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ああ、また、私の周りの大人と、私の頭が常識的価値観を押し付けてくる

2024年1月22日。友人の勧めでNHKあさイチの特集を見た。
「人には言えないハナシ 教育やりすぎ!?」という特集だった。 やりすぎかもしれない、でも止められない、教育への親の価値観と子供の声の相違の事例がたくさん出てきた。どちらの気持ちもわかるなぁと思いながら自分自身のことを振り返っていた。友人の家で見ていたのだが、やりすぎかもしれない事例ややりすぎサインの言葉を聞いている時に、私は自分の親から こういう言葉を受けなくて幸運だったなあ とつぶやいていた。

でも、家に帰ってよくよく考えてみると、そうだ、私も 言われたことがあったなあと思い出した。

私が高校生だったころ

私は高校2年の時に退学をしている。進学校に入っての学校生活になじめなかったのだ。 高校1年生の夏、進路相談の時期になり、担任の先生と面談があったのだが、私は事前調査表の志望校を空白で出した。なぜなら全く思いつかなかったからだ。正直入学して間もないのに、また次の選択の話か、、、と思った。そのことを先生に話すと「とりあえず地元の国立大を書いておきなさい」と言われた。 私は自分の進路について まだよくわからないと言っただけなのに、地元の国立だよ 書いておきなさいという回答をしたその担任の先生と、それがあたかも 普通だと思っている 他の先生たちと、そこに疑問を持っていない 他の学生たちに引っかかってしょうがなかった。 結局その1年生の夏一人旅に出ることになり、じっくり 自分の考えを聞いていたら ますますこの高校で3年間を過ごすことは 私のしたいことではないような気がしていた。

今振り返れば、その進路相談の場面で、先生が「どんなことするときにわくわくするの?」というナイスな質問をしてくれたらこんなに嫌にはならなかった気がする。そう、私は自分の好きが何かまだわからない自分に焦りもあったけど、適当な落としどころにすることには抵抗があった。自分の心の声を聴きたい。自分の気持ちを考える余裕が欲しい。そんな風に考えていたと思う。

とはいえ、なんとか学校に行ったり休んだりを繰り返しながら1年生を終え、2年生になった。2年生の半ばになると、いよいよ 週に3日ほど休む スタイルが定着してきて、他の高校に編入しようかという相談を両親にした時のことだ。

私の母は私が学校に行っていない時のこと、日中のことをよく見ているので それがいい、 美穂が決断したことならそれが良くなっていく道だよ という 前向きな態度だったが、 私の尊敬する父親は「もう少し行ってみらんね?もったいなかろーもん(もう少し止めずに行ってみないか? もったいなくないか?)」といった。 せっかくの進学校に入ったんだから、あと1年だから、そんなことばが後ろに隠れているのもよくわかった。

ちなみに、私の両親はとても 私は愛情深く育ててくれて、勉強しなさい とか言われたことも一度もなく 恵まれた環境であったのは間違いない。 ただ それでも、あの時 苦しんでいた私を見ずに、もう少し行ってみないかという 父 自身の価値観を提示されたのは嫌だったなあと思い出した。 私の父も母も私のこと本当に愛してくれていて、考えて言ってくれている言葉 だからこそ、また私自身の頭も同じことを言っているからこそ、どうしようもなく塞いだ気持ちになったんだ。愛しているのがわかるから、私の頭もそういってるから、心だけがひとりぼっち。

今回の特集でピンと来たところ

あさイチの特集で武田信子先生が言っていた言葉で ピンと来たものがあった。

自分の価値観を子どもに適応した場合に、それが必ずしも幸せかどうかはわからない。私は親として こう思うけどあなたはどう思うのとお互いの価値観を聞き合う、そんなことが大事だよね と。

自分の失敗の糧を子どもに教えてあげたいとか、先を行く 大人だからこそわかると思っているアドバイスが、たとえ私の血を分けた子供であったとしても、同じ結果になるかは分からない。私たちは こんなにも身近に暮らしているけれども、 全く違う人生を生きているんだなということを思いだした。

とりあえず 国立大を書いておきなさいと言っていた先生も、先生の中で最も正しいと思われる 優しい アドバイスだったんだろうし、 私の父がもう少し 辞めずに行ってみないかと言った言葉も、私の幸せを心から願って言ったことであるのはきっと間違いないだろう。

ただ 周りの大人の価値観や私自身の頭が何を言うかではなく、私の心がどうしたいのかをそっと耳を寄せて聞くそんな瞬間がもっと増えていくといい。 私も2歳児の母である。 少しずつ 価値観を押し付ける側に回っているかもしれない。 子供が子供自身の心の声に耳を傾けれるような 余白を残しておきたいなと心から思った。

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