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有限会社 自分


午前中に出かけて帰りが遅くなった時。

いつもなら、急いで帰って
納豆ごはんとインスタント味噌汁。
もしくは
あまり物をかき集めで済ませることが多い。

主婦のお昼なんて、こんなもん。

でも今日は、
真っ直ぐ帰りたくなかったー

本日、認知症の母をつれて、病院へ。

落ちつきなく、話の通じない母。
周りに迷惑をかけまいと、
長い待ち時間の間、絶え間なく
面倒を見るのは、精神的に辛い。

母を入所先へ送り届け、
ひとりで何か美味しいものを食べてから
帰ろう。と思い立つ。

何でもいい。

誰かが作ってくれる、
温かいものを欲していた。

でないと、今日という日が採算が取れない。


素敵なテラス


前から一度行ってみたかった
ランチのある喫茶店へ。

初めて行くお店。
ひとりでランチ。

こんなシチュエーションだけど、
疲れ切って緊張すら麻痺している。


疲れた表情の、みすぼらしい私にでも、
(ランチなんて行く予定なかったから)
とても気持ちいい接客で、癒される。

日替わりランチも美味しい。沁みた。
ご飯も、味噌汁も、全て優しい。

他のメニューも、何を食べても
美味しい店と見た。

来て良かったー
ワタシ、ナイスチョイスー

少しご機嫌になってから帰路に着く。


グループホームに入所する前
5年くらいは、ほぼひとりで
母を支えていた。

誰かに頼れるようで、頼れない。
迷惑をかけては謝り、
壊れた母の生活を支え、
毎日疲れ果てていた。

2年前にグループホームに入所して
今になって感じるのは、

あんなに大変なことしてた自分こそ、
正気じゃなかったと心から思う。

家族の介護はシフト制じゃないから、
一度片足突っ込むと、底なし沼にはまる。

絶対にひとりで抱え込むべきじゃない。
もし、そうせざるを得ないのなら、
プロジェクトの一環として、
必ず期限を設ける事をオススメしたい。

親の意向を第一に考えてしまうと、
忙殺されて、ボロボロになる。

自分の時間も、有限だから。
そう、有限なんですよ。

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