言いたいことも言えないこんな世の中を実感しているのは赤ちゃんではないはず
泣き止まない赤ちゃんに、反町隆史の『POIZON』を聞かせると泣き止む、
という話が巷で流行っているらしい。
この類の話は割と一定周期で「これが効果的面!」みたいに出てくるものの、
私も我が子が赤ん坊だった頃にまあそこそこ試したが、
結果は「初めてのものなら暫くは効果があるかも」くらいだったので、
正直あまり信用していない。
そもそも、今回は泣き止まない子供を泣き止ませる方法を、模索したいわけではない。
タイトルにも引用した『POIZON』の歌詞を、Twitter界隈で私が正に実感し、結果Twitterを離れる決意にまで至ったことだ。
私は、堀元さんのnoteや、彼が綴る文章を読むのが、とても好きだ。
何が好きかって、
「僕は◯◯が嫌いだ」
「これはつまらない」
といった、批判的な意見を躊躇なく(ご本人は躊躇されているのかも知れないが)ズバズバと書かれているところ。
それも、単に一時的な感情であったり、一方的な不満からその発言に至っているわけではなく、
対象の良いところ、尊敬出来る箇所はきちんと述べ、
それでもかつ「何故嫌いなのか」が、非常に理性的で明快な文章で綴られているので、
捻くれ者の私は、読んでいて心がスカッとするのである。
しかも、更に掘り下げた悪口(ご本人もそう書かれている)を、有料としてあるところも、個人的に好感度が高い。
誰かへの悪口を、敢えて有料で公開するのだ。
その発想がまず好きだし、実際に課金してその悪口を読みにいく人たちも、私は大好きだ(笑)
Twitterをやっていた頃、ずっと抱えていた疑問があった。
私は創作活動をしている身だが、最近ではココナラなど、自身の趣味や特技を活かしたスキルビジネスが、個人展開出来るようになってきた。
その傾向に関しては、私はとても良いことだと思う。
各々の持つスキルがビジネスチャンスになるのなら、それは素敵なことじゃないか。
ところが、そこに着手する人たちの意見に、私はずっとモヤモヤしてきた。
特に目立つのは、イラスト関連の受注だ。
「今後は、有償で依頼を受けることにしました」という絵描きさんの発言には、疑問など一つもない。
むしろ、クリエーター活動の新たな一歩ですね!と祝福の気持ちすら湧く。
ところが、問題はそこに至った『理由』だ。
有償化を決めた絵描きさんの内、私の聞いてきた限りでは8割〜9割の方が、
「無償だと依頼が捌ききれないので…」
「気乗りしないイラストを無償で頼まれ続けて、メンタルがやられました」
このどちらかの回答をされる。
前者なら、「キャパを超えるものは断れば良いのでは…?」と思ってしまうし、
後者の場合、「メンタルがやられるほどのイラストも、金さえ貰えば楽しく描けるって凄いな!?」とある種の感心すら覚えてしまう。
モヤモヤするのは、
「少しでもビジネスチャンスにしたいんです」
という答えが、ほぼほぼ返ってこないことだ。
私個人としては、本音は皆そっちだと思っている。
私の性格が悪いのは承知だけれど、
「ちょっとでもお金になれば嬉しいんで!」と回答してくれる方が居たら、
私はきっとその方がとても好きになるだろう。
自分の欲求に忠実な人が、私は大好きだからだ。
この話をTwitterで書くと、
まあ様々なご批判もあるだろうし、
絵描きではないお前に何がわかる!という意見も当然出てくるだろうとは思う。
でも世の中誰しも、そんな綺麗事ばかりで生きてはいないでしょ、というのが私の本音だし、
私自身だって、やはり汚いものの塊だ。
だからこそ、その汚い部分もガンガン書き連ねて下さる堀元さんの文章は、
定期的に読みたくなるのだ。
彼は正しく、「言いたいことを言っている こんな世の中で」だから。
ちなみにこの堀元さんは、決して批判的なことばかり綴っているわけではなく、
ご自身が実際に行った企画や、様々な体験談、面白い書籍の紹介など、
非常に読み応えのある記事も数多く書かれているので、
誤解のないようにそこは書き添えておきたい。
決して人の悪口ばかり書いている人ではありませんよ!
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