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【六寸刻文皿】の道行#4「九谷と絵付/先人の道行②」

こんにちは。上出惠悟です。

「九谷焼は絵付を離れて存在せず」という言葉を生んだ先人たちの道行を、前回に続けてお届けします。皆様がきっと知らないであろう九谷焼と絵付についての歩み、今回は近現代編です。

青手松竹梅文平鉢 古九谷

基本的にお皿の絵付には、装飾という美的な価値の他に機能はありません。そしてこの装飾、美しさこそが九谷焼の真髄なのです。絵で埋め尽くされた古九谷がゴッホなどの西洋画に喩えられるのは、古九谷の余白を活かさない美があるのかも知れません(※古九谷の全てが絵で埋め尽くされている訳ではありません)。ですが、元来の古九谷が絵で埋め尽くされているのは、質の悪い素地を隠す為だったとも言われています。1811年に花坂陶石が発見されるまで九谷の地では良質な素地を作ることはできなかったのです。

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上出長右衛門窯の道行

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