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【河田さんと私たち】の道行#2「生きているもの」

こんにちは。上出惠悟です。

最期まで現役の職人を貫いた河田さん。かつてテレビ番組のインタビューで轆轤師という自身の仕事についてこう答えています。

「粘土に逆らったら駄目、僕の品物が駄目だったらその後の工程も全部駄目になってしまう。だから僕の仕事が基本なんです」

カメラを向けられて笑う河田さん

実際、河田さんの安定した仕事は長右衛門窯の支えであり、その存在は私たちの精神的な支えであったように思います。工場の2階で仕事をしている絵付師達もきっと、真下(1階)で轆轤を回す河田さんを轆轤の音とともに常に心の隅で感じていたのではないかと思います。河田さんが亡くなる直前まで仕事をしようとしたのも、基本となる為に妥協しない彼の責任感の現れだったのかも知れません。

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上出長右衛門窯の道行

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現在進行中の新作開発の紆余曲折するストーリーを、テキスト、写真でお伝えしています。旅は道連れ世は情け。これまで秘密にしていた新作とそのアイ…

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