【六寸刻文皿】の道行#9「春と塵(原形完成)」
こんにちは。上出惠悟です。
20数年前のちょうど今頃、金沢の高校を卒業した私は美術予備校へ通うべく親元を離れ、名古屋へ向かいました。卒業式が終わっても浪人を許さなかった父は、話し合いの末に「たまには手紙を寄こせ」と言って送り出してくれました。最初の手紙には北村という友人ができたと書きました。結局浪人中、私が父に手紙を書いたのはその一通だけだったように思います。これが私という旅のはじまり。その後の柴田との出会いも、親友や妻との出会いもこの特別な春からはじまりました。名古屋へ向