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ランチについてChatGPTと本気で向き合ったら、アイディア出しの本質に辿り着いてしまった

皆さんこんにちは。ようやく少し落ち着けたしょこらです。

最近、仕事以外のことを考える余裕が出てきました。すると、私がいま本気で考えるべきことはただひとつだと気付いたのです。つまり、「次に私は何を食べるべきだろうか」ということです。

人は生きていくために食べなければなりません。ただ、忙しい時には食事はつい栄養摂取に成り下がってしまいます。効率的なカロリー摂取。バランスの取れた食事ウンヌン。

ですが、自分があと何回ゴハンを食べられるか考えてみたことはあるでしょうか。食事は稀少な機会なワケです。一回一回をムダには出来ないのよ。

一方で自炊にせよ外食にせよ、流石にレパートリーには限界があります。段々と同じご飯のローテーションになっていく毎日。そして栄養摂取に逆戻り。これを打破しなければならないのです。マンネリに抗え。

そこで、現状打破のためにAIを活用してみることにしたのです。と言うことで、今回はAIを使って美味しいゴハン案を叩き出す奮闘記のお話です。


どうして新しいアイディアに至らないのか

私たちが新しいアイデアに至らない理由は、端的に言えば「それが楽だから」です

私たちの脳は常に楽をすることを考えています。新しいこと、負荷の掛かること。それらを意図的に避けようとします。まぁ、考えるってエネルギー食いますからね。それはそれでしょうがないのですが。

そのため、放っておくとつい「既存のオプションの中から選ぼうとしてしまう」のです。現状維持が一番楽ですからね。

新しいことを考えるためには結構「がんばる」必要があります

今回のように「毎日同じようなものを食べるのに飽きてしまった」というのは生き物として結構切実な状況です。ここまで追い込まれないと新しいことを考える「がんばり」が湧かないのかと思ったぐらいには私は怠惰でした。

ですが「がんばる」必要がある場面でも、なるべく「がんばりたくない」のが人間というもの。だって毎食毎食「がんばって」考えていたら、そりゃ食べる前に疲れてしまいますよ。

そこで、人間の英智を活用して「頑張らないように頑張る」ことが必要なのです。頑張らないように頑張る。何言ってるのかとも思いますが、なかなか人生の本質かもしれません。

どうすれば頑張らずにランチ案を出せるか

ということで、「頑張らないランチ案の立案プロセス」を考えてみようと思い至りました。ただ、毎回GoogleやAIに「今日のランチは何が良いですかね?」と聞いてもベストの回答は返ってきません。日によって状況は変わりますからね。

さて皆さんは、前回のランチ選びの際には何を考えましたか?『和・洋・中』や『昨晩食べたものは避けよう』は良い発想の起点ですよね。

このように「考える始めるための起点」があると、新しいことを考えることに必要な労力がガクンと減ります。つまりアイディアを創るためには考えるためのきっかけ、すなわち「軸」が必要なのです。

軸は何でも良いのですが、それがアイディアの制約条件であったり、決める時に重視するべき条件である方がより意味のある選択肢を考え出せる起点になります。

そう、良い軸を持つことが良いアイディアの第一歩なのです。

逆に考えれば「ランチを決めるための軸」を創ることが出来れば、無限に良いランチを思いつくための金脈を掘り当てたと言っても過言ではないのです。

そこで、現代の集合知たるAIの出番です。AIは様々な人々の経験を基にアウトプットをしてくれるので、自分では決して思いつかないような新しい考え方の軸をもたらしてくれることが出来るのではないかと思い至ったのです。

「軸」が大事

ランチ選びのためのChatGPTプロンプト

そんなこんなで、ChatGPTとランチ案の軸出しと決め方について試行錯誤してみて数日が経過しました。結果、まぁまぁ使えるレベルになってきたと感じているのが、以下のプロンプト(指示文)です。

ChatGPTユーザーの方はMessage欄に、ChatGPTユーザーではない方はWebで"Copilot"と検索して出てきたMicrosoftのWebサイトに、以下のプロンプトを貼り付けてみて下さい。Copilotが何かについては、前回のnoteを参照してみて下さいね。

ちなみに、何かしら冷蔵庫の食材を消化しないといけない方は「条件」のところに食材名を書いてみて下さいませ。優秀なAIが切実な願いに応えてくれます。

あなたはプロの[料理人]です。以下の目的と条件から案を考えて下さい。

**目的:**
プロとして最高の[自宅ランチの料理名]案を考えて下さい。

**条件:**
以下を前提条件として下さい
-特になし

**進め方:**
案を考える時には以下の2つのステップで進めて下さい。

**ステップ1:**
案の軸を決めて下さい。案の軸を決める時は以下のa-cのステップで進めて下さい。軸の案を決める時の過程の出力は要りません。

a. 案を決める時に必要な軸の候補を100個考えて下さい。過程の出力は要りません。
b. aで選んだ中から5つの軸の候補を選んで下さい。候補を選ぶ時は以下のαとβを参照して10点満点で評価して下さい。過程の出力は要りません。
 α.多くの選択肢を生み出せるように漏れがないこと(5点満点)
 β.軸から生み出した選択肢が意味のあるものになること(5点満点)
c. 1と2のステップを合計40点を超えるまで繰り返して下さい。点数の記載は不要で、結果の出力だけをして下さい。

**ステップ2:**
目的を達成するための具体的な案をa-cの順番に考え出力して下さい。

a.まずステップ1で決めた軸を記載して下さい。これを縦軸(y1-y5)とします。過程の出力は入りません。
b.目的を達成するための5つの最高の案を出して、横軸(x1-x5)として下さい。過程の出力は入りません。
c.aとbの組み合わせで出来た表の中に、軸との適合度を1-5点で評価して下さい。数字の出力だけで、理由の記載は不要です。

また、選ばれなかった軸の案を5つ追加で書いて、y6-y10として下さい。なお、このタスクで最高の結果を出すために、追加の情報が必要な場合は、質問をしてください。

しょこら的ランチ案プロンプト

 すると、以下のような結果が出力されます。

ChatGPTでのプロンプト実行結果

人って、選択肢自体を出すのはとても難しいのですが、選択肢の判断は意外に簡単にできるものです。会社で上司から「何か違うから、他の案も考えてみて」と軽く言われるアレ的なやつです。

まぁ、そんなことを言いつつも今回の結果にも正直もうちょっと自分では思いつかないような意外性が欲しかったりします。ですので、AIに調整を指示します。

軸としてはちょっとイマイチな「グローバルな味」を、選ばれなかった軸候補である「スナック感覚」に入れ替えると共に、その「スナック感覚」に全振りした案を出してねとお願いしてみます。

y4をy9と入れ替え、それ以外の軸はそのままにして下さい。また、「スナック感覚」を5点として、x1-x5を再度考え直して下さい。

微調整プロンプト

すると以下の結果が出力されました。

「スナック感覚」全振りの料理案

なかなか自分では思いつかないような面白い案が出てきました。その中で、y1とy2の評価が高い=健康的で簡単に作られそうな「クリーミーなアボガドディップ」が気になったので「作り方のURLを教えて」と指示して、レシピをゲットです。

結果をわざわざ表の形で出力させているのには上の例のように2つ理由がありまして、ひとつは軸を変えやすくするため、もうひとつは選びやすくするためです。

軸を変えれば出てくる案が変わりますし、軸ごとの評価点があれば軸に重み付けをして選ぶことができるようになり、決めやすくなるのです。


案出しの本質に辿り着いてしまった

実は、今回AIにやってもらったことは、「ラテラルシンキング」と呼ばれている発想法です。考え方の軸を定めて、そこに入る要素を変えることで新しい案をムリヤリ発想してしまおうという手法です。手法自体の説明は、このnote末にすごく昔に書いたnoteですが、リンクを載せておきます。

つまり発想とは、ウンウンと唸ってゼロから捻り出すものというより、「物事がどのように成り立っているかを要素分解して軸へと還元し、軸を基に再構築するプロセス」であると言えます。まさにハガレンですね。

今回のプロンプトはランチを想定していましたが、様々なことに使えます。例えば誰かへのプレゼントを考えるとか、近所の良いレストランを見つけるといったことにもです。

あなたはプロの[コンシェルジュ]です。以下の目的と条件から案を考えて下さい。

**目的:**
プロとして最高の[実際に買える母への誕生日プレゼント]案を考えて下さい。

〜以下同〜

プレゼントを考えるためのプロンプト

今回の経験を総じると、発想においては考え方の軸を持つことがとても大切であることに気付けました。考え方の軸がないと、あっちにフラフラ、こっちにフラフラしてしまいます。Googleで1時間検索してもイマイチ良いプレゼントが見つからなかったことは誰しもが経験したことではないでしょうか。

その軸を作ることを手伝ってくれるのがAIの強みでした。AIは「結果を検索するツール」ではなく「考えるプロセスを助けてくれるツール」だったのです。

Googleの黎明期から一所懸命に検索ケンサクしていた身からすると、今回の件はまたツールが一歩進んだなと感じる一件でした。今後、仕事での案出しにも使っていけそうだと期待しています。

今の時代、結果ではなく、過程を求めよう。

本気で、錬金術に近い気がする

皆さまも、AIによる「考えるプロセスのツール化」をぜひ一度お試し下さいませ。感想などをコメントなどで頂けましたらとても勉強になります。

新しいツールを使いこなして、今までになかった発想に辿り着いてみたいものですね。そして最高のランチの実現へ…

ではでは。




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