『モモ』から読み盗った3つのこと
みなさん、こんにちは。
今回は、出口治明 著『教養は児童書で学べ』で紹介されている『モモ』から読み盗りました。(「能動的な読書」を目指しておりますので、「読み盗(と)る」というアグレッシブな言葉を使わせてもらっています。)
本書の概要
物語の主人公『モモ』は聞き上手な女の子です。人々から頼りにされ、仲間と平穏な日々を送っていました。しかしある日、モモたちに魔の手が忍び寄ります。「時間貯蓄銀行」と名乗る灰色の男たちは人々を誘惑し、全ての物事を効率化させました。そのせいで人々は心を亡くし、時間を貯蓄することに夢中になってしまいました。モモは時間貯蓄銀行から時間を取り戻すために奮闘します。
本書は、本質を知る女の子の不思議な時間の物語です。
では、『モモ』から読み盗った3つのことを書いていきます。
まず1つ目は、
①時間は人生
ということです。
この物語のテーマは「時間」です。
時間貯蓄銀行に時間を預ける、そのために何でもかんでも効率化する、そんな人生が本当に幸せなのかどうか。心を亡くして忙しくする現代人に『モモ』は大事なことを教えてくれている気がします。
人生は時間の積み重なり、時間は人生である と読み盗りました。
アメリカのミュージカル「RENT」の曲目の一つ "Seasons of Love"では「時間の測り方」が歌われています。「1年をどう数える?(How do you measure a year ?)」という歌詞がいいなと思います。
続いて2つ目は、
②迷ったら心の声を聴く
ということです。
カシオペイアという名前の亀が登場します。甲羅に浮かび上がる文字で意思を伝えます。モモが迷ったときや悩んだときに現れて、目的地へと導いてくれるナビゲーターのような存在です。
印象的だった場面を一つご紹介します。
次の目的地へと急ぐモモ。自分がカシオペイアを抱えて移動すれば早い、と主張するモモに対して、カシオペイアは応えます。
「イケマセン」
「どうしてじぶんで這っていかなくちゃいけないの?」
それにこたえて、なぞのようなことばがあらわれました。
「ミチハ ワタシノナカニアリマス」
「効率やスピードは大事。けれど、根本的にもっと大事なことがある。」という心の声を表現しているのではないかと思います。
どんな人でも道に迷う、そんなときは心の声を聴けばいい と読み盗りました。
最後の3つ目は、
③今を楽しんでいいんだ
ということです。
モモは一つの「なぞなぞ」を解きます。
一番うえはいま いない 、これからやっとあらわれる。
二番目も いない が、こっちはもう家から出かけたあと。
三番目のちびさんだけがここにいる、
それというのも、三番目がここにいないと、
あとのふたりは、なくなってしまうから。
さあ、この三人兄弟の名前は?
というものです。答えが気になる方はオリラジのあっちゃんこと中田敦彦さんのYouTube動画をぜひ!「なぞなぞ」のお話は【モモ②】の5:23くらいからです。
いろいろあったし、いろいろあるんだろうけど、今を楽しんでいいんだ と読み盗りました
まとめ
『モモ』から読み盗った3つのこと
① 人生は時間の積み重なり、時間はすなわち人生であること
② どんな人でも道に迷う、そんなときは心の声を聴けばいいこと
③ いろいろあったし、いろいろあるんだろうけど、今を楽しんでいいこと
次回は『ナルニア国物語』(C・S・ルイス/土屋京子 訳) から読み盗ってみます。
最後までお付き合いいただいて
ありがとうございました。
では、またです。
貴重なお時間をありがとうございます。よき時間となりますように。