『はらぺこあおむし』から読み盗った3つのこと
みなさん、こんにちは。
今回は、出口治明 著『教養は児童書で学べ』で紹介されている『はらぺこあおむし』から読み盗りました。(「能動的な読書」を目指しておりますので、「読み盗(と)る」というアグレッシブな言葉を使わせてもらっています。)
本書の概要
『はらぺこあおむし』(原題:The Very Hungry Caterpillar)は世界的な絵本作家 エリック・カールの代表作です。食いしん坊のあおむしが、たまごから蝶になるまでを描いた絵本です。色鮮やかな絵にシンプルな文が添えられた、発行部数日本歴代3位の名作です。
ちなみにですが、2020年11月24日時点で歴代1位は「いないいないばあ」(童心社)、2位は「ぐりとぐら」(偕成社)となっています。出典:朝日新聞デジタル 「いないいないばあ」が700万部突破 日本の絵本で初
では、『はらぺこあおむし』から読み盗った3つのことを書いていきます。
まず1つ目は、
①いい本は五感を刺激する
ということです。
この本にはたくさんの思いと工夫が詰まっていると感じました。
まず、表紙の鮮やかな色彩が目に飛び込みます。テンポの良い文章なので読み聞かせに持ってこいだと思います。大きくて分かりやすい絵なので、ピクルス、チーズ、ソーセージなどの匂い、果物やスイーツの甘味も容易に想像できます。また、絵本に開けられた穴を触りながら楽しむこともできます。
小さい頃にこの本に出会いました。以来、ずーっと変わらず魅力的であり続けています。その理由は、五感を刺激してくれるからなのかなと思います。
いい本は五感を刺激する と読み盗りました。
続いて2つ目は、
②訳文もすごい、原文もすごい
ということです。
冒頭の文章を引用します。
「おや、はっぱの うえに ちっちゃな たまご。」
おつきさまが、そらから みて いいました。
原文は
In the light of the moon a little egg lay on a leaf.
このようになっています。
日本語訳のすごみは「月をしゃべらせたところ」、原文のすごみは「Lの音とリンキングでリズム感を出しているところ」だと感じました。
また、原題の"The Very Hungry Caterpillar"の発想、「はらぺこあおむし」という邦題、どちらもすごいと思います。私だったら「おなかのすいた いもむしちゃん」みたいなダラダラしたタイトルにしちゃいそうです。笑
訳文もすごい、原文もすごい と読み盗りました。
最後の3つ目は、
③どんなこともステップ・バイ・ステップ
ということです。
ページをめくるたびに時間と成長が実感できます。
・たまご→幼虫→さなぎ→成虫
・月曜日から日曜日まで日替わりの食べ物
・1日1つずつ増えていく食べ物の数
工夫されたデザインによって、子どもたちはスモールステップで一つずつ学べると思います。あおむしも成長し、子どもたちも成長できる素敵な本だなぁと思います。
どんなこともステップ・バイ・ステップ と読み盗りました。
まとめ
『はらぺこあおむし』から読み盗った3つのこと
① いい本は五感を刺激すること
② 訳文すごいし、原文もすごいこと
③どんなこともステップ・バイ・ステップなこと
次回は『西遊記』(呉承恩 /伊藤貴麿 編訳) から読み盗ってみます。
最後までお付き合いいただき
ありがとうございました。
では、またです。
貴重なお時間をありがとうございます。よき時間となりますように。