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"KonMari ~人生がときめく片付けの魔法~”が面白い


それって発明だよね

NETFLIXに再加入して、廃人になりそうな勢いで毎日見ている。以前、アメリカ人の友人が、狂喜乱舞で紹介してくれていた "KonMari ~人生がときめく片付けの魔法~” を見始めた。噂に負けず、これがなかなか面白い。私も引っ越しを機に一度大きな断捨離をしたことがあって、その時に彼女の本も読んだ。こんまりメソッドって何がすごいかというと、必要/不要なものを機能や使用の有無ではなく、感情、つまり「ときめく」かどうかで区分するということだ。不用品の区分けに「ときめき」を取り入れたこと、これはある意味発明だと思う。

番組演出の妙

番組では、アメリカの様々な家庭が登場する。多様性も重視してか、ゲイのカップル、様々な国からの移民ファミリーなども登場し、片付けのビフォーアフターを見せるリアリティショーとしてちゃんと成立していた。そしてアメリカの家庭も(家が広いこともあって余計に)恐ろしいほどの「モノ」に占拠されている事実。これは結構驚きだった。2020年からは風の時代に突入し、所有が豊かさの判断基準ではなくなるはずなのに、アメリカだっていまだにこんな調子なのだ。日本とあまり変わらない。
そして、こんまり本人はというと海外での日本人のイメージを崩さないように(?)、決して派手ではないけれど「きちんとキレイめ」な洋服を着て(トップスはほぼ白)、黒髪の前髪ぱっつんのヘアスタイルで登場する。目が小さいからつけまはかなりボリューミー。各家庭に入り最初にすることは、そのおうちへのあいさつ。ひざを折って目をつむり、巫女さんのような振る舞いでそのお家へあいさつする。これって、番組演出だと思うんだけど、彼女の「きちんと感」を印象付け、片付けのカリスマとして君臨させる方法としてはうってつけだ。宗教っぽい儀式って異文化の象徴だし。

実業家としてのこんまり

こんまりって、実は非常にビジネスセンスに長けた実業家なんじゃないかと思う。本も世界各国の言語に翻訳されて恐ろしいほど売れているらしいし、昨年はネットストアもオープン(捨てさせた後に物を買わせるのか? という批判もアリ)。「こんまり流 片付けコンサルタント養成講座」だって、2日間の講座で20万円近い金額(講師は彼女ではない)だ。そして、去年はちゃっかり「VOGUE JAPAN WOMEN OF THE YEAR 2019」も受賞している。自分自身でもここまで広がるとは予想していなかったと思うんだけど、その人気につぶされることなく、ビジネスとして成功させているところはやっぱりすごい、と素直に思う。ビジネス的な成功って「みんなが欲しかったもの」や「課題解決」の先にあるものだと思う。そういった意味で、彼女の成功は、お片づけという全世界の人々の課題解決に取り組んだ結果で、みんなが困っていたことの答えを「ときめき」や「魔法」というキラキラワードとセットにして与えたことなんだと思う。この女子力高めな発想って実は誰にもなかったよね、今まで。

とにかくやりたくなる

番組を見ると、とにかく自分も片付けたくなるのが不思議だ。最近またモノが増えてきたし、整理整頓したくてたまらなくなる。洋服や本。買い物の仕方も見直したくなる。そんな気分にさせてくれるところがこんまりの最大の魅力だ。

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