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『後世への最大遺物』から読み盗った3つのこと

みなさん、こんにちは。今回は星野リゾートの教科書のひとつである『後世への最大遺物』(内村鑑三 著) から読み盗りました。(「能動的な読書」を目指しておりますので、「読み盗(と)る」というアグレッシブな言葉を使わせてもらっています。)

では、本書の概要読み盗った3つのことを書いていきます。

本書の概要

著者である内村鑑三は、日本を代表する思想家でキリスト教に傾倒していました。「代表的日本人」の作者でもあります。

本書は、内村鑑三の講演内容をまとめたもので、「後世への最大遺物」「デンマルク国の話」二部構成になっています。「後世への最大遺物」は若者向けの講演を書き下ろしたもので、学びが多くありました。ので、今回は「後世への最大遺物」に絞って書きたいと思います。

では、『後世への最大遺物』から読み盗った3つのことを書いていきます。


① 後世への最大遺物とは「勇ましい高尚なる生涯」

本文から引用します。

それならば最大遺物とは何であるか。私が考えてみますに人間が後世に遺すことのできる、そうしてこれは誰にも遺すことのできるところの遺物で、利益ばかりあって害のない遺物がある。それは何であるかならば勇ましい高尚なる生涯であると思います。

また、「勇ましい高尚なる生涯」を代表するひとつのエピソードが紹介されています。要約しますと、

カーライルという歴史家が生涯かけて一冊の本を書ききります。印刷する前段階ですので、世界に一冊しかない本です。彼は友人にその本を一晩貸してあげました。友人は本をテーブルに置いたまま寝てしまい、何も知らないお手伝いさんは、本をストーブの燃料にしてしまいました。本は跡形もなくなりました。それを知ってカーライルは怒り狂います。しかし、「燃やされたくらいで怒るような人間が書いた本なんて社会に出しても役に立たないだろうから、もう一回書き直そう」と自分を鼓舞してもう一度本を書き直します。

というお話です。

私には強く響きました。「何を言うかよりも誰が言うか」「何をするかよりも誰と(誰が)するか」という考え方に通じている気がします。

後世への最大遺物とは「勇ましい高尚なる生涯」である と読み盗りました。


続いて二つ目は、

②お金の大切さ

です。

「いまさら何を言ってらっしゃるの?」

っと思われるかもしれませんが、後世に遺す一番大切なものに「金」があげられているのです。

後世へわれわれの遺すもののなかにまず第一番に大切なものがある。何であるかというと金です。

金の次に事業、事業の次に文学・教育と続いていきますが、まずは「金」から始まっています。

「内村鑑三ってキリスト教徒だから、どうせ綺麗ごと書いてるんでしょ」

と思っていたので、お金が一番に掲げられていたことは意外でしたし、無知と無礼をお詫びしたくなりました。しかし、周りの人を不幸にしてでもお金を溜めた人物を例に、ただ遺すだけではいけないとも伝えています。

それゆえに金を遺物としようと思う人には、金を溜める力とまたその金を使う力とがなくてはならぬ。この二つの考えのない人、この二つの考えについて十分に決心しない人が金を溜めるということは、はなはだ危険のことだと思います。

お金を溜めるにしても使うにしても、お金の大切さを理解して選択すべし と読み盗りました。


最後三つ目は,

③ 似合うか似合わないかで判断する

ということです。

『後世への最大遺物』は基督教青年会での講演をまとめた本です。にもかかわらず、内村鑑三は「基督教青年」という雑誌を批判しています。

あの雑誌のつまらないわけは、青年が青年らしくないことを書くからです。

ここから続けて、女性からは女性のいうようなことを、男性からは男性がいうようなことを聴きたい、それが文学なんだと内村鑑三は言っています。

この文を読んだときに、ハッと自分に立ち返ることができました。似合うのか似合わないのかで判断してみるというのはポジティブな価値基準であると感じました。

自分らしさ、その人らしさにアンテナを張って、似合うのか似合わないのかで判断してみるべし と読み盗りました。

まとめ

『後世への最大遺物』から読み盗った3つのこと

① 後世への最大遺物とは「勇ましい高尚なる生涯」であること
② お金の大切さを理解して選択してみること
③ 似合うのか似合わないのかで判断してみること


次回は『いかに「サービス」を収益化するか』(DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー編集部 編・訳)から読み盗ってみます。

最後までお付き合いいただいて
ありがとうございました。
では、またです。


貴重なお時間をありがとうございます。よき時間となりますように。