知っていれば自慢できる、神聖な”猿島”伝説5選‼
~あなたはいくつ知っていますか~
都市伝説、豆知識、、。こんな言葉に惹かれ、様々な伝説を調べて家族や友達に自慢した経験はないだろうか。
私は、”伝説”という言葉が好きだ。
本当かどうかわからなくてもワクワクするし、それを他人に共有すると大体の人が真剣に聞いてくれるからだ。
そこで今回は、東京湾最大の無人島である”猿島”の知っていたら自慢できる5つの伝説を紹介していこうと思う。
猿島の伝説① ほら貝伝説
最初に紹介する伝説は、猿島の起源にまつわる話だ。
その昔、ほら貝は東京湾の主だと崇められていた。
ある天気の良い日、ほら貝が竜宮見物に出かけると、途中で印旛沼の主である”八千代巻大蛇(やちまたのおろち)”に「ここを通るな」と道をふさがれてしまう。
ほら貝はどうしてもこの道を通りたかったため、両者激しい争いが始まった。
争いの結果、ほら貝が勝者となり、負けた八千代巻大蛇が東京湾に投げ飛ばされて出来上がったのが猿島と言われている。
参考文献 「木更津郷土誌」
※木更津郷土誌はインターネット公開していないため、国立国会図書館より閲覧可能
猿島の伝説② 大蛇伝説
2つ目は、猿島にいたとされる大蛇の伝説だ。
かつて猿島には、”春日神社”という社が立っていた。その社では毎年7月に祭りがおこなわれる。祭りが開催される前には、房総半島・鹿野山から大蛇が泳いできていた。大蛇は春日神社の守護神であったため、祭りの間はずっと猿島の北部にある洞窟に住んでいたそうだ。
明治17年に社が鹿野山から春日町に移されてからは、大蛇が猿島に渡ることはなくなったらしい。
なお、江戸時代には猿島に大砲が築かれたが、空砲を撃った際に大蛇が南の方角に飛び去ったとも言い伝えられている。
参考文献 「三浦半島の民話と伝説」
~ちょっと休憩(考察タイム)~
猿島の伝説①・②から、猿島は竜蛇と縁深く語られる島だということが分かる。猿島以外でも、三浦半島の伝説で竜や大蛇に関連のあるものは数え切れないほど存在する。
東洋では竜は豊穣な大地や創造的なものの象徴であり、隠れた宝の番人と言われている。さらに、蛇は「生」と「死」の象徴として神格化され、信仰の対象となっていた。
ここからは推測だが、猿島と竜蛇の繋がりが深いということは、つまり、猿島は昔から横須賀に住む人々から大切に崇められる神聖な場所だったのではないだろうか。猿島は東京湾要塞跡として国指定重要文化財に指定されているが、建造物だけでなく、猿島とそこに関わってきた地域の人々との繋がりも、後世に語り継がれるべきものだと思う。
休憩タイム終了◎
続いて紹介する伝説は日蓮関連。歴史を感じながらご一読ください!👇
猿島の伝説③ 日蓮伝説
”日蓮”と聞いて、あの日蓮宗の祖・日蓮を思い出した人が多いのではないだろうか。その通り、3つ目の伝説は、皆さんご存じの日蓮にまつわる伝説である。
時はさかのぼり鎌倉時代…
天気の良いある日、日蓮は千葉から鎌倉へと船を出した。しかし、天候は突然変化し日蓮の船は嵐に巻き込まれてしまう。絶体絶命の中、船は風に押されて猿島にたどり着く。日蓮が雨に濡れ困っていると、どこからともなく白い猿が現れた。その白い猿は日蓮を猿島の奥にある洞窟に導き、そこで嵐の夜を無事に越すことができたのであった。
白い猿が導いた洞窟は、のちに”日蓮洞窟”と呼ばれるようになった。
参考文献 「猿島の伝説ー猿島公園専門ガイド教会」
猿島の伝説④ 日蓮洞窟と岩屋洞窟は繋がっている⁈
先ほど紹介した通り、猿島には”日蓮洞窟”という洞窟がある。
そして江の島には、”岩屋洞窟”という洞窟がある。
なんと、この2つの洞窟は繋がっているらしい!
(日蓮洞窟は現在立ち入り禁止のため、実際に歩いて確かめることはできなかった…。)
さらに、岩屋洞窟をずっと歩くと、富士山にある”鳴沢氷穴”にも繋がっているという噂がある!
試しに猿島から富士山までを地図上で直線を引いてみると、その直線上には江の島が引っかかるのだ。
横須賀から富士山まで行きたい場合は、猿島の日蓮洞窟から岩屋洞窟を通って行くのが富士山につく最短ルートなのかもしれない。
~またまた休憩(考察タイム)~
さて、ここまで「白い猿」が何度か登場してきたが、なぜ”白色”なのか疑問に思った人もいるのではないだろうか。
私も、白ではなく「緑」や「赤」でも良いのではと思ったため、詳しく調べてみた。
”白色”には、「理想・可能性・神聖」などの意味がある。(勘の良い皆さんの中には私が言いたいことに気付いている人もいるだろうが…)そしてそもそも、猿は魔よけの意味を持つ動物であり、古来からは日吉といえば猿と言われていた。さらに猿は、その形態が人間に似ているため山の神としても信じられていた。
つまり、「白い猿」とは猿島全体が神聖なものだと比喩した表現なのだ。
猿島の伝説⑤ 角なしサザエ伝説
本日ラストの伝説は、先ほど紹介した”日蓮伝説”に関連する話である。
日蓮が猿島に上陸する時、海岸は一面岩礁で埋め尽くされていて船は近づけなかった。そこで、船頭は日蓮を背負って上陸した。船頭は足をサザエの角でけがをして血を流しているのを見て、日蓮は題目を唱えていあたり一面のサザエの角をとってしまったそうだ。
それ以降、猿島付近のサザエには角がないという。
本当のことを言うと、サザエの角は荒い海流に流されないためにあるため、比較的穏やかな内海では角なしサザエが多くあるそうだ。横須賀で角なしサザエを食べるときくらいは、この伝説に想いを馳せてみるのも良いのではないだろうか。
まとめ
竜蛇、日蓮関連だけでこれだけの伝説があるということは、考察でも述べたように、先人たちは猿島を神秘的な存在として残しておきたいという願いが含まれているだろう。現代を生きる私たちも、猿島を神秘的な存在としてどう伝えるか考えなければならない。
今回は猿島にまつわる5つの伝説を紹介したが、どれが本当でどれが嘘か、信じるかどうかはあなた次第。
伝説とともにこれまでのすべての時代で猿島に携わってきた生き物を考えながら、貴方と関わる人々との思い出を深めに、ぜひ猿島を訪れてほしい。
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