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【六寸刻文皿】の道行#9「春と塵(原形完成)」

こんにちは。上出惠悟です。

20数年前のちょうど今頃、金沢の高校を卒業した私は美術予備校へ通うべく親元を離れ、名古屋へ向かいました。卒業式が終わっても浪人を許さなかった父は、話し合いの末に「たまには手紙を寄こせ」と言って送り出してくれました。最初の手紙には北村という友人ができたと書きました。結局浪人中、私が父に手紙を書いたのはその一通だけだったように思います。これが私という旅のはじまり。その後の柴田との出会いも、親友や妻との出会いもこの特別な春からはじまりました。名古屋へ向かう特急しらさぎ号の車窓から見えた満開の桜を今でも覚えています。

私は花粉症なのであまり春が得意ではありませんが、この季節特有の「風が薫る」夕暮れ時の雰囲気がとても好きです。そして「ああ、今年もまつりがはじまるんだな」と感じるのです。そうです。いよいよ、窯まつりがはじまります。

今年は寅年、虎らしい色合いにしてみました

窯まつりのホームページもアップしましたのでご覧ください。今年もコロナ禍に対応した完全予約制となり、チケットの販売は4月2日からです。風薫る五月、皆様にお会いできるのを楽しみにしています。

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上出長右衛門窯の道行

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現在進行中の新作開発の紆余曲折するストーリーを、テキスト、写真でお伝えしています。旅は道連れ世は情け。これまで秘密にしていた新作とそのアイ…

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