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私の青春を、あなたの幼少期へ捧ぐ

「生まれる時代を間違えた。」

映画『ALLWAYS 三丁目の夕日』を初めて観た時、当時小学生だった私はそれまで自分が感じてきた「理想の家族」と現実のギャップの原因に気がついた。

そうか。私は『ALLWAYS 三丁目の夕日』のような、『サザエさん』のような、『クレヨンしんちゃん』のような、そんな分かりやすい“家族の温かさ”に憧れていたんだ、と。
羽田空港のふもと、家族経営の自営が多い工場地帯の中で生まれ育った私は、時代の変化に追いつけないまま平成の幼少期を過ごしてしまったようだ。

時代の変化、昭和の終わりを知りながらも、やはりどこかで「家族の温かさ」を諦めきれなかった私は、せめて自分の家族の栄養管理だけでもできるようになりたいと、栄養士の資格を取得した。

そして、いざ就職活動を控えたとき、とある問題にぶつかった。

「働きながら、どうやって主婦すればいいん?」と。

何故なら、憧れてきた『ALLWAYS 』に出てくる鈴木オートの社長婦人も、『サザエさん』のフネさんも、『クレヨンしんちゃん』のみさえも、皆専業主婦だったからだ。キャリアを重ねながら、母として「温かい家庭をつくる」ロールモデルが分からなかった。

そこから、社会情勢や家族社会学を独学で勉強した。今の時代の女性の社会進出と家庭の両立との板挟みは、「子育て支援」の供給により変えられるかもしれないと、その業界へ就職した。そして家庭の声をもっと拾うため、退職した。今の私は、家事代行サービスを自営している。

これまで3年半、沢山のご家庭を伺ってきたが、令和になっても、まだまだ家事の分担は男女平等とは程遠い。女性ばかりが大変すぎる訳ではなく、男性も過労働を強いられ家族との時間を持てない訳だから、タチが悪い。もっと男女のしがらみから解放されて、1人でも多くの人が家族と健やかに過ごす時間を持てるようにしていきたいと、そう願う。


きっと、私は寂しかったのだ。

忙しく共働きに出ている両親へ「ひとりでご飯を食べるのは寂しい」と、本音が言えない事が寂しかったのだ。そして当時の私みたいに、家族へ本音を漏らせず我慢している子どもたちも、きっとまだまだ沢山いるのだろう。

そんな子どもたちが、大好きな家族と一緒に過ごす時間を増やせるのなら、これほど嬉しいことはない。親が子どもと過ごすための時間を、まずは私がつくりたい。

そのためにも、今日も私は喜んで、雑巾を絞っている。

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