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全日本最速店長日記⑥

【海外ステージレースへ】

◆世界大会への切符

昨年出場したニセコクラシックと同様に、今年からUCIグランフォンドワールドツアーの予選大会になった「ツール・ド・ビンタン」に出場してきました。
UCIグランフォンドワールドツアーとは簡単に言うと「アマチュア世界一」を決める大会です。年代別では元プロやプロ崩れの選手が多く参戦しています。各国で開催される19の大会のいずれかで予選通過すると、8月末に行われる本戦への切符が手にはいります。年代が細かく分けられていて、10代から60代以上の方まで幅広くレースを楽しめるように設定されています。UCI(国際自転車競技連合)の管轄のレースなのでしっかりとオーガナイズされていて海外レースでも安心して参加できますよ。
アジアでの開催はニセコクラシックに次ぐ2番目ですが、ツール・ド・ビンタン自体は今年で7年目の人気のアマチュアステージレースです。今年は1100名の参加者が、このインドネシアのリゾート地に集結しました。予選大会になったことで、世界中の強豪達から更に注目されはじめました。
昨年の世界大会はオーストラリアのパースで世界大会が行われました。2017年はフランスのアルビという町で行われます。自転車の本場ヨーロッパ開催のレースはレベルが高そうで、胸が高鳴ります。

◆ ツール・ド・ビンタン

ツール・ド・ビンタンはシンガポールからフェリーで約1時間の、インドネシアのリゾート地であるビンタン島で行われます。3ステージからなるステージレースで、初日17kmタイムトライアル・2日目140kmロードレース・3日目111kmロードレースの総合順位を争います。
1日のみの参加も可能で、私は今回UCIグランフォンド世界戦予選対象の初日のタイムトライアルと2日目のロードレースに参加しました。今考えてみると3日目も参加して、ステージレースの総合を狙えばよかったかなぁと思います。来年は出場します!
ほぼ赤道直下なので気温は高い。3月の日本との気温差は約30℃!体調崩しそうです。
その心配をよそに、今回は調整に失敗し渡航する前から体調不良でした…

.ニセコクラシックも予選大会なのに、何故ツール・ド・ビンタンにも出場したかと言うと、7月のニセコクラシックを待っていると8月の世界大会の直前なので、フランス行きの安めの航空券が手配できなくなるかも知れない恐れがあることが一点。もう一点はニセコクラシックをトラブルで上位完走出来ないと、世界大会への出場権が獲得できなくなる可能性があるからです。
他にも予選大会は多く開催されていますが、ヨーロッパやアメリカの開催地が多く、遠征費用がかさみます。アジア開催のツール・ド・ビンタンは、シンガポール往復航空券が比較的現実的な価格なので参加を決定しました。
コースが面白そうなのも魅力的でした。

◆17kmタイムトライアル

タイムトライアルは全長17kmで争われ、中盤のアップダウンのペース配分が難しいコースでした。遠方からの参加者を考慮してタイムトライアルバイクやディスクブレーキ、DHバーの使用が禁止されていて、ノーマルバイクでの参加というのが公平でありがたかったですね。体調が優れないので前日のコース試走はパスしホテルで休み、当日に備えました。
当日、アップはそこそこでスタート。タイムトライアルは得意な方ですが、コースを知らないのでまず序盤の突っ込みすぎに注意です。しかし予想外にアップダウンが続き、脚が削られゴールまでなんとかペースを維持できた感じでした。ゴール直後に1分後スタートの選手がゴールし優勝はないことを確信し落ち込む。しかし暫定3位で終盤を迎え、「これはいけるかも」と期待していたところ、最終走者あたりでタイムを塗り替えられ、結局4位。
優勝した選手とは1分近く離されていたので、万全の体調でも今の状態では優勝は難しかったですね。来年こそは!

◆140kmロードレース

体調も復調し、このロードレースで前日の鬱憤を晴らす意気込みでしたが、まさかの結果に。
スタートからまず緩いアップダウンが続き海岸線に向けて下り基調に進みます。最初は100名の集団でしたがアップダウンの度に次第に減っていき、海岸線に出る頃には約50名の集団に。まだスタートして40kmのレース序盤。ペースはそこそこですが決して速くはないので、結構脚力差があるようです。

道が滑らかな舗装になったところで後輪に違和感が?!「ユーハブア フラットタイヤー」と後ろの選手に言われ、おそるおそる後輪を見てみると、パンクしてました…
結構な勢いで抜け始めたので、すぐに止まらざるをえなく、ちょうど集団の反対側を走っていたチームメイトに声をかけられず約50名の集団を見送りました。
「まいったなぁどうしようか。」と諦めがつき、驚くほど冷静でした。事前にホイールサポートは無いことを知らされていたので、ポケットにパンク修理キットを忍ばせていたのが幸いしました。ですがまさかパンクすると思っていなかったので、仏式アダプターを忘れその場でパンク修理キットの口金を加工し、何とか3気圧ほど入り走れる状態に。そこから次のエイドステーションまで20km独走し60km地点のエイドでポンプを借りようとしたところ「ノーポンプ!」と言われ、確認するとなんとそこにはバナナとドリンクしかありませんでした!バナナを頬張りながらどうしようか考え、ボンベに残っていた空気を後輪に全て充填しまたゴールに向けて走り出しました。
その時ちょうどよく次の年代の先頭集団が通りかかり、そこにその年代チームメイトが残っていました。私はハンドポンプは持っていなかったのでチームメイトにポンプを借り、しばらくその集団の後方でついていきました。
残り20kmまで来たところでタイヤの空気が抜けきったので止まり、今まで無いくらいの速度で高速ポンピングし、残りをチームメイトと走りきりました。
まずは見知らぬ地でゴールに戻ってこれて、ほっと一安心。
期待していなかったリザルトを確認したところ、なんと21位で上位25%以内に入り世界戦への切符が手に入りました!
これで最速店長日記11月号は世界大会のレポートが書けそうです!

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