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叔父さんの怒り

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[登場人物]

・私 (都会で夫と二人暮らし)
・夫

・お義父さん(夫の父・地方でお義母さん、弟と3人暮らし)
・お義母さん(夫の母)
・弟(夫の弟・無職・実家暮らし)

・叔父さん(3人兄弟のお義父さんの弟・妻と同地方で2人暮らし・子供なし)
・叔父さんの妻(叔母さんが2人出てくるので叔父さんの妻とする)

・叔母さん(3人兄弟のお義父さんの妹・嫁いで同地方で夫と2人暮らし)

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私達は朝早くにホテルを出て、実家へと向かった。
車で私達の移動を助けてあげると言ってくれた叔母さんのご好意に甘えて
車で私達夫婦と叔母さんの3人で向かった。

「話がある」

前日に叔父さんにそう言われていた私達は実家に着いて先に
叔父さんと話をするために、同じ敷地内の叔父さんの職場へ行った。


ここから叔父さんの厳しい言動が始まり、
私達を苦しめ始めた。


話を始めるや否や、たくさんの言葉の矢が飛んできた。

  1. お義父さんがこうなるまでなぜお前達は気づかなかったのか

  2. これからあの二人をどうするつもりなのか

  3. 叔父さんがこれまでどれだけお義父さんにお金を助けてきたかわかるか

  4. お義父さんにはさらに借金がありこれも叔父さんに返せと言うのか

  5. 実家のことをずっとしてきた弟がどれだけかわいそうかわかるか

などなど。

とにかく実家に対して請け負ってきた負の部分を延々と私達にぶつけられた。

私は今までとても優しくしてきてくれていた叔父さんが豹変してしまったようで、とても驚いたが、夫と二人で冷静に答えられる所は答えた。

お義父さんがこうなるまでなぜお前達は気づかなかったのか
-これに関しては、コロナ禍で3年間は、帰省はしなくて良いと、帰らなくて良いとお義父さんと夫との電話の中で言われていたことを話し、向こうの様子が伺えなかったことを伝えた。

「それでも電話の声などから気づくことはできただろう」
「お前が積極的に実家に電話しなかったから気づかなかったんだ」

と、叔父さん。
確かに、夫は実家に積極的に電話や連絡などを一切しないのだ。
しかしこれには、今までの長い時間に構築されてしまった
夫とお義父さんの間での問題があるのだが、これはまた別途記載するが、

これに関しては叔父さんも同じなのだ。
叔父さんとお義父さんは関係が悪く、
宗教関連の連絡をするのも、実家にいるお義父さんに直接会って話せばいいものを電話で全て済ませていたというのだ。
実家と同じ敷地内に自分の職場を作っている叔父さんが、
近くにいながら実家にいるお義父さん家族と一切会おうとしてこなかったのは、
私達に責められる所ではなくお互い様なのだ。

自分の体の異変を知られたくない、お義母さんの体調不良に気づかれたくないお義父さんは、一切助けを家族に求めず、
またお金がかかるから病院にも助けを求めず、
自分とお義母さんの食事と下の世話を全て弟に任せていたのだ。
とにかく秘密主義。その場を乗り切れたとしても、
後に苦しめられるのは家族なのに…

「お前は今まで家の事を何もしてこなかった。お前が後のことを全部しろ」

あまり眠れておらず、気が立っているんだろう。
とにかく誰かを責めないと気持ちの吐き出しどころがないように思えた。
私達はお金のことや弟のことなど、
それは違う、と言い返したい事が他にもたくさんあったが、堪えて聞いた。

「あの二人は〇〇(私達が暮らす都会) に行きたがっている」
「これを聞いておくのとおかないのとでは、今後の二人への対応は全然違うことになるぞ」


「え?」


急な話の展開に、今まで心の中で言ってきた、「え?」が口をついて出てしまった。

「それ本人が言ってるんですか?本当ですか?」

私は聞き返した。
当然だ、と叔父さん。
叔父さんに切々と私達が暮らす都会に引っ越したいと語ったというのだ。

歩けないお義母さんと?仕事もしていない弟が?
どうやって暮らすつもりなんだ…

とにかく叔父さんの込み上げる怒りがおさまらない。

「本人に聞いて本当にそう思ってるのか聞きます。それから今後の話をしていきますから」

「どっちにしても生活保護を受給して一時的にでも収入を安定させないと、
二人とも共倒れになってしまいますから。まずその話をお二人に話します。」

私がそう言うと、さらに叔父さんは激怒。

「叔父さんがどれだけ身銭を切ってお義父さん家族を支えてあげたかわかるか」
「叔父さん達は自分達の買い物すら1円単位でも相談しあって買うんだ、そんな生活するくらいお金を渡してきたんだ」
「お前達も身銭を切って二人を助けろ。生活保護なんて自分達が苦しまない方法ばかり考えて何を言ってるんだ」

この中で、お義父さんに叔父さんがかなりお金を工面してきたような内容があるが、
これはお義父さんの生活費を工面していたのではないのだ。
お義父さんが宗教に奉納する献金?のようなものを、
お義父さんがお金がなくて支払わず、
生活費に充てていたのを知った叔父さんが激怒して、
お義父さんの分の献金?も叔父さんが払っていたのだ。

もちろんこれに関しては私達が申し訳ないと思うことは無く、
宗教関連でのお金に関しては、
一応結婚と同時に入信させられた私、と夫の所にも、
度々献金のための振り込み用紙とお札のような紙ものが郵送で届くが、
私達個人としても一銭も払ってはいない。
そもそも神様に多額の献金をする事がおかしいという私達の考えは
信仰に熱心な叔父さんには無い。
そしてこの献金だが、
宗教の中で年に何度か、数ヶ月に1度のペースで〇〇祭りというのが開催されるのだが、
そのタイミングで信者が宗教に対してお金を振り込む。もしくは奉納する。
そうすると神のおかげがあるというのだ。
その金額は任意ではあるものの、
聞くと金額が上がる方が位のようなものが上がり、
より神のおかげがあると言う事らしい。
それに叔父さんは数万〜数十万の大金を〇〇祭りの度に献金していたのだ。

ちょっと私たちとは世界が違う。どう話を進めていいのかわからなくなった私達は、役所などに行かないといけないから、と実家へ移動した。

叔父さんと話をし始めてから1時間半以上経っていた。
それにしても都会に来たいというのは本当なのか…
お義母さんは元々私達が暮らす都会の出身だったので、
お義母さんがお義父さんが亡くなって身体的にも生活が難しくなった今、
故郷に戻りたいと思うのは理解できるが、
弟はなぜなのだろう。
高校を出てすぐに実家を離れた兄が羨ましかったのだろうか。

とにかく話を聞かないと、と思った。






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