【戦争のある日常】ムハンマドの誕生日は緑色に
今日事務所から宿舎に帰る途中、車体が完全に緑に塗られた車を何台も見かけたので、何で?って聞いたら、明日がイスラム教の創始者、ムハンマドの誕生日だからと運転手が教えてくれた。
確かに、「明日ムハンマドの誕生日で、集会が各地で開かれるため外出は危ないからテレワークしなさい」というお達しが来ていたので認識はしていた。ちなみに国の祝日ではあるようだが、国連は祝日として指定していないので休みではない。
運転手は続ける。
「お店のシャッターなんかも緑にしてるところもあるし、緑の旗も立てたりして、あれは無理やりやらされてるんだよ。」
「え?じゃあ緑の車も無理やりやらされてるの?」
「車はやりたくてやっている人もいるけど、昔はこんなんじゃなかったよ。やらないと何されるかわからないからね」
反政府勢力がやって来てこの地域を抑えてから、強制的にムハンマドの誕生日を祝わされているという。もちろん昔から誕生日にはお祝いしていたのだろうが、要はプロパガンダとして利用されているのだろう。挙句の果てに、公務員や大きな会社などは、誕生日のお祝いとしてお金を巻き上げられるらしい。そのお金がムハンマドの誕生日のお祝いごとに使われているのか甚だ疑わしい。
天国にいるはずの彼は果たして喜んでいるのだろうか…
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?