初めての文庫サイズ同人誌のデータや紙の仕様、発送の話
そもそもなんのデータを入稿すれば小説本同人誌ができるかわからない
以前書いたエントリが意外と読まれていて嬉しい限りですが、やっぱり文庫本の小説同人誌って初心者にとって
「なんのファイルを入稿すれば本ができるのかわからん!!」
「紙の種類ってなんだ!?」
「同人誌の通販ってみんなどうやって送ってるの!?」
感があったので、自分がやった方法だけでも軽く紹介したいと思い、今回もまるきり初心者のまま第2段を書くことにした。
今回は2回目、STARBOOKSさんで前回と同じ原稿を再版入稿してみたのでSTARBOOKSさんのHPに沿って説明したいと思う。
セットはオンデマンドノベルズ。選択理由は以下の通り。
・1冊から作れる
・割引メニューも豊富
・料金内でカバーも巻いてくれる
・小説同人誌のカバーの用紙の種類が豊富
(ほかにも種類が豊富な印刷所があれば教えてください…!)
前置きはこれくらいにして、では本編↓ とうっ!!
1.入稿するアイテム
小説本に必須のデータは2つ。
表紙と本文の2点である。
カバーありの場合は当たり前だが
表紙と本文とカバーの3点である。
「いや、言われんでもわかるわ!!!」といわれるかもしれないが最初はそれさえもわからんの!!不安なの!!
というか、一般人は表1とか表4って単語日常で使わなくね??
というのが本音。表紙とは表1+背表紙+表4のことである。(下記リンク先を参照)
カバーは、折り返し(前)+表1+背表紙+表4+折り返し(後ろ)のこと。
(下記リンク先参照)
折り返し前とか後の概念を初めて学んだよね!!!
パンピーには難しい概念なんですが!!知り合いの表紙データ見せてもらわなかったら永遠に表1だけ作って出してたよね!!
「このセットを選んだ時には、これ(本文)とこれ(表紙)とこれ(カバー)のデータを入稿して!」
という提出アイテムの明確な指示は実はない。
どの会社のマニュアルを見たけどない…というかすぐには見つからない…!!! 一体どんなデータをいくつ出せば本ができるのかわからなくて不安だった…。それが今回のエントリを書く動機の原点となった。
私が印刷所に入稿したのは以下の3つ
1_Honbun.pdf
本文138ページ。Wordで書き、それをPDF化したもの
2_Cover.psd
STARBOOKSさんのテンプレから作ったカバー絵。作成はメディバン
3_Hyoushi.psd
STARBOOKSさんのテンプレから作った表紙絵。作成は同じくメディバン
本文はSTARBOOKSさんではなく、栄光さんのWordテンプレートを使わせていただいている。なにせWordテンプレートを用意してくださっている印刷所って少ないのだ!
今回はWordテンプレート(小説本)本文用 文庫サイズテンプレートを使用。文庫は無線綴じで基本は一段。ノンブルはページ数なので、どれをつかっても構わないし、Wordの設定でいつでも変更できる。私は上左右が好みなので○をつけたところをダウンロード。
STARBOOKSさんのテンプレートは以下のリンクから。
STARBOOKSさんは見積もりでページ数を入れると背幅が何㎜か教えてくれるので、そちらに従い「表紙」と「カバー」のPSDをダウンロード。今回は7.8㎜だったので上の青○を付けたもので作成。
モノクロ本文とカラー本文はPSD/AIとイラストの拡張子となっているため、基本的には無視を決め込む。本文は小説だから!!!
編集は前記事でも紹介した通りiPad版メディバンさんにお世話になりました。
ファイルの名前は文字化けを避けるために、ファイル名は半角英数字を使用してくださいとのことだったので気を付けた。ネーミングはとても大切。
そのあたりはきちんとマニュアルに書いてあるから読もう!
それでも連番の順序とかはこれでいいたとてもとても不安なまま入稿。
以下はDropboxの管理画面だから見慣れないかもしれないが、中身はこんな感じ。
1_Honbun.pdf
2_Cover.psd
3_Hyoshi.psd
(カバー下表紙は基本は絵だが、前記事で説明した通りおまけの小話を収録しているため上記のような感じに…)
あとあと気づいたが、STARBOOKSさんの場合、発注すると部材とその進捗状況を確認できる画面がお客様ノート(会員マイページ)でみることができる。(これだよこれ!!!これが初心者にはわからないんだよ!!)
しかし、発注すると支払い義務が生じるのではないかと初心者は発注ボタンを一思いにぽちっ👉と押せないのが現実だと思う。
本の制作には時間がかかる。どんなデータを作ったらいいかわからないまま、あやふやにデータを作り、不安なまま入稿し、もしデータに不備があったら…と思うと夜も眠れない(おおげさ)。
データを作っている途中、私はほかの人がどんな風にデータを作り、どんな名前で入稿しているのか知りたくて仕方がなかった。
チラ見だけでもしたかった。そしてなるべくきちんとしたデータでストレート合格したい、と思い続けていた。これは全同人作家の悲願であろう…。
今回書きたかったのは、同人誌を作りたい、でもやりかたがわからず怖い…!と思っている人に向けたエールなので、こんな簡単なことだろうが自分が不安だと思っていたことは逐一あげていきたいと思い、上記のような簡単なことを書くに至った。ご容赦願う。
2.紙の種類について
同人印刷をする際に悩むのが、紙の種類の選択画面に出てくる、知らない単語の多さ。紙なんてA4かA3コピー用紙のくらいしかオフィスでは見ない。
基礎知識として、まずは厚みについて。
詳しくはググってほしいが、70K、90K、110Kなどと書いてあればそれが厚み。1000枚重ねたときに70Kgになる、という意味らしい。オフィスで使うコピー用紙は大体90Kくらいだそうだ。文庫本の紙としては若干90は厚い。
STARBOOKSさんは選べる紙の種類がとにかく多い!!
これは一度サンプルを見たい…! ということで取り寄せてみた。
https://www.starbooks.jp/doujin/paperspecimen.php
来たのがこちら。
すごい…。すごい量きちゃった…。
STARBOOKSの小説のカバーで選べるのは下記3つの種類。
・キュリアスIRパール 103K
・ミラーコート・プラチナ 135K
・雷鳥コートN 135K
それがこちら。
見るとわかる! キュリアスIRパールかわいい!!(写真だと激わかりづらいね!)
きらきらしとる…! これでお話一本考えられそうなくらい素敵な紙や!(個人の見解です)
ということで、下記三つで今回は発注。
カバー :キュリアスIRパール
本文用紙 :淡クリームキンマリ_70K
表紙 :OKプリンス上質_180K
紙は取り寄せるに限る。ちなみに栄光印刷さんも結構検討していたため取り寄せた。
来たのがこちら。
栄光印刷さんは冊子になっていて非常に管理しやすい!持ち運びもラク!
二社から取り寄せて見てわかったが、紙の種類というのは大体はどこの印刷会社でも同じ。二社くらい紙サンプルを持っていればどの印刷所でも「この紙…どんな紙なんだろう…?」と疑問に思った時に手元で確認できる。無料だし豊富な品揃えだった二社の取り寄せをお勧めする。
せっかくグッズのチラシも取り寄せたので、グッズを作るときは栄光さんにお願いしようかな~と思っている。
3.通販について
あくまで自己流なので悪しからず。もっと良い方法があればそれを真似してほしいしできれば教えてほしい!!!
入稿後は基本待ちの状態である。
前述したとおり、STARBOOKSさんは印刷進捗がマイページから確認できるのでありがたい。
4/16くらいに入稿し、30日前割引を使ったので5月末が納品期限だったが、ゴールデンウィーク中に納品された。感染症拡大の影響があるのかと思うと胸が痛い…
来た!!ガラスビンセトモノじゃないけど!笑
ちなみに宅配便の品名はちゃんと「書籍」だった。同人活動に理解のあるご家族であれば品名「同人誌」でも問題ないが、そうでなければ悲しい結末を招く可能性もある。配慮が行き届いていて安心。
そしてこちらが本体
キュリアスIRパール!!いい!!
つやつやしていてパール感が美しい…。思いの外イラストの部分はベタ塗り感があったので、今度は文字だけデザインとか箔押しに使ってみたい。
淡クリームキンマリ_70Kは思いのほか厚みがあったけどぶっちゃけ他と比べなければ気にならない。文庫本の厚みが増すのでそこは嬉しい。
さてさて本題に戻すが、イベント以外では通販を利用して配布している。いまや個人が商品を発送するのはフリマアプリのおかげで常識になったというのも一端にあるだろう。
私は通販作品を発表しているpixivとも連携が取れるBOOTHを利用している
文庫本を通販で送るときは普通郵便でも問題ないが、傷つかないように日本郵便のスマートレターを使っている。文庫本サイズならギリギリ2冊は入りそう。全国一律180円。
郵便局かコンビニに売っている。私の近くのコンビニではセブンにしか売っていなかったが、なぜかそのセブンには潤沢にスマートレターの在庫があってとても助かっている(郵便局に買いに走ってくれているバイトさんありがとう)。
Booth内にはあんしんパックという、匿名の配送サービスもあるが、その辺りは良心に身を任せ普通に郵送している。料金が高くなるのもあるが、私とて購入してくださった方の住所と名前を手に入れたってなんの得にもなっていないので多分購入する人も私の住所と名前が知れたところで一ミリも得しないだろうという…
これで発送し、発送通知をBooth内で押しただけで実は売上となる(メルカリみたいに相手からの受領報告をもらった方がいいのでは…?と思ったりしなくもない。無事届いているか結構心配なので…)。
これで通販は完了。無事に同人誌を配布できた。ヤッタネ!
終わりに
ちなみにSTARBOOKSさんを使った所感。
まず紙が豊富すぎて驚く。軽く小躍りするレベル。
まぁ現実的にカバー付き小説同人で一番大切なのは表紙なので3つの選択肢があるだけでも嬉しかった。キュリアスIRは着色と強度が若干いまいちだったので、クリアPPつきのものとかも試したい。
そして料金はそれなり。30日前割りや初回割りを使ったのでそれなりに割引になったが、全部はけて何とか赤字にならない程度の値段だった。
ただ、進捗状況も逐一確認できるし、メールでの対応も丁寧だった。
ポイントも溜まったので次回もここで印刷したいと思っている。
あとカバー付き同人誌には嬉しい料金内でのカバー巻き対応!
(前回50冊以上を一人でまきまきした人(前回記事参照))
これは部数する人には嬉しいのでは…。とても楽でした。
さてさて。同人誌を作るなんて大変…自分には違う世界、と思っていたが、思ったより奥が深くついにnoteを2記事も書いてしまって驚いている。
これを見た方に、少しでもやり方が簡単であることが伝わり、楽しい創作ライフを送っていただければと思う。質問があればコメント等お願いします。答えられる範囲でみなさんの同人誌ライフをお手伝いしたい気持ちでいっぱいです。(自分いうて同人誌2回しか印刷していないので、今後も精進したいです…!)
前回の記事は制作ツール等についてもいろいろ説明してますので素人のやり方ですがご参考までに。
以上、ここまでお読みいただきありがとうございました。
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