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決めてもらうためには、自分事にしてあげる

意思決定を「してもらう」側の視点のお話。

人は皆、決めることが恐いものです。それは当たり前。決めてしまうと、他のことが出来なくなる。未来が今より良くなるかは分からないのです。

それでも決める時は、そこに希望があるからです。この希望とは人によってはワクワクかもしれないし、具体的な利益かもしれない。

決めた先に希望があると心から納得するのが「腹落ち」の状態です。この状態になるまで「決める」は起こらないのです。

腹落ちのケース① - 目に見えて良くなる場合

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これは良いケースですね。何かを変えることによって、良いことが起こりそうだという場合です。出来れば変えたいという気持ちもあります。

この場合のポイントは、実現性です。良くなりそうなのだけれども「本当にそれって出来るの?」が一番の検討ポイントになります。

実現性はリソースの問題です。一番わかりやすいのはお金ですね。時間やマンパワーといった、実現するための手段も課題になります。

訴求するべきポイントは、どれだけ良くなるかどうかよりも、できるかどうかです。 それが実際にできそうならば、やってみようかとなるわけです。

例えば、スマホが普及したのも、便利さと言うより、使い方が簡単で今までとほぼお金が変わらないと言う、実現性が高かったからだと思っています。

腹落ちケース② - 目に見えて悪くなる場合

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一方で、将来悪いことが起こりそうであると相当程度見えた時。そんな時にも変えなければいけないと、決めることができます。

この場合のポイントは、具体性です。どれだけ具体的に悪くなった時のことを想像できるか。それが、悪くなる場合の意思決定の後押しとなります。

漠然とした不安では人は決められないのです。明らかに、これはヤバいと思った時にようやく決められる。ただ、それが具体的になるのは直前です。

ある程度先の事の場合、具体的にどれぐらいヤバいかを共有できること。それが悪いことを回避するための決め手になってきます。

この例は、ターミネーターのサラ・コナーですよね。人類が滅びる夢を見る。それだけでは動かないのですが、本当にターミネーターが来て、これは本当にヤバイと思って動くわけです。

「決める人にとって」が重要

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一言で言うと、良いことも悪いことも、解像度高く将来を見通せた時に、人は決められる、と言うこともできるかもしれません。

メリット・デメリット。実現性・具体性。それらが漠としている間は、人を決めようとしないのです。決めるのって本当に大変ですから。

そして、もう一つ重要なことは、良い事と悪い事というのは「決める人にとって」であるという点です。

「決める人」に自分事として感じてもらわないと、決めてもらえないのです。

例えば、環境が悪い中で働いている人がいて、その改善を訴える。それは正論であるのですが「決める人」には響かないのです。

「決める人」に訴えるには、心から「自分事」と思ってもらう必要があります。例えば以下の感じです。

環境が悪いので人が辞めてしまう。
そのため、採用・育成のコストが掛かり、競争力が落ちてしまう。
そうなると、他社にやられてしまう。
結果として、社内の敵対派閥の人の発言力が増してしまう。
巡って、「決める人」や周りの人の失脚が予想される。
さらには、歴史に名を残すダメな意思決定と言われ続けてしまう。

現実的には、こんな不躾なことは言えないので、少しずつその問題が自分で事であることを、色々な人を通じて伝えていくことになります。

ただ、このぐらい「あ、自分に明らかに不利益がある」と認識した時に、ようやく「決めないといけない問題」なのだと思ってくれるものです。

正論だけでは、何も動かせない

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つまり、正しいことを言ってるだけでは、「決める人」を動かすことはできないのです。それを自分事として認識してもらわないといけない。

そのためには「決める人」がどうなると困るのかを想像して、その困ることが本当に起こる、ということを伝えていかないと変わらないのです。

すでに課題は見えていて、コストまで見えているのに、決めてもらえない。そんなことってありますよね。

それは「決める人」が決めなくても困らないからなのです。

正論だけでは、何も動かせません。「決める人」に自分事として感じてもらうために、何を説明しなければいけないのかを考えることが大切なのです。

そして、それが構造的な問題だったなら、それは一朝一夕で変えられる問題では無かったということなのです。

色々と決めてもらえない昨今ですが、地道に頑張りましょう。

ではでは。


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意思決定に関する定番書です。問題解決を単独でする場合も、人を巻き込む場合も、課題を見える化する技術は必要。特に、多くの人を巻き込んだり、決めてもらうためにはより必要になってきます。そんな課題の見える化の技術としても読める一冊かなと思います。

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