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田舎の漬物の実態と食品衛生法改正

今日は母方のおばあちゃんのお家で念願のたくあん漬けを習います。

2、3年前から おばあちゃんから 漬物の漬け方は絶対 習わなければならないと思い、 去年は梅干しを習ってつけました。 今年はたくあんや 高菜など 冬につける 漬物が是非習得 したいと電話をすると、 じゃあ 明日たくあんつけようかと言ってくれたので急遽ばあちゃんち へ乗り込みです。

たくあんをつけたいと思った理由は、来年、自分も畑で大根を植えたら取れるかなー 、その取れた 大根で漬物 なんかつけれたら めっちゃいいじゃん と思ったこと。 ばあちゃんちの たくあんはスーパーで売ってあるものよりも もちろん 色はどす黒くて味もしょっぱく 大根 自体もかなりかみしめないと噛めない ぐらい 硬いです。 でもその分 懐かしい味でちょっと古くなってきたりしたら油で炒めて食べると 絶品。

もし おばあちゃんが亡くなったり、もうきついから来年からは、、、と言ったら食べられなくなる味です。 私の親世代はあんまり漬物とか興味ないみたいで習ってないので、本当にばあちゃんから習うなら私しかいないという使命感のもと習ってきました。

息子は たくあんが大好きで、 来年から幼稚園で毎日お弁当を作らなければならないです。もし たくあんがあれば ご飯とたくわん それだけで息子は満足なんじゃないかな(さすがにそれはさみしかろうけど)と思うぐらいたくあんが好きなので どうか 今年 たくさん たくあんをつけて来年春からの入園に備えたいと思います。

登場人物

教えてくれたのは福岡県糸島育ちの86歳おじいちゃん。同じく糸島育ちの85歳おばあちゃん。どちらもイチゴ農家を引退して、今はのんびりしています。
習いに行ったのは30歳の孫娘とその息子、ひ孫2歳。

田舎って広くていいな~と思ったのは、たくあんを習っている間に、息子は家の裏をぶらぶらしたり、リヤカーみたいなのを押したりしていたけど、車が来るわけじゃないし、広いから見てる方も心が広くなる。小屋には危険なはさみや、原始的な測り、重石などごろごろころがっていたけど、それが物珍しいみたいで息子も楽しそうでした。

たくあん漬け備忘録

手はぬかと塩とウコンにまみれていて、写真は撮っていないので、私の備忘録として書き記しておきます。

たくあん漬けで感じたことそれは
①たくあんの素の裏に書いてある通りにすればいいということ
②とはいえ、どこにも書いてないことをじいちゃんとばあちゃんはしているということ
たくあんを着けるには、ウコンや着色料が入ったたくあんの素というものがあって、そして種類も、早漬けと干漬けの2種類あることがわかりました。
早漬けは生の大根そのままを漬けるやり方で、干漬けはいわゆるしわしわに大根を干してからつけるやつです。

今回は、祖父母が前もって大根をつるして干してくれていたものを使って干漬けをしました。
まず、書いてある通りの分量の塩、ぬか、たくあんの素を混ぜ合わせ準備しております。適当な大きさの漬物樽に、それを最初ちょっと撒きいれておいて、その上から干した大根を平面になるように平行に並べていきます。1段並べたら、混ぜておいたたくあんの素となる粉をまき入れて、次の段も同じ方向に大根を並べて、積み上げていきます。

ここで、感じた②。たくあんの素の箱に書いてある通りの分量を入れるのですが、それ以外に今回は、乾燥させたシソの実、乾燥させたナスの根っこ、乾燥させた渋柿の皮、鷹の爪をはさみでザックリきりながら、「まあこんくらいいれりゃよかろう」とばあちゃんが言うまで入れました。
シソの実を入れるのは、なるほどスーパーに売ってあるたくあんがシソ味なのが納得。渋柿の皮は甘みが出るとか。ナスの根は、色は悪くなるけど、「においの良くなる」ということでいれるそう。「そんなこと誰から習うと?」ときくと「そりゃあ、昔からそうしよるけんたい」とのこと。田舎の口伝おそるべし。

途中途中、じいちゃんがバスタオルをかぶせて、樽の中に入って上から踏んでしっかりすき間を埋めるというあらわざもありました。ちょうど新聞に、食品衛生法が変わって、漬物をつけていたおじいちゃんおばあちゃんたちも、衛生管理のための設備通しが難しく、道の駅から漬物の姿が消えるだろうという記事が載っていたのを思い出しました。
今回漬物を作ったのも、小屋の前(野外です)だったので、色々入っただろうけどそんなもんで作られているようでした。
漬物文化は、現代の食品衛生法では踏襲できないものなんじゃないかなと感じました。漬物それ自体が、いろいろ都会のこぎれいなものだけで作られているわけではなく、外で寒風にさらされて干されたあれこれ、漬けてる最中もなんかいろいろ発酵してるのか、微生物たちのいろいろなはたらきがあってなんか、私から見たら「腐ってるのと紙一重だね」って感じ。ノウハウをしっているのは田舎の普通のじいちゃんばあちゃんで、それをいろいろな基準で縛ってしまうと、じゃあもうつくらんばいってなる気がしました。

最後に、たっぷりのたくあんの粉を上からかぶせ、大根の葉っぱで蓋をしてうち蓋、重石をして終了。

今月またどこかで、高菜漬け(これは絶品。スーパーで真空パックに入ってるやつとはわけが違うパンチ。これを油いためしたものは、私が留学していたときに恋しかったものの一つ)をつけるとのことだったので、それも習いに行きます。
そして、早漬けのほうは家で作ってみることにしたので、そちらも後でまた書きます。
祖父母の家よりは少しは都会のアパート暮らしの我が家で、そもそもの材料を植える場所、漬物を漬ける場所、保管する場所など同じようにはできないのですが、ばあちゃんの漬物が再現できる余地だけはこの世に残したい。また次も記録残しますので、こうご期待。



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