読書:堕落論

坂口安吾の有名な作品である堕落論を読んだ。人間は堕落するものであり、堕落しないために制度や規則があるといったものであった。

戦争に合いその経験も書かれているこの文章は、戦争中は美しいばかりで人間がなかったと書かれている。真暗な深夜でも平気で歩くことができ、戸締りをせずに眠ることもできた日本は理想郷であったと筆者は考えている。なぜならば戦争中は自分の身を案じることに精一杯でそれ以外のことは考えていなかったからだ。自分の生活さへ保証されていれば安心しているような世界は人間の生活からはかけ離れてしまうようだ。

また、その戦争中の世界では堕落はなかったとも言っている。堕落する自由を戦争は与えないのであろう。戦争後の人はやはり堕落していき、その堕落を抑えるために制度ができる。制度ができても上っ面だけが変わるだけで、堕落することは抑えることができない。そのため、自分自身で律していく必要があると言って堕落論は終わりとしていた。

この堕落論の続きである、続堕落論がある。それを読めばこの文章の理解も深まるかもしれない。

私が生きることができるようになります。