部長と二者面談
その日、A部長はパソコンがおかしくなってしまったらしく、デスクに腰掛けたままぼんやりしていました。
さえないアラフォー工業系女子が身の振り方を考える話-序文
登場人物等一覧
A部長は私の所属するL部の部長です。
思い詰めていたある日のこと。社員食堂からの帰り道、A部長と私はばったり一緒になります。これは、いくしかない。
チョビ:「部長、もし可能だったら今日30分ほどお時間頂けないでしょうか?ちょっとだいぶ悩んでしまっており、お話させて頂きたいことがありまして…」
A部長には部署異動以来、私のことを非常に気にかけて頂いてきました。そんなA部長相手と言えども胸中を打ち明けるのは大変なことです。
でも、S社で今後もやっていける可能性を探らずして去るのはあまりに口惜しい。上長たちの意見を聞くとしたら聞ける相手はA部長しかいないのでした。
打ち合わせ室で、私は切り出します。昇格出来なくて非常に悔しかったこと、そしてその理由はどんな部分ですかと。
それは簡単な理由でした。
S社の昇格人事は過去3年間の業績評価で裁定される。3年間で「良」評価が取れれば昇格候補になれる。だがそこに「不可」を含んでいると昇格出来ない決まりだという。
私は4年前に病んで一度休職しています。その時評価「不可」を受けました。その年季が明けるまでは昇格出来ないということなんですね。
それは逆に、来年こそが遅れてやってきたチャンスということでもありました。
私は、「良」評価を勝ち取って、昇格して、S社に残留したい…!そう思いました。
S社の総合職は相対評価です。良は1割ぐらいの社員にしか割り当てられていないと見込まれます。
私なんかでは頑張っても「並」、頑張らなくても「並」だなと、いう次第にて、頑張ってはいましたが万年並社員でした。
私はA部長に問いかけます。
チョビ:「時短勤務の私が今の業務テーマから良評価を得るには、どのような心掛けで取り組んでいけば良いでしょうか?」
A部長:「成果にこだわりなさい。成果とは、報告書や、新商品開発です」
道が見えました。
私は新商品開発の業務テーマではないので、優れた報告書を書けば良いのだと。
でもこれからお話ししていく通り、私の置かれた過酷な環境では、並大抵のことでは「良」評価を勝ち取るのは不可能なのです。
「良」を取れなかったら転職…いや私は「良」を取り昇格してみせる、そのために成果を出す!
私の戦いが始まります。それは、L部の理不尽との戦いでもありました。