種類がたくさんあり、季節によって見た目も使う食材も異なっていて、ただおいしいだけでなく、お菓子で季節を味わえるんです。

茶論だと、奈良にある主菓子の最高峰と言っても過言ではない「樫舎(かしや)」さんの主菓子が食べられるところもモチベーションになって、毎回楽しく通えています。

お茶の深み

つまり、お茶に魅了されたお話しをしましたが、ご存知の通り、お茶は深すぎて語りきれない(最後の方力尽きた感ある)ので、これから時間がある時に、お茶について少しずつまとめていきたいと思います。

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