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良かったと思ってもらえるかどうかは、期待値次第

昨日、「コスパの良いお品達」というお題でnoteを書いたのですが、書いている途中でコスパはやっぱり大事だなあと改めて思った次第です。

コスパとは、支払った対価に対して得られる満足感の高さであり、満足感が価格に対して高ければ高いほど良いわけです。

そのため、価格帯や財・サービスの種類にかかわらず、コスパは全てのお買い物に適用される概念です。

売り手目線で見ますと、価格が高ければ全般的な品質に自信アリというメッセージですし、価格が低ければ完璧ではないものの尖った部分があるよというメッセージになります。

このように、価格付けの段階からコミュニケーションは始まっているのであり、それはお買い物においての、売り手による買い手の期待値マネジメントそのものだったりします。

今日はそんな期待値マネジメントについてのお話です。

コンビニスイーツのWow

最近のコンビニスイーツは確かに美味しいのですが、昔のようにWowとなる商品の数は減ってきているとは思います。

これは、商品のせいでは決してありません。

商品自体はもはや圧倒的なクオリティです。世界の中でここまでの品質のスイーツが、これだけの低価格と、圧倒的な販路面での利便性で手に入る国は日本をおいて他にありません。

Wowが減ってきてしまっているのは、我々消費者のコンビニスイーツに対する期待が高まってしまったからです。

冒頭のコスパのように、人は価格に対して得られる期待値の充足度で評価をします。

この期待値の充足度というのがポイントでして、期待値が高いほど、それを充足するのが難しくなってしまいます。

コンビニスイーツは、これまで期待値を大幅に上回り続けた結果、期待値自体が非常に高くなり、満たすのが難しくなってしまってきている、という状態にあると思っています。

一方で、では期待値を下げれば良いかというと、期待値が高くないとそもそも売れない、という課題も生じるわけでして、期待値を下げすぎても、上げすぎてもダメなのです。

そして、一度高まってしまった期待値は、がっかりという感情無しにはなかなか下がらないという手強い性質もあります。

このように、コンビニスイーツの例からも、期待値マネジメントの重要さが見て取れるかと思います。

ミレニアル世代とGen-Z世代の「失敗したくない」お買い物感覚

最近は全般的にそうなのですが、特にミレニアル世代と呼ばれる1981年-1995年生まれの方々や、Gen-Z世代と呼ばれる1996年-2012年生まれの方々は「お買い物で失敗したくない」という意識が強い世代です。

ネットネイティブな世代ですので、商品の事前リサーチ力が高く、「自分の中で確固たる期待値を設定してから実際の買い物を行う」という行動力が高いことが特徴によく挙げられます。

その結果、事前リサーチによって、「期待値を設定することが難しいお買い物」は避けられてしまう傾向にあります。

ランキングや、インフルエンサーを信用して購入するという購買傾向も、お買い物で失敗したくないから、という心理的な背景があるからです。

そのため、商品を買ってもらう前に、期待値を設定するための十分な関係構築が必要となります。

CMや広告でブランドの浸透を行うだけではなく、継続的なWebサイトのアップデート、インスタ・ツイッターを使った継続的なコミュニケーション、リアルイベントでのファン化など、関係構築は大変です。

そんな中、このミレニアル世代やGen-Z世代との関係構築が圧倒的に上手だと思っている業界が、ゲーム業界です。

ゲーム業界は、基本的に夢とアミューズメントを売る業界ですので、「面白そう」そして「面白い」と思って貰えないと買ってもらうことが出来ません。

ゲーム業界は、2010年頃からゲーム機によるゲームをスマホゲームによるゲームが市場規模で逆転し、今では全市場の約7割がスマホゲームによって占められているという、変化の激しい業界です。

スマホゲームになりますと、日々のアクティブユーザー数が重要な指標となりますので、毎日思い出してもらうこと、使ってもらうことが重要になります。

そのため、ゲーム内で様々なアップデートを用意し、そのアップデートの期待値を高めるティザー広告、ローンチ時のキャンペーン、ローンチして一定期間経ってからのオンライン・オフラインでのファンフォローアップなど、関係構築の手法が多彩です。

そして、その関係性を使って次のゲームを、ゲームのアップデートを売っていきます。日々のコミュニケーションによって培われた関係性があるので、消費者は高すぎず低すぎない期待値を持っており、次の消費に繋がっていくのです。

また、長く密接な関係性を基にした、消費財企業が喉から手が出る程に欲しい「応援消費」も多分に含まれたりしています。

この、関係性構築→商品販売→フォローアップによる関係長期化→次の商品の販売というサイクルは、他の業界でも学ぶことの多い、期待値マネジメントの好例だと思っています。

キャラ付けの威力

最後に少し視点を変えてのお話ですが、キャラ付けも期待値マネジメントの一つです。

キャラ付けとはそもそも、「あの人はそういう奴」という特徴付けですが、このキャラ付けが有効に作用するのは、事前の期待値設定をこれまたかなり正確に行えるからです。

例えば、職場において「趣味が多くいつも定時に帰る人キャラ」の人には、周りの人は「あの人はだいたい定時に帰る」という期待値を持ちます。

一方で、「しんどいことでもやり抜いてくれるキャラ」の人には、「あの人には難しいことをお願いしても良い」、「何でも言うことを聞いてくれるキャラ」の人には、「あの人にはある程度広めにお願いしても良い」という期待値を持ちます。

満足度とは、期待値と結果の差ですから、周りの人に期待を持たれた場合には、ある程度満たしてあげないと、「がっかりだ」という印象を持たれてしまいます。

この期待値も、商品と同じようにバランスが必要でして、「社内で出世したい」と思ったら高い期待値を設定してそれを満たしていく必要がありますし、「私生活を大事にしたい」と思ったら期待値自体を下げていかないと評判が悪くなってしまうわけです。

なので、この期待値設定、つまりは、キャラ付けは、社内において適正に自分を期待してもらうための重要な活動になるのです。

まとめ

ということで、期待値マネジメントって、ものすごく重要だよねというお話でした。

かくいう、しょこらも、外資やコンサルというワードを散りばめて期待値設定を行っていますので、「この人はお仕事や働き方に関するnoteを書くのだろう」という印象を作っており、これも期待設定です。

一方で、期待値をそこそこに満たすだけでは、そのうち飽きられてしまうということもこれまた消費者目線からは真っ当な期待でありまして、新しいことにもチャレンジしていかないとね、とも常に思っています。

最近しょこらのnoteで、お仕事の経験を書いたnoteと、noteを書き続けているうちに気付いた言葉の面白さを書いたnoteのスキ数が並びました。両方評価して頂けるのは、とても嬉しいことです。

これからも、期待値を上手く超えていけるように頑張ります。

皆さまの、お仕事にプライベートに、期待値マネジメントの考え方がお役に立てば大変幸いです。

ではでは。

<このnoteを書いたしょこらはこんな人です>

最後まで読んで頂きまして、ありがとうございます!頂いたサポートは、noteを書きながら飲む缶コーヒーになっています。甘くて素敵な時間を頂きまして、とっても幸せです。