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素の自分に出会えた日

12月20日、オンラインで行われた逆求人型就活イベント『ウェルハンティング』に参加した。逆求人とは、企業の前で自身のプレゼンテーションを行い、企業側がその学生の価値観に共感することを採用の入り口とするイベントである。学生側から企業に合わせて内定を取りに行くのではなく、ありのままの自分を表現することから始まるスタイルが特徴である。

結論から言うと、参加して良かったと心から感じた。理由としては1番大きな部分は、"素"の自分に出会えたことである。

ある企業さんの前で、自分のプレゼンをさせて頂いた。プレゼンの構成は自分の人となりが伝わるように、長所だけでなく挫折経験や苦悩を含めて包み隠さず、話すことを心掛けた。最後に逆質問のスライドになり、"働く中で得た幸せ"について伺った。

この内容をわざわざ質問したことには、自分の中で大きな意味合いがあった。この質問をした理由は、先週に遡る。他の企業の人事の方と面談していた中でこう言われたのだ。

きりは働く中で何を得たいの?』

他人のために何か成し遂げたいという外へのベクトルでビジョンはあるけれど、自分に対して何のために働く中で成長して、お金を稼ぎ、ビジョンを成し遂げたいのか。そういう意図の質問だった。恥ずかしながら何も答えられなかった。それよりも質問の観点があまりにも自分の中から抜け落ちていた衝撃から、英語のリスニングでもしているかのように5回も繰り返して聞き直していた。

自分の中では、質問に答えられないことが悔しくてたまらなかった。考えが及んですらいなかった事も悔しかった。いい加減に就活していたわけではないと思っていたのに。自己分析もかなり力を入れてやっていたはずなのに。なんで答えられないのだろうと思った。

そして同時に答えを探さなくてはいけないと直感した。なぜならこの疑問は単なる1つの疑問ではなく、欠けたパズルの1ピースだと感じたからだ。私は知っていた。働く中で他者貢献したい気持ちだけで、自分という人間は幸せになるわけではないと。もちろん、他者貢献できれば嬉しい。しかし、それだけをモチベーションに頑張ってきたことはない。そもそも私は自分が幸せでなければ、誰かを幸せにすることはできないと考えている。つまり、自分が仕事を通じて何かを得ようとしなければ、幸せになれず、他者貢献もできないのではないかと感じた。だから、焦ったように答えを探し求めた。

しかし、ここまで自分の頭の中で考えたとき、ハッとした。『あっつまり私は幸せを得たいんだ』と。単純だけれど、そう思った。

ただ、それ以上のことは思いつかなかった。どうなったら幸せな状態なのか、自分にとって幸せとは何か。考え続けた。それでも何も分からないから、少しでもヒントを得たくて縋るような気持ちで逆求人の質問で聞いてみることにした。他の人の幸せを聞くことが出来れば、自分の幸せのヒントを得られるかもしれない。単純明快だが、それ以外に自分の中で方法は分からなかった。

前置きが長くなったが、そんな思いから『働く中で得た幸せ』を企業の方々にお伺いした。答えは様々であった。社内成果、お客様への貢献、成長、自分のキャリアアップ。どの企業の方も非常に熱心に答えてくれた。そして2回目の面談で色々お話を聞くうちに自分の中でも"働く中で得たい幸せ"の答えが沸き上がってきた。

私が得たいものは"安心"だと直感した。しかし、答えが出たことより、それを何より企業さんの前で口にしていたことに驚いた。私は、この言葉をずっと長い間、言語化出来ずにいた。正しくは言語化しようとしていなかった。なぜなら、"安心"の感覚はどうしても成長とは相反するものに聞こえてしまい、それが相反しないことを説明できるだけの説明能力が自分にはなかったからだ。だから、企業の採用担当者の方の前で"安心"と口にすることが怖かった。自分の本心を言語化して、自分を否定されたくなかった。だから普段なら思ったところで、言葉にはしなかっただろうなと思う。

しかし、この日は全てを伝えられた。次から次に言葉が溢れてきた。安心とは、周りから自分の価値を認めてもらえて周りから必要とされる状態であること。そのためには、自分のパフォーマンスが最大化されて、他者貢献できる状態であること。更にそのためには、成長が必要であること。自分の中で安心と成長相反はしていないと考えていて、成長する、そして認められて安心感を得たいのだと。

『あっ私はこんなに承認欲求が強かったのか。』と話しながら驚いていた。初めて自分の心の声を聴いた瞬間だった。就活の中では"行きたい企業に合わせず、自分を表現しよう"と思ってはいても、どうしても"行きたい"という気持ちが勝ってしまっていた。嘘をつくことはなくても、確実に背伸びしていた。自分をよく見せようと必死であったと感じる。いつも自分の発言に対して、100%の本音であるという自信は持てなかった。いつか、期待を裏切るかもしれないという罪悪感すら感じていた。でも、だからといって全てをさらけ出せるわけでもなく、面接官の目を気にしながら就活をしていた。

己の承認欲求の強さを企業さんに伝えたとき、意外にも答えはプラスなものだった。『承認欲求が強いことは悪いことじゃないよ。それでも人に貢献したい気持ちが強いのは本当で、その背景に承認欲求があるだけなら、それでいいんだよ。』そう言ってくれた。正直、泣きそうだった。更には、どうして承認されたいと思うのか、背景までプレゼンのスライドから読み取って一緒に考えてくれた。

"承認欲求"や"安心"という言葉は、就活において面接官の方からの受けは良くない。だから、自分の本当の思いをこれからの就職活動で伝えていくためには、この言葉の定義を自分なりに変えて、自分の思いとして発信していく必要があるのだろう。しかし昨日の経験を通じて、初めて"素"の自分に出会い、『自分に素直でいるのも悪くない』と思えた。それが衝撃的だった。私は、ずっと自分の心の声に蓋をしていた。心の声を聴いたら、自分が弱くなってしまうような気がした。自分にとって楽な方向に流れて行ってしまうと思った。だから口にしたらダメだ、どう他者貢献したいか考えなければと思っていた。でも一番は、こんな自分の本当の声は誰からも受け入れてもらえないと思っていた。それが怖かった。

でも、実際に聴いてみた自分の心の声は、思ったより悪くなかった。それどころか、人間らしくて良いなと思った。自分の気持ちに素直になってみたら、驚くほど心が軽くなった。こう思ったところで、完全に企業の採用担当者の方からの目が一切気にならなくなるなんてことはないのかもしれない。けれど、まずは自分の中で出てきた"素"の欲求を素直に受け止めよう。そう思えた。


こんな大きな"自己発見"が出来た就活イベントには初めて出会ったので、この衝撃をどうしても伝えたくなり、打ち込んでいたら思いのほか文章は長くなってしまいました笑。『"素"の欲求を素直に受け止めよう。』ができるかは分かりません。けれど、納得のいく就活のためには必要だと感じるので、やってみたいと思います。単純に今は、就活がどんな風に良くなるか、楽しみです。また、就活の進捗があれば、更新させてもらいます。

長くなってしまいましたが、最後まで読んで下さり、ありがとうございました😊



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