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乳幼児健診~②健診って何?

では、早速「健診」について考えていきましょう。
難しい話は置いといて、一般的にはお子さんが生まれたら、主にお住いの地域では以下の健診を受けることになります。

乳児健診
6.7か月健診
9.10か月健診
1歳半健診
3歳健診

実施の仕方は、お住いの自治体によって様々ですが、乳児健診・1歳半健診・3歳健診は保健センターで受けるのが多いのではないでしょうか。
保健センターで、内科健診もやるところもあれば、内科は各自で受診してねというところもあるでしょう。

いずれにしても、小さいお子さんを連れて、半日仕事なのですから、大変です。
きょうだいがいればお迎えの時間も気になるし、お仕事をお休みしなければならないこともあり、正直、「健診」ってなかなか面倒なイベントです。

健診では、保健師にいろいろ聞かれます。
中には、「なんでそんなこと聞かれないといけないの?」と思う方もいるでしょう。
子どもの成長発達をジャッジされているような気持にもなるだろうし、自分の育児を評価される気持ちになることもあるかと思います。

そう考えると、「健診」ってつらい!
そして、親御さんがそんな気持ちで来てるのかなって思ったら、働いてるCho-bitもつらい!

だから、教えちゃいます。
健診で聞かれることって、どんな意味があるの?
ここでは全部の健診をまとめて、ざっくりお伝えします。
そして、聞かれることに対して、どんな心持ちでいればいいのかもお伝えしますね。

1つ目の視点:お子さんが健やかに「発育」しているか
これは簡単に言うと、「身体が大きくなっているか」ですね。
身長・体重・頭囲などです。
疾患を見つける意味もありますが、他にも意味があります。

これに関連する質問としては、「母乳?ミルク?」「夜間の授乳は?」「離乳食は?」「偏食は?」「ジュースは?」などかなと思います。

上手に母乳が飲めない、がんばって作ったごはんを食べてくれない、夜中に何度も起きる、泣き止まなくてついジュースをあげてしまう。そんなこともあるでしょう。
一生懸命やってるのに上手くいかないところで、そんな風に質問されたら、「私だって一生懸命やってるよ!」「きょうだいもいるのにワンオペで手が回らないよ!」と腹が立つかもしれません。

まさに、この質問では、親御さんのその気持ちや事情に寄り添いたいという側面があるのです。
だから、健診の性質上、聞くしかないんだけど、決してジャッジしているワケではないので、身体の大きさに注目しないで、そのしんどさをぶつけてください。
「こんな風にやってみたらどうだろう?」「あなたのせいじゃないよ」そんな話が聞けるかもしれません。

2つ目の視点:お子さんが健やかに「発達」しているか
これが、アレです。親御さんを苦しめるやつです。

関連する質問としては、「歩きますか?」「マネをしますか?」「呼んだら振り向きますか?」「言葉は何語話しますか?」「指さししますか?」「積み木をつみますか?」などなど・・・。

これができないと、「障害」って言われるのでは・・・。と、親御さんによっては、一生懸命練習させたり、ネットで「指さししない」とか調べたりして、焦りと恐怖の日々となってしまいますよね。

では、どうしてこの質問が必要なのでしょうか?
ざっくり言うと、私たちは生まれてからそれぞれ電車に乗って、あるゴールへと進んでいきます。
そのゴールは、「死」ですよね。生を受けて人生が終わるまで、私たちは「発達」し続けます。
その電車が、ゆっくりだったり、ちょっと遠回りだったり、線路がグニャグニャしていたり、逆走してしまったりすると、さまざまな「困りごと」にぶつかってしまうことが「多い」のです。
ここで大事なのは決して、ゴールまで一直線で一番早く着く電車がいいってことではありません。
経過はどうでもいいのです。その時々で、お子さんや親御さんが健やかでいられることが大事です。

健診で注目するのは、「できた/できない」ではなく、「困ってないか?」「これから困らないか?」です。
そして、困っているのは、困るかもしれないのは、「親御さんが」だけでなく「お子さんが」もです。

指さしできないことで、子どもは自分の思いが伝わらず、親御さんは我が子の伝えたいことが分からず、共感が生まれにくくて楽しくない。
言葉で言えないから、泣きが激しかったり、叩いたり、ものを投げたりしてしまう。
言葉が通じないから、「ストップ!」が伝わらなくて、車道に飛び出してヒヤっとしてしまう。
それらのことから、親御さんの気持ちが沈んでしまう。イライラしてしまう。疲れてしまう。
などの状況になることがあります。

健診で、まだ電車が目的地までたどり着いていませんと分かれば、大変なことはないか、どうしたら電車のスピードが上がるか、そもそも電車のスピードはみんな違っていいんだよ、というお話が聞けるかもしれません。

3つ目の視点:日常生活での困りごとについて
3歳健診くらいになると、ここの比重が大きくなってきます。
育児って「生活」です。「生活」って毎日繰り返されることです。
だから、そこの部分が大変だと、本当にしんどいです。

関連する質問としては、「母乳・ミルクは一日何回?」「離乳食は何回?」「夜は起きますか?」「かんしゃくは?」「指しゃぶりは?」「トイトレは?」「テレビは一日何時間?」などでしょうか。

これもなかなか、親御さんとしては育児力とか、工夫力とか、忍耐力とかを試されてる気がして、気持ちのいいものではないかもしれません。
それでも、先述したように、毎日繰り返されることですから、ここに困難があると、生活全体がとても殺伐としてきます。
睡眠や食事が不安定だったり、かんしゃくを起こしやすいと、子どもも親御さんも疲弊して、やっぱり笑顔がなくなります。

健診は、決して親御さんのやり方やお子さんの性質を否定するためにあるのではありません。
毎日の生活の「しんどさ」をお話してくだされば、「こういう工夫ができるよ」「いずれできるようになるよ」「そのままで大丈夫よ」などのお話が聞けると思います。

4つ目の視点:親御さんの心身の健康
親御さんはもう、立派な大人なのでね。余計なお世話になるかも知れません。

関連する質問としては、「イライラしませんか?」「眠れてますか?」「相談相手はいますか?」「お仕事は?」「パートナーは協力的ですか?」などですね。

親御さんの中には、ご自身のことをあまり話したくないと思われる方もいらっしゃると思います。それはそれでいいと思います。
健診でも、根ほり葉ほり聞きたいワケではないのです。
ただ、親子ってすごくすごく密接な関係です。
職場でやたらめったらイライラしている人がいたとしても、その場でだけやり過ごせば、自分へのダメージは最小限に抑えられるかも知れません。
でも、親子って、離れてる時間も思考も行動も、すべてに影響し合うくらい密接なのです。
だからやっぱり、親御さんの心身が健康でなければ、親も子も笑顔になれないのです。

自分の心身の健康を保つ方法を持ってるよ、という方はそれでいいと思います。
でも、毎日必死でがんばって、健診に来た時くらい、ちょっと愚痴ってもいいと思うのです。
多くの親御さんは、気持ちを口に出したらスッキリして帰って行かれます。一期一会のスタッフです。多少、弱いとこ見せても不利益になることはありません。
しんどい気持ちをゴミ箱に捨てて帰るつもりで、お話してみてください。

5つ目の視点:その他モロモロ
生きていればいろんなことがあります。事情も置かれた状況も様々です。
何か困っていたら、話してみたらいい。
直接解決に至らなくとも、必要な情報を得られることもあるし、話すことで整理されることもあります。

あとは、きょうだいについてのお話もしていいです。
パートナーとの関係も、育児していく上でとても大切です。
これらのお悩み、意外と多いのです。

最後に:親御さんの気持ち
もし、健診で問診や診察、相談を受けていて、モヤモヤしたり腹が立つようなことがあったら、それをそのまま伝えてください。
モヤモヤしたまま、もう二度と相談しないと思ってしまうのは、誰にとってもよくありません。
そして、モヤモヤを相手に伝えるというのは、これから育児していく中でも親として必要なスキルになってきます。
はじめは上手に言えなくてもいいです。でも、相手に気持ちを伝え、一緒に考えていくという作業に慣れていけば、この先も困難にぶつかった時に、上手に伝えたり相談できるようになります。
健診スタッフは、モヤモヤをぶつけられたからって怒ったりはしません。気持ちを共有して、一緒に考えたいと思っています。
だから、モヤモヤは必ず健診会場に置いて帰ってくださいね。

どうでしょうか。
ざっくりだったので、納得しきれないこともあるかもしれません。
これから、各健診について詳しく記事を書いていきます。
そちらも参考にしていただき、笑顔で育児ができればと思います。
あっ、いつも笑顔なんて、無理だからね。
少しでも笑顔が増えればいいね。

Family応援塾Cho-bit







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