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気になった調布市予算のはなし<保育従事職員宿舎借上げ支援事業>

はじめに

今回は調布市の予算の中で目に付いた「保育従事職員宿舎借上げ支援事業」について取り上げたいと思います。
国の事業なので調布市独自のものではないのですが、単純に私自身知らなかったのと、子育て世代としては良い取り組みだと思ったので調べてみようと思いました。

1.事業の概要

まず事業名のとおり『借上げ支援事業』なので、保育士個人に対する補助・手当ではなく、事業者向けの事業となります。事業者が従業員のために住宅を借り上げる場合に事業者に対して補助金が交付されます。なので、保育士の方が実際に住宅補助を受けるためには、借り上げ制度のある事業者に雇用される必要があります。
要件は以下のとおりですが、最大で月額8万2000円の補助を受けられますのでとても助かりますね。ちなみに調布市職員の住宅手当は月額1万5000円なのでこの点においては民間の方がかなり手厚いようです。

「調布市HP」より

なお、上記に記載はありませんが、ずっと補助が出続ける訳ではなく、令和5年度においては採用から7年間のようです。国の方針として、短縮の傾向があり、令和6年度はこの期間が6年間となり『対象期間の段階的な見直しを行う』とあるので、今後さらに短くなる可能性もありそうです。
冒頭で述べたとおり調布市独自の事業ではないので、国や都の予算の影響を受けるのは仕方のないことですが、何とか継続してもらいたいですね。

「令和5年度 保育関係予算案の概要」より
「令和6年度 保育関係予算概算要求の概要」より

2.調布市の予算規模

令和5年度では3億1920万円が計上されています。そのうち2億6812万円は国や都の財源を利用するようです。令和4年度予算は2億8861万円だったので前年より3千万円くらい増加していますね。

「令和5年度主要事業概要」より

最大で月額8万2000円、年額98万4000円なので令和5年度の予算で単純計算すると324名分の利用を見込んでいるということでしょうか。令和4年度の予算では293名分ですね。
令和4年4月1日時点における、調布市内の保育園の常勤従業者数は1432人で、そのうち私立保育園の常勤授業者は1273人なので、令和4年度の予算規模ですと約23%、4人に1人くらいはこの事業の補助を受けている計算になります。

3.借り上げ社宅制度のある事業者

調布市で公開されている情報からは具体的にどの事業者に補助金が交付されているかは確認できませんでしたので、求人情報から調べてみることにしました。
「保育の仕事(https://hoiku-shigoto.com/)」さんでは、掲載の求人情報について、社宅制度の有無での求人の絞り込みが可能だったので、社宅制度のあるものを抜粋すると以下のようになりました。もちろんこれらの事業者以外でも社宅制度のある事業者はあるかもしれません。

調布市×正社員×社宅制度有の検索結果

4.さいごに

今回は保育士向けの借り上げ社宅補助制度について調べてみました。期間が縮小傾向にあるのが気にかかるところではありますが、年間で100万円近く手取りが変わってくるので、あるかないかは大きな違いですね。
調布市に限らず保育士として就職を検討されている方は就労条件の一つとして気にしておいて損はないと思います。

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