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【1日目】コロナ禍真っ只中だけど日本の最北端を目指した時の話

時は2020年9月25日。

新型コロナウイルスの蔓延による緊急事態宣言もいったん解除となり、北海道内でも1日の感染者数が1〜2桁台で推移していた頃。
大幅に減少してしまった旅行需要を回復すべく、国をあげて旅行支援が行われていました。
GO TO トラベルなんかはまだ記憶に新しいかと思います。

我らがJR北海道でも正気を疑うようなレベルのおトクなきっぷを発売しており、ただでさえ凄まじい経営難っぷりを日頃から見せつけているのに本当に大丈夫なんか???とか思いました。
とはいえ調べてみると国からの支援金を受けて期間限定で発売するきっぷだったので、JR側に不利益は被らない模様でした。

その名も『Hokkaido Love! 6日間周遊パス』。
12,000円でJR北海道の在来線全線が特急の自由席含め6日間乗り放題になるという、破格を通り越してバグのようなきっぷです。
しかも指定席も4回までなら無料で追加発券できるチートっぷり。
ほぼ同じ内容の『北海道フリーパス』が27,430円なので、事実上半額以下での発売というわけです(北海道フリーパスの方は7日間有効、指定席6回までとLoveパスよりは一応上)。

いち道民としてもいち旅好きとしても、この機会を逃すなんて選択肢はありませんでした。
貴重な連休がとれたタイミングでこのきっぷでお得に道内をぶらっと一人旅してきた時の模様を覚えてる範囲で書き連ねていこうと思います。

12:00 札幌発 特急ライラック15号 旭川行

789系0番台『特急ライラック』
別日に撮った写真しかなかった←
カラフルな座席の並ぶ車内
これも別日に撮影

旅の初日、いよいよ出発の時。

たしかこの日夜勤明けで帰宅せずそのまま出発してたので、アイマスク持ち込んで車内で爆睡してました。
ライラックなら普段しょっちゅう乗ってて正直景色も車内も見飽き気味だったし、静かな電車特急なので寝るならここしかないかなって思いました。

なので写真とか一切ないです。ご興味のある方はYouTubeとかで見てみるといいと思います(投げやり)。

13:25 旭川着

13:35 旭川発 特急サロベツ1号 稚内行

降りたホームでそのまま乗り換え


キハ261系0番台『特急サロベツ』
こっちはちゃんと当日に撮影!
日本一北を走る特急列車!
対面式乗り換えなので便利〜

1時間半かからずに旭川に到着。

名寄・稚内方面または北見・網走方面へ向かう特急と接続する列車の場合、旭川駅では上の画像のように対面式乗り換えが行われます。
札幌から乗ってきた列車を降りたら目の前に乗り換え先の列車が停まってるので、別のホームに行くことなくスムーズに乗り換えられます。
最近だと西九州新幹線の武雄温泉駅なんかもこの方式をとっていることで有名ですね。

旭川までは電車特急でしたが、ここから先は架線の無い非電化路線のためディーゼル特急。
北海道のディーゼル特急特有の力強いエンジン音を響かせながら力走していきます!


名寄まではかなり飛ばす宗谷線
車内はさっきのライラックとほぼ全く一緒
宗谷線の境界線とも言える名寄駅
ここまではそれなりに需要のある区間

旭川を出て最北の街、稚内を目指して発車した特急サロベツ号。

旭川〜稚内間の宗谷本線は道内どころか日本国内でも指折りの赤字路線として知られていますが、途中の名寄までの間は辛うじてそれなりの需要はあるようで、普通列車・快速列車の本数もそこそこあります(それでも少ない)。
そのためこの区間のみ高速化工事が行われており、特急は最高時速120km/hでの運転が可能です。
ガタンゴトンと小気味の良いジョイント音がとても心地良く、乗っていて楽しいお気に入りの区間です!

列車は1時間ほどで名寄駅に到着。
ここで半数近くのお客さんが下車していき、もともと閑散としていた車内がさらに寂しくなりました…


天塩川に沿って進む宗谷線
有名な絶景ポイントだけど天気が…
『北海道らしい風景』と書いて『何も無い』と読む
幌延〜豊富間で遠くに見えた利尻富士🗻
実はこれが唯一見たことのある利尻富士です…
宗谷線一の絶景ポイント(ただし晴天時に限る)
終点一つ手前の南稚内駅
実は稚内市の中心部にはこっちの方が近い
北海道から九州まで線路が繋がってるなんて本当に凄い…!
はるばる来たぜ最北端!
日本最北端の駅、稚内駅
とはいえ駅は大きくて綺麗で最果て感はあんまり無い
ここが日本の線路の一番端っこ
モニュメント化されてるので触っても問題無いからね!


17:25 稚内着

旭川を出て約4時間、札幌から約5時間半かけてようやく日本のてっぺん、稚内駅に到着!

9月の稚内はもう薄暗くなってきてました。

宗谷線は天塩川に沿って進む箇所が多く、時折列車の真横を流れる天塩川の絶景が楽しめます。
また、抜海〜南稚内間の車窓から雄大な利尻富士を眺められるポイントもあり、宗谷線は赤字路線としてだけでなく絶景路線としても有名です。
…今回は天気に恵まれませんでしたが。
というか私が宗谷線乗ってて利尻富士見れたことこの一回しかないんですけどどうなってんの???(八つ当たり)

稚内駅はもともと国鉄チックでレトロな駅舎が建っていましたが、2011年に現在の新しい駅舎にリニューアルされました。
駅の中にはお土産屋さんや観光案内所、食事処の他になんと映画館まであります。日本最北の映画館だそうで…
新しい駅舎だけあって日本の最果ての駅っぽさはあまり感じられないかもしれません。

しかし駅の外に出てみれば日本最北端の車止めがあり、ここが日本の線路の一番端だということを実感できます。
モニュメント化されてはいますが、線路は駅舎の中を貫いてしっかり現役のホームの方へと繋がっています。
さらに駅舎とは反対方向に向かって線路を模した石畳(?)が敷かれており、さらに北へと線路が伸びているかのように見えます。
せっかくなので辿ってみることにしました。


稚内駅よりさらに北へと伸びる線路(?)
その先には何やら建造物が…
『稚内港北防波堤ドーム』
ドームの内部
かつてはここに線路が敷かれ、駅があった…
終戦前はここから人々が樺太へと渡っていた
現在は利尻島・礼文島へのフェリーターミナルとして機能
かつて宗谷線で活躍しここに展示されていたSLの車輪
ここまで鉄道が来ていたことを伝える数少ない遺構…

線路のような何かを辿った先に見えてきた建造物。
これこそ稚内北防波堤ドームで、稚内駅近くの観光スポットとしても知られています。

現在はその名の通り防波堤として使われていますが、実はかつてこのドームまで線路が伸びていたことは意外と知られていません。
樺太(現在のロシア連邦サハリン州)がまだ日本領だった時代、稚内から樺太へと船で渡る人々のためにここまで鉄道で直接アクセスできるつくりになっていたのでした。
ドームには稚内桟橋駅が置かれ、当時はこっちが日本最北端の駅だったというわけです。
しかし第二次世界大戦の終戦後、樺太が日本領ではなくなったのに合わせて稚内桟橋駅も廃止。線路も撤去され、現在の稚内駅が日本最北端となりました。

かつての稚内桟橋駅跡地近くには現在も利尻島・礼文島へ向かうフェリーターミナルがあります。
また、かつて宗谷線で活躍したC55形蒸気機関車もこの辺りに保存されていたそうですが、潮風の影響で腐食が進み解体されてしまったそうで…
現在は動輪とナンバープレートのみが残され、かつてはここまで鉄道が伸びていたことを後世へ伝えています。
駅からさらに北へ伸びていた線路のようなモニュメントはそういうことだったわけですね。

実際のC55形蒸気機関車がこちら
(数年前に小樽市総合博物館にて撮影)


本日のお宿
安心と信頼のドーミーイン

駅近で歴史遺産を見学し、すっかり暗くなってしまったのでそのままホテルへとチェックイン。

当時はGOTOトラベルのおかげでお安く泊まれたので、温泉付きのドーミーインをチョイス。
私こう見えてお風呂好きなので、旅行の宿泊先には必ず大浴場がついてるかどうかを確認するのが癖になってます…
アクセスとかお値段の関係でどうしてもダメなときは諦めますけどね。

先述した通りこの日は夜勤明けでほとんど寝ずに来ていたのもあり、軽く晩ご飯を済ませて軽く温泉に入った後気絶するように眠りに落ちました。

大移動の連続な旅はまだ始まったばかり…



おまけ
稚内駅前のポケふた


→2日目に続く

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