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誰かを大切にすることの難しさ

連日見ていた韓流ドラマ『ゴー・バック夫婦』の最終話が本日放送された。

以前にも少し触れたけれど、18年間の結婚生活の中で次第にすれ違い始めた夫婦が、離婚を決意し互いに指輪を捨てたのをきっかけに、出会った頃にタイムスリップするというストーリー。

過去に戻ったことに気づいた二人は、最初こそ「同じ過ちは繰り返さない!」と頑なに互いを避けようとする。けれど、もう一度大学生活をやり直す中で、自分たちが少しずつ忘れてしまっていた互いの気遣いや愛情を、周囲の人たちを通して思い出していく。

序盤こそ、ドタバタ恋愛コメディのような展開なのだけれど、このドラマ、ストーリーが進むにつれて泣けるシーンがいくつも出てくる。

未来では妻・ジンジュの母親は亡くなっているのだが、タイムスリップした先では、母親はまだ健全。まさか自分が亡くなるとは思っていない母親に対し、未来から来たジンジュは母の有り難みを痛感しながら、思い出作りをする。

まずこのジンジュと母親のやり取りに、自分自身も妻であり母でもある私は、考えさせられる箇所が沢山あった。

特に印象深かったのが、ジンジュが母親に対して「私が将来結婚して、離婚したらどうする?」と問い掛けるシーン。

「離婚するような相手の元には嫁がせない」と答えた母親は、更に続ける。「私もパパに対して不満はあるけど、それは向こうも同じだろうから」と。

この言葉、こうして書くと至って当たり前のように思えるのだけれど、夫婦のように共に過ごす時間が長くなるほど、自分の不満の方がついつい大きくなりすぎてしまうことがある。


ジンジュの夫・バンドは、医薬品の営業職に就いており、帰宅が遅い日が多かった。ジンジュの母が亡くなった日も、育児に追われているときも、夫はいつも家に居ない。けれど、バンドも決して遊び歩いていたわけではない。契約を貰う為、日々接待に追われる日々。それでも、ジンジュと子供を食べさせていくには仕方がないと、頭を下げる毎日を送っていた。

ジンジュは夫のバンドに対し、「私は食べさせるのではなく、一緒に食べて欲しかった。母が亡くなったときも、一緒に悲しんで欲しかった」と告げる。

それに対してバンドは、「笑わせたかった。泣かせたくなかったから」と答える。

母親を亡くした後、毎日悲しみに暮れるジンジュを励ます為に、バンドは敢えていつも明るく振る舞っていた。お互い相手のことを愛しているからこそ、大事にしたいものがあるのに、それすらもすれ違ってしまっていたことに、二人はここでようやく気づくのだ。

何故あなたはいつも傍に居てくれないの?」と不満に思う妻と、

これだけ必死なのに何故上手くいかないんだ?」と不満が積もる夫。

当人たちはお互いに「相手が悪い」と思ってしまいがちだけれど、双方の言い分を冷静に伝え合えば案外「お互い様か」と落ち着くことは、多々あるのではないかと思う。

私自身も、自分は部屋や階段の電気をつけっぱなしにしながら、息子に「お菓子のゴミをちゃんと捨てなさい」と注意する夫に疑問を抱いていた。自分も気をつけることあるやろ、と呆れてもいた。けれど夫は、息子が捨てていないゴミを私が捨てる手間を考えて、注意してくれていたのかも知れない。電気のスイッチを押すくらい、彼の中では手間ではないのかも知れないし、電気代が勿体ないと思うより、私がゴミを片付けるのは大変だろうと思ってくれているのかも知れない。

夫婦間での揉め事において、妻が夫に「どうして◯◯してくれないの!?」と不満を抱くケースはよく聞くけれど、実はお互いの価値観や気遣う方法が違うだけ、ということもあるのでは…と、私としては大変勉強になるドラマだった。

不満をぶつけ合うのではなく、「◯◯して欲しい」という願いを素直に伝え合うことって、きっととても大事だ。人を大切にする方法も、皆それぞれ違うだろうし、その気持ちに気づけないまますれ違ってしまうのはとても勿体ないことだ、と自分に言い聞かせていこうと思う。


ちなみにこの『ゴー・バック夫婦』、泣けるシーンや考えさせられるシーンが沢山ありつつ、ラストはちゃんとハッピーエンドなので、夫婦間で最近すれ違いが…という方には是非見てみて欲しい。



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