見出し画像

手間暇かけない幸せバズレシピ

最近我が家の食卓に、週5回以上の割合で登場する鍋がある。

ツイッターで人気の料理のお兄さん、リュウジさん(@ore825)のレシピによる「無水千切り大根鍋」だ。
これが、めちゃめちゃおいしい。

材料はいたってシンプルで、メインの食材は大根と豚肉。
それを白だしと日本酒で煮込んで、ポン酢や塩など自分の好きな味を付けて食べるだけ。

びっくりするほどシンプルなのだ。

シンプルなのだが、我が家ではこの鍋にドハマリしてしまって、週5回以上の割合で、なんと2ヶ月ほど食べ続けている。

はじめは大根だけで作っていたのだが、「これ、他の野菜でもおいしいんじゃない?」という話になった。
さっそく白菜でもやってみた。

おいしい。

次にキャベツでもやってみた。

おいしい。

同じ根菜だし、と人参でもやってみた。

とてもおいしい。

それならば玉ねぎでは、れんこんでは、きのこでは。

おいしい。
おいしい。
すごくおいしい。


そんなわけで、我が家では「その日スーパーで一番輝いていた野菜を食べる鍋」として、

”輝き野菜鍋”

という名称で呼び始めた。
いまのところ飽きる気配がない。

冬野菜が美味しいのは言うまでもないが、これからは春キャベツがおいしい。
玉ねぎもまだまだおいしい。
カブもおいしいに違いない。

暑くなってきたら鍋ではなくて”煮込み料理”という体にしてしまって、例えば昼に作っておいて夜に食べるとかすれば、熱すぎるということもないだろう。
トマトでやってもおいしいに違いない。
ナスでもいけるだろう。

そして気がつけば、秋になってまた冬になる、という寸法だ。
1年中野菜がおいしい。


1週間ほど前、母がスーパーで雪下人参というのを買ってきた。
そして大根と一緒に、鍋に入れてみたのだ。
白い大根と黄色い人参の彩りは美しかった。

だが食べてみると、いつもの感動がない。

人参はとても甘みがありおいしい。
大根も味がしみしみでおいしい。

原因はなんだろうと考えたところ、人参の甘みが大根に移ってしまって、大根なのか人参なのか脳みそが混乱してしまったようだ。


そう、この鍋の真髄は、そのシンプルさにあった。
野菜が1種類だけなので、その野菜の味わいをガツンと感じられるのが、この鍋のよさだったのだ。

思い返してみれば、同じ野菜でも産地や日によって味わいが全然違った。
砂糖でも入れたんじゃないかというほど、スープに甘みが出る日もある。
水を入れすぎたかと思うほどシャバシャバの日もあれば、汁気がほとんどなくて煮物のようになっている日もある。
同じ野菜でも、毎日異なる味わいを楽しめるのだ。

野菜のポテンシャルを最大限に引き出す鍋。
それがこのレシピのよさだった。


このリュウジさんという料理家の方は、わかりやすくてキャッチーなレシピをたくさん公開している。
悪魔のレシピ』『バズレシピ 太らないおかず編』といった本を出しているだけあって、SNSでバズりやすいキャッチーなネーミングやお手軽さを売りにしている人だ。
レシピを見てみると、比較的バターやごま油などの油の使用が多く、低脂質ダイエットをしているわたしには作れないものも多い。
のだが、バターやごま油を使って、美味しくないわけがない。
なので週イチのチートデイでは、リュウジさんのレシピでご飯を作ることがある。

例えば今日は、レンジで作るカマンベールカルボナーラを作った。
材料を全部入れてレンチンして、最後にバターと卵を混ぜる。
カマンベールを半分も入れた、背徳の料理だ。

実はわたしは、この人のレシピを試すまでは、パスタをレンチンで調理するなど言語道断だと思っていた。
イタリア人に謝れ、とさえ思っていた。
でもカルボナーラのあまりの美味しそうさに、わたしのポリシーは屈服してしまったのだ。

初めて作ったときは、ドキドキしながら材料をレンジに入れた。
11分の加熱後、出来上がったのは、鍋とフライパンで作るよりもおいしいカルボナーラだった。

しかも調理道具はタッパー一つ。
完敗である。
バターとチーズなんておいしいに決まっているけれど、誰が作ってもバチっと決まるレシピを考案するのは、なかなかすごいことではないだろうか。

そして多分、この味付けは汎用性が高い。
そう、我が家で進化した「輝き野菜鍋」のように、他の食材にも転用可能なはずなのだ。

例えばスパゲッティではなくマカロニにして、器を変えてオーブンに入れればグラタンになる。
パスタをしめじにすれば、濃厚きのこクリームソースができるので、チキンソテーにかければおいしいだろう。
リュウジさんがたまにやっている、パスタのかわりに白滝を入れる裏技を使えば、低カロリーカルボナーラになる。

絶対においしい。


料理において、簡単でシンプルであることは偉大だ。
もちろん、手間暇かけたこだわりの料理だっておいしい。
でも、忙しない日常の中で、できるだけ簡単においしいものを食べたいと思うのも、また当然のことなのだ。

簡単でありながら、素材の味を存分に味わえるレシピや、汎用性の高いレシピはとてもありがたい。
そんなレシピを次々と世に送り出すのは、ものすごい仕事ではないだろうか。


ありがとうリュウジお兄さん。
次のレシピ本も楽しみにしています(予約しました)。

みななもレンチン料理を恐れず、だしの素やごま油やバターの多用を恐れず、おいしいものを作って食べてほしい。

幸せになることうけあいだ。

この記事が参加している募集

私のイチオシ

放っておいても好きなものを紹介しますが、サポートしていただけるともっと喜んで好きなものを推させていただきます。 ぜひわたしのことも推してください!