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『西遊記』から読み盗った3つのこと

みなさん、こんにちは。

今回は、出口治明 著『教養は児童書で学べ』で紹介されている『西遊記(上・中・下巻)』から読み盗りました。(「能動的な読書」を目指しておりますので、「読み盗(と)る」というアグレッシブな言葉を使わせてもらっています。)

本書の概要

玄奘三蔵(三蔵法師)というお坊さんが経典を求めて旅をします。旅の途中で、孫悟空・沙悟浄・猪八戒を仲間に加え、目的地である天竺を目指します。道中に様々なハプニングに見舞われながら一行は経典を手にします。

本書は個性爆発のハチャメチャ旅物語です。


では、『西遊記』から読み盗った3つのことを書いていきます。

まず1つ目は、

①書物の価値は「作者×訳者×読者」の総合点

ということです。

「西遊記」の作者は呉承恩ではない可能性があるようです。そして、西遊記のゴールにある「経典」の作者も定かではありません。口伝や修正が繰り返されて今に至っていると考えるのが自然かと思います。

また、本書の訳者は伊藤貴麿さんです。そして、日本で最も有名な経典であろう「般若心経」の訳者は、本書の主人公 玄奘三蔵(三蔵法師)だと言われています。いずれも訳が素晴らしいから今も残っていると思います。母語で書かれた書物に訳者は不要ですが、その場合は、訳者 = 読者になるかと思います。

西遊記の読者となり、「いくらいい書物を残してくれたとしても、読者の力がゼロだったら書物の価値はなくなってしまう」と感じました。なので、読者の力を高めていこうと思います。

お金以外のものさしで価値をつけるのであれば、書物の価値は「作者×訳者×読者」の総合点で決まる と読み盗りました。


続いて2つ目は、

②口が臭いのはみんなイヤ

ということです。

猪八戒の八戒の由来が書かれています。

かれが八つの忌み物を断っていたというところから、よび名を八戒とした

この八つの忌み物とは、三厭五葷(さんえんごくん))のことだそうです。厭(えん)は獣や魚などの肉、葷(くん)はネギやニンニクなどの臭いの強い野菜のことです。

臭いの強い野菜を禁止している理由は、純粋に口が臭くなるからだと思います。そして、この戒をつくった人は口が臭いのが嫌だったのだろうと思います。

今も昔も変わらず、口が臭いのはみんなイヤ と読み盗りました。

論文しか信じられなくなった方が解説されている「論文で解決」チャンネルさんの動画をシェアしておきます。


そして、最後の3つ目は、

③地球1個で考える

ということです。

「天竺への道のりが長過ぎる」と言う沙悟浄と猪八戒に対して、孫悟空はこんなことを言っています。

「なあに、おれからみれば、この青天井が屋根で、日月が窓で、四山五岳(天下の大山)が梁や柱でよ、『天地なお一堂のごとし』だよ。」

孫悟空がお釈迦様と対決したとき、"悟空が最果てだと思った場所もお釈迦様の手のひらの上だった" という体験があっての発言だと思います。

緻密な思考や作業も大事、ダイナミックに地球1個で考えるのも大事 と読み盗りました。

おしまいに、地球1個の映像を届けている国際宇宙ステーション(ISS)のLIVEをシェアします。海・緑・夜景、どれも壮大です。

まとめ

『西遊記』から読み盗った3つのこと

① 書物の価値は「作者×訳者×読者」の総合点で決まること
② 今も昔も変わらず、口が臭いのはみんなイヤなこと
③ ダイナミックに地球1個で考えてみること


次回は『アラビアン・ナイト』( ケイト・D・ウィギン、ノラ・A・スミス 編/坂井晴彦 訳/W・ハーヴェイほか画) から読み盗ってみます。

最後までお付き合いいただいて
ありがとうございました。
では、またです。


貴重なお時間をありがとうございます。よき時間となりますように。