全日本最速店長日記①
◆自己紹介
この度、第6代目最速店長になりました、「エイジサイクル」の店主、岩島啓太です。
私がロードバイクを始めたきっかけですが、大学時代に電気自動車を作る課題があり、そこで軽量な自転車パーツを探している内にスポーツバイクの造形に魅了されてしまいました。
学生には価格が高くかなり悩んだのですが、多少無理して出会ったのが「PINARELLO PRINCE SL」。ピナレロがONDAフォークを打ち出した最初のモデルでした。これに予算内で間に合わせるため105のパーツで組み上げました。
ロードバイクのシンプルな造形に惚れこの世界に入ったのですが、すぐにレースにのめり込むことになりました。もともとスポーツは好きだったので、愛車を手に入れてからレース出場まではそう時間はかかりませんでした。スポーツ履歴はラグビー、アイスホッケー、ロードバイクとかなりマイナー路線を辿ってきました。
アイスホッケー時代にガタイの良さ・丈夫さから「超合金」のあだ名を先輩に付けてもらいました。「サイボーグ」とかよりも、素朴な感じが親しみがあってなかなか気に入っていて、今でも「超合金」は個人ブログタイトルに使ったりしています。
ロードバイクにのめり込んでからは、老舗ロードバイクプロショップ「なるしまフレンド」でメカニックとして9年弱勤めあげ、レースをしながらロードバイク一筋で活動しています。様々な自転車、情報に触れロードバイクはすでに私の身体の一部になったような感覚です。
2015年に独立し、小さなプロショップ「エイジサイクル」を構えました。今までの経験を活かし、レースだけではなくロングライド、グルメライド、ヒルクライム様々なことをロードバイクを通してまず自分自身楽しんでいき、それを共有していければと思います。
1年間の連載では、レースやイベントのレポートを通じて、自転車のメンテナンス、トレーニング、個人的見解を絡めてお話していきたいと思います。
◆10月22日、ジャパンカップオープンレース出場
ジャパンカップオープンレースは、翌日に行われるUCI HCジャパンカップサイクルロードレースと同じコースで行われ、アマチュアでも競技者レベルが高い方が集まるレースです。
私は2012年のジャパンカップオープンレースで優勝して以来、表彰台すらのれていないので今回のレースの目標は入賞を目指します。
ちょうどこの時期に重なった出張店舗の準備で全然調整ができずに当日を迎えてしまいました。ですが、走ってみると案外脚の調子は良さそうです。「今日は絶好調」と自己暗示をかけ、スタートラインの先頭付近に陣取ります。
数年前の土砂崩れ以来コースが短縮し単調になり集団ゴールになりがちなので、集団のペースに合わせ温存し、終盤に向けて上げて絞っていく方向で考えていました。
いざスタートしてみると自己暗示の効果も虚しく、ひたすら耐える立場でした。集団からちぎれつつも追いつき、最後は集団スプリントの後ろの方でゴールして20位でした。なんとか2017年の全日本選手権の資格が獲得でき、最低限の目標は達成できたので、3週間後のツールドおきなわに向けて切り替えます。
◆ブレーキコントロールの重要性
今年も例年にもれず、ジャパンカップの名所古賀志林道の下りで落車している方を多く見かけました。
強くなる上で落車は大きな足踏みとなってしまうので、落車は特に気をつけたいところ。
落車する要因は様々あるのですが、一つ挙げるとすれば「ブレーキングテクニック」だと私は考えています。
感覚的にいうと、ブレーキパッドとリムの間の摩擦が、タイヤと路面の間の摩擦を越えたときにホイールがロックしてしまいます。コーナリング途中にこれが起こると高確率で落車につながります。
このロックしないようにする感覚を知り、自在にブレーキングできるようになると落車を避けやすくなると思います。
ブレーキ面が粗いカーボンホイールの場合は更にロックしやすいので、ブレーキシューを若干斜めに取り付けるセッティング(トーイン)をしてコントロールしやすくするとよいでしょう。
雨の日はカーボンリムよりもアルミリムが良いと言われるのは、ブレーキが効くことよりもブレーキコントロールがし易いからだと思います。カーボンリムはものによってはブレーキ面が粗く、雨で濡れることで粗い部分と滑らかな部分の差ができ、ブレーキの感覚がつかみにくくなります。
ホイールとブレーキシューの組み合わせによって、ブレーキの感覚が大きく変わるため、レース本番前に同じ機材で慣らして感覚を掴んでおくことがトラブルを避ける重要なポイントですね。
落車しがちな人は、まず自分の自転車のブレーキセッティングを見直してみるのも良いかもしれません。パーツの特性を知ることにより回避できるトラブルもあります。メンテナンスを自分で理解することで自転車が速く上手くなると私は考えています。
自由奔放に生きる私を、知っていただければ嬉しいです。 サポートいただいたお金は今後のチャレンジのネタ作りに活用させていただきたいと思います。 心強いサポートお待ちしております!