見出し画像

既に答えが出ていた「何が良い人生に必要か?」

Harvard Study Adult Developmentからわかったこと

若者に”人生の目的”を聞いたところ、80%以上は富と答え、同じ若者の50%は名声と答えた
Ref: What makes a good life? Lessons from the longest study on happiness  by Robert Waldinger

「何が良い人生に必要か?」、なんとこの人生の根本的な疑問を、ハーバート大学がHarvard Study adult Developmentとして研究発表していました。そして驚くべきことに、その答えが研究結果の中で出ています。
今回はその内容についてご紹介したいと思います。リンク先には動画(13分)もありますので、ぜひご覧ください。

動画は設定を変更すると日本語字幕で試聴することが可能です

Harvard Study Adult Developmentについて

研究は男性を2群に分け、1938年から開始されました。
①ハーバード大学2年生
②ボストンの貧困層(ほとんどが水道設備もないアパート住む)
この2群724人を、10代からシニアになるまで75年間追跡調査しています。毎年調査員が、仕事、家庭、健康について質問を行いました。
724人のうち2015年の発表時に健在で研究に継続参加した人は60人。そのほとんどが90歳以上となっていました。
彼らの人生は、工場の従業員から医師、そして大統領(ケネディ大統領)まで様々なものでした。

画像1

調査結果から分かったこと

この調査結果として、シンプルな言葉で説明されています。

幸せな人生の要素は、富でも名声でも無我夢中で働くことでもなく、
親密で良い人間関係が包括的に私たちに利益をもたらす
(Good Relationship keeps us Happier and Healthier. )

この研究からわかったことは以下の3点です。

①良い人間関係は、人を長生きさせる

発表の中では、「孤独は人を殺す」とはっきりと述べています。その脅威は喫煙やアルコール依存症と同じくらい強力だそうです。良い人間関係は、精神的な衰弱を防ぐ効果があるようです。

②良い人間関係は、友人の数ではなく身近な人との関係の質

なんとどのような老後を過ごすかは、50歳の人間関係の満足度でわかると言うのです。つまり、50歳で人間関係の質に恵まれた人は80歳でも幸せな人生を送っているという研究結果がでています。その人達は、たとえ身体的な苦痛があっても、人生に幸福を感じてました。

③良い人間関係は、健康だけなく脳を保護する 

80代になっても周りに頼れる人がいる人は、記憶がはっきりしていました。 反対に頼れる人が周りにいない人は記憶障害が起きやすいという結果が出ています。ここで重要なのは、信頼関係です。毎日お互いに小言を言っていても、お互い頼れるかどうかが大切だそうです

画像2

TED Talkロバート・ウォルデンガーの最後のメッセージ

リンク先にあるロバート・ウォルデンガーが最後に引用したマーク・トゥエインの言葉(『トム・ソーヤーの冒険』の著者)です。

「"There isn't time, so brief is life, for bickerings, apologies, heartburnings, callings to account. There is only time for loving, and but an instant, so to speak, for that."」
人生はあまりに短いので、小競り合い、言い訳、癇癪、叱責をする時間はない。愛し合うための時間がある。しかしそれは、いわば一瞬のことなのだ。

Ref: What makes a good life? Lessons from the longest study on happiness  by Robert Waldinger

人々の暮らしはとても便利になりました。スマホでクリックすれば、何でも届きます。食事ですら外にでることなく配達してもらうことが可能です。

この便利さに比べると、人間管理はあまりに複雑で困難です。アドラーも「人間の悩みは全て対人関係の悩みである」と言います。しかし、今回の研究結果は、人は1人でも生きていけるが、幸せにはなれないことを示してます。

画像3

これを読んで、心が動いてくれた方へ。
家族、友達、コミュニティと信頼関係をつくるために今できることは何ですか?簡単なことからで良いと思います。答えが出ていればあとは簡単です。24時間しかない時間を何に使うかです。ご家族に電話をするのに、何分必要でしょうか?

家族、友達、コミュニティと信頼関係をつくるために、今できることは何ですか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?