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【Sマナ04】どうすればユニークな発信になるのか(2/2)

『SNSで学ぶ経営理論』なんて堅いタイトルのnoteが読んで頂けるのかと思って書き始めてから1週間。かなり高いPVを頂いて驚いています。

自分の経験では、英語「を」学ぶために一番役に方法は、英語「で」学ぶことです。学びたい対象を手段にすると、ものすごく学びになるんですね。

ということで経営理論の話はしているのですが、一番のフォーカスはSNSを上手く運用できることだと思っています。目的あっての理論ですものね。

ポジショニング理論と資源ベース理論

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前回のポジショニング理論では、SNSにおける話題選び、発信スタイルの方針決め、コンテンツは量か質かというお話をしました。

これらはとても戦略的な考え方なのですが一つ問題があります。それは、本当に実行できるのかという課題です。

ポジショニングは視点が市場から始まります。市場の状態を見て、その中で戦い方を決める。それは一見とても正しいことのように見えます。

一方で、ベストの場所がわかったとしても、自分はそこに行くことができるのか、という問題はあるのです。それは市場から考えた代償です。

その疑問から、ポジショニング理論の後に、バーニー先生が主張したのは、壁は大事だが、壁の素材や創り方はもっと大事だ、ということです。

その素材や作り方は「資源」と呼ばれており、​​そこから資源ベース理論と呼ばれます。英語の"Resource Based View"を略してRSVとよく言われます。

SNSで言えば、自分らしい発信です。ツールやテクニックも有効ですが、根本的な「自分らしい発信をすること」が一番だよねという考え方ですね。

SNSが上手い人は皆、自分の経験から発信を作ります。喜怒哀楽や面白かった経験。それは自分にユニークなものなのです。

そんな、他の人にはない自分だけの経験を基にした発信は、ユニークになりやすいのです。それをより深く考えてみようというのが今回のお話です。

そもそも「資源」とは何か

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バーニー先生は、​様々な理論を資源ベース理論として体系化した人と言われます。​​では、そもそも「資源」とは何なのでしょうか。

会社で言えば、人、ノウハウ、設備にブランドといった、様々な競争の源を持っています。他の会社にはない自社だけの強みです。

この自社独自の価値を創る源泉が「資源」だと言われます。SNSで言うと、自分らしい発信を創る知識や経験が資源ですね。

完全競争の三条件のひとつに、差のない製品・サービスがあります。逆に、差のある製品・サービスを創ることができる要素が資源とも言えます。

そして、資源はマネをしにくいものです。それは、属組織的、SNSで言えば属人的なものだからです。

もう少し細かく何故資源はマネをしにくいのかを見てみると、以下のいずれかの性質を持っているからと言われます。

1. 蓄積に時間が掛かる
2. 因果関係がクリアでない
3. 社会的に複雑である

一つ目の蓄積に時間が掛かる性質は分かりやすいですよね。​​時間をかけて培われた資源はマネをしにくいものです。

SNSで自分の昔の経験を面白おかしく語ることや、長い時間を掛けて理解した業界のお話などをする人は、時間を味方に付けており強いですね。

二つ目の​​因果関係がクリアでないこともマネをしにくくします。身近に「そのインプットから何故その発想になるの?」と思う人っていませんか。

そんな発想のジャンプができる人は、他の人にはロジックが分からないので、簡単にはマネの出来ない強い資源を持っていると言えます。

三つめの社会的に複雑なものとは、人間関係を理解した上で発信をすることは、その人ならではの発信になりやすいというもの。

私たちの普段の会話の7-8割は「人」について話していると言われます。その関係を理解して発信する人は、それは強いですよね。

VRIOフレームワークとSNS

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そんな、価値の源泉であり、マネをしにくい資源に関する理論をまとめ上げたのが、バーニー先生のVRIO理論で、以下の頭文字を取ったものです。

1. Valuable = 資源に価値があること
2. Rare = 資源が稀少であること
3. Inimitable = 資源がマネが難しいものであること
4. Organization = 資源を創り出す仕組みがあること

SNSで発信をする時も、この四つを意識するとユニークな発信になりやすいと考えています。ひとつずつ見ていきましょう。

1. Valuable = 価値があること

他の人に役に立つ知識や経験のある分野の発信であることです。強みは誰にでもあり、自分が一番時間を使ってきたものを題材にすれば良いのです。

仕事や家事、読書や食事にファッション。自分が経験してきて、もっと早く知っておきたかったことを発信すると価値が出しやすいです。

2. Rare = 稀少であること

一般的な情報ではなく、自分が経験したことを題材にすると希少性が高まります。旅行や高いお店での食事がネタになりやすいのはそのためです。

他の人が経験していないことほど希少性は高まります。喜怒哀楽を感じる経験があったらそれは貴重なものです。発信のネタにしてしまいましょう。

3. Inimitable = マネが難しいこと

大切なことなので、上で書きました。①蓄積に時間が掛かるもの、②因果関係がクリアで無いもの、③社会的に複雑なものはマネを難しくします。

4. Organization = 仕組みがあること

これは少し上の3つとは異なり、その資源を長い間使うための仕組みがあることは大切だと言っているものです。

Organizationは組織なのですが、要は資源を創り出し続けられる仕組みがあるかです。話のタネを仕入れ続けられるかどうかですね。

自分の過去の話ばかりをすると話が続かなくなるのはこのためです。新しい話のタネを仕入れられる仕組みがあると資源は長続きします。

自分の強みを繋げられるか

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このようにVRIOで考えると良い資源のお話ですが、実務上一番大切に感じていることがあります。それは資源同士が繋がっていることです。

仕事に一番時間を割いている人が、SNSで恋愛に関する話をするのは、バラバラな資源をバラバラに使っている状態です。

これを「職場でのイケメン行動集」というように、資源同士を繋げるように意識すると強い発信になっていきます。

一番良いのは、自分の経験を全部活かすように発信に繋げることです。部分ではなくて全体。なるべく多くの資源を使うように意識するのです。

つまり、自分をフル活用することです。これはとても大切なことで、ユニークな発信の要だと思います。

何かしら話のタネがあったら、昔の自分の経験や考えに繋げられないか考えてみましょう。すると、資源同士が繋がっていきます。

この「資源を繋げること」こそが、VRIOのOに当たるのだと、経験から感じています。

人が成果を上げるのは強みによってのみである。

経営の話になるとつい出してしまう、ドラッカーさんの言葉です。自分の強みを分かっている人。結局、その人が一番強いのではないでしょうか。

前回のポジショニング理論と、今回の資源ベース理論は、経営理論の二大潮流です。やはりSNSを考える上でも役立ちますね。

次回は、よく言われる、結局ポジショニング理論と資源ベース理論のどっちが大事なの?というお話です。

皆さまの発信のご参考になりましたら幸いです。

ではでは。


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