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宇野亞喜良展 

東京オペラシティアートギャラリーで2024年6月26日まで。

宇野亞喜良さんのイラストは子どもの頃からあちこちで目にしていて、その繊細な美しさとちょっと妖しい雰囲気に心ひかれたものでした。
エロもグロも含んでいながら、ちっとも嫌な気持ちにならないのが、この方のイラストのすごいところ。
女性に対する悪意がないというか。
70年代から若い女性に人気があったというのも納得です。

見どころありすぎ!

今回の展示では、10代の頃の非凡なデッサンなども観られます。
雑誌や絵本、グラフィックのお仕事も盛りだくさん。おびただしい数のポスター。舞台造形に人形。
御年90歳ながら、今でも新しい作品を生み出されているのもすごいです。俳句とイラストを組み合わせたレリーフのような作品も素敵でした。

印象に残った作品

企業ポスターなども多く展示されていました。化粧品やファッション系だけでなく、え?こんな企業まで?と驚いたのがこれ。

三井信託銀行のポスター

とがってますね。

寺山修司氏とのコラボレーションも代表作としてあげられることが多いですね。

「毛皮のマリー」フランクフルト公演のポスター

スポンサー(?)が競馬新聞なのは寺山修司さんの人脈だと思いますが、時代を感じますね。
それにしても、これが街角に貼られていたかと思うと……。ゾーニングの概念はないですね。昭和だもの。
他にもかなり過激なポスターがいろいろありました。私は好きですが。

近年の作品には、造形物もいろいろありました。
かわいいな、と目がとまったのがこれ。

餃子姫

妖精?と思ったら、餃子姫!? 頭に餃子が付いてる!
これもメタモルフォーゼかしら……。
2013年だから、79歳のときに作られたものと思われます。この自由な発想は本当にすごいですね。

前述の、俳句入り作品の一つがこちら。

「野を横に」 2023年

馬は初期からたびたび登場します。少女と並び立つ、繊細で美しい生き物。

とても楽しく見応えのある展覧会でした。

5月に行ったのに、もっと早くに書けばよかった。でも、忘れっぽい私が1ヶ月経ってもこれだけ思い出せるのですから、それだけ良かったということでもあります。

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