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もし、「美意識」が命綱だとしたら…

美意識とは、美に関する意識。美しさを受容したり創造したりするときの心の働き。(Weblio辞書より引用)

本書のタイトルを見て、エリートではない私はいったいどうしたら「美意識」を鍛えたいと思えるのか?と考えてしまいました。

それで、「美意識」が命綱だとしたら”鍛えないといけない!”と思えるかも、と。

ちなみに、私のように仮に「美意識」の欠片(かけら)もなかったとしても命の危険はありませんので、どうぞご安心ください。

「美意識」をなんなーくステキと感じる美意識

私の通っていた中学校では、毎年、近所の公園の景色を描く写生会があって、嫌いなイベント第3位でした。(ビミョー!)

木を描いてもブロッコリーにしか見えないし、遠近感も表せないし、、、

とにかく私は美的センス皆無なのです。

でも、「美意識」が自分に備わっていたらいいのに、という淡い気持ちをなんとなーく持ち続けて、約30年。(長っ!)

「美意識」という言葉に私なりの美意識フラグが立っていたのですよね。

本書を私はこう理解しています。

美意識を鍛えるということは、すばやく高品質な意思決定ができる判断基準を自分の中に作るということ

私たちの多くはエリートでも大きな組織のリーダーでもありませんが、自分の人生のリーダーです。

美しい、ということはなんらかの普遍的妥当性がある。

なるほど!私の美意識フラグもあながち的外れではなさそう、と珍しく前のめりになった私です。

よし!美意識を鍛えて、自分の人生の良きリーダーとなろう。

日本人て「美意識」が高いってホント?

本書によると、明治から昭和にかけて日本にやってきた教養ある外国人の多くが日本人にはアートの素質がある、という印象を持っていたそうです。

そんなことを言われても、一つや二つを見て、美しい!感動したー!と感じることなら私も海外旅行でたくさん経験があります。


それならば、、、


日本らしくて感情の揺さぶられるものの共通点を出してみよう!

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参考:わびさび Wabi-Sabi(Youtube)

ほーなるほど!侘び寂びですね。

繊細なものや静かなものや儚い存在に、どう言って良いかわからないけれどもなんとなーく寂しい感じで感情が揺さぶられる。

侘しさ寂しさとか、実はネガティブワードですよね。

でも、こういった感覚を抱かせる存在が日本の文化として静かに長く受け継がれている、これこそが日本人の「美意識」なのかな、と思ったのです。

日本人の「美意識」が高いというのは一つの見方であるとして、言葉には表せない日本人独特の「美意識」は確実にありますね。

なにも絵が上手いだけが美意識じゃない

というわけで、当初の「美意識」に絵心は欠かせないという私の思い込みは春の雪解けのようにきれいに消えて無くなりました。

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筆者は美意識の本質を「真・善・美」と要素分解しています。

真 嘘偽りはないか?
善 善いことであるか?
美 それは美しいか?

要は自分の中に「真・善・美」を醸成していくことが「美意識」を鍛えていくこと、ということなのです。

では、肝心な「真・善・美」はどうすれば醸成できるのか?

VTS(=Visual Thinking Strategy)で「見る力」を鍛える3つの質問
1.何が描かれていますか?
2.絵の中で何が起こっていて、これから何が起こるのでしょうか?
3.どのような感情や感覚が自分の中に生まれますか?

たとえば、絵ではないですが、↓こんな場面をどう見るか?

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質問1
→「秋晴れの空のもと冬支度をはじめる緑たちの日光浴」が描かれている。

質問2
→「冬の前に葉を落としきるために、徐々に呼吸を少なくしつつ、散りゆく美を仕上げ」ていこうとしている。

質問3
→「特に重要な存在というわけでもなかったけど、何も言わずにいなくなる儚さに、自分の心に大きな穴が開く喪失感」が生まれる。

たった3つの質問ですが、おかげさまで、2次元の景色に奥行きと時間が加わる感覚を味わえました。

最近の私は、景色、もの、人々を見ては「VTS大喜利」をやっています。(ただの危ない人です。)

ちなみに、自分の中の感情や感覚を認識することをセルフウェアネス(自己認識)といってリーダーに必要な要素のひとつだそうです。

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とりあえず、“良いと思った””ピンときた”を選んでみる

私の結論は、みんな「美意識」という名の命綱を持っているということです。

それが太いか細いかの違いだけで、自分の命綱が細いと感じる人は鍛えてみると良いのでは、と思いました。(特に私!)

とっかかりとして、その時の自分の「真・善・美」で”良いと思った””ピンときた”ものや行動を選んでみる、ということです。(そしてVTS!)

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もし、私の記事を読んでいただき、ほーそれなら「美意識」を鍛えてみたい!と思っていただけたら嬉しいです。

2020年『読書の秋』(いや、年も季節も問わず、、、笑)、本書を手にとってみてはいかがでしょうか?

#読書の秋2020 #世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか

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