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マイペースな先輩に尊敬した話

一言で「尊敬」と言ってもいろいろなものがある。
普段見せないかっこいい姿を見せた時に生まれる尊敬や、その人の生き方や思想への尊敬、日常における小さな優しさへの尊敬など、尊敬にもいろいろな種類があり、その尊敬の重さ、尊さも違う。

これは、ある先輩への尊敬だ。
それは先日、品川駅でのことだった。
駅のエレベーターに乗った僕と先輩は、あるアジア系の顔つきの女性に英語で話しかけられた。
「このエレベーターはJR線か」と聞かれた。そのホームは京急線と山手線が通っているホームだったのでYESと返事をした。
エレベーターを降りた後、僕と先輩は山手線の通ってる線路の方へ足を運ばせた。しかし、そこであることに気づいた。
京急線の乗り場の方が山手線よりもエレベーターの近くにあり、山手線まで割と入り組んでいた。
僕はあの女性が京急線と間違えないか少し心配になった。「大丈夫かなー」と思っている僕。そんなとき咄嗟に動いたのは先輩だった。
なんと先輩は戻って山手線まで案内しようとしたのだ。
思ったことをすぐに行動できず、「迷惑だと思われたら…」とか「そもそも教える必要ないんじゃ」と考えてしまう僕は、その出来事にその場で感心してしまった。
先輩の動きに意味があったかはわからないし、そもそも先輩は英語が不得意で、英検二級の二次試験に2回落ちたという話をしたばかりだった。
普段自分のことにマイペースで優柔不断な先輩の素敵な一面に小さな尊敬を抱いた。

そんな日常の小さな感動に人は少しずつ変化しているのだと思う。

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