序文:インフルエンサーではない僕らの「逆説のコミュニティデザイン」
インフルエンサーは目立ちます。
それゆえ、彼らのやり方に影響を受ける人も多い。
先日、ある渋谷のカフェで向かいの席に全く同じような出で立ちの女性3人並んで座っていました。3人ともメイクやファッションがそっくりで見分けがつかなかったのですが、聞こえてきた会話によると有名なインフルエンサーとそのお仲間2人だったようです。
さすがインフルエンサー。周囲の人の見た目にまで影響を振りまいています。そんなインフルエンサーがコミュニティをやっていれば、世のコミュニティデザイナーも大いに影響を受けるのは仕方ありません。
※コミュニティデザイナーとは、コミュニティの設計をする役割です。コミュニティオーナーがその役割を果たす場合が多いですが、オーナーとは別の場合もあるようです。
特に最近はオンラインサロンというタイプのコミュニティをやるインフルエンサーが増えました。ファンクラブよりも距離の近い、交流型のコミュニティのことです。これを読んでいる人も入会している人は一定数いると思います。
しかし、です。
彼らのやり方を一般人が真似することは難しい。影響力を持たないところからコミュニティを作っていくには、インフルエンサーとは違うやり方が必要です。
例えば、コミュニティに大物ゲストを呼んでイベントを開催するのは、一般人にはなかなかできない。でっかい会場を貸し切って大規模なイベントをぶち上げることもできない。
打ち手やリソースが限られているときに、インフルエンサーがやっていることの「縮小版」をやっても意味がない。
むしろ、彼らが取らないコミュニティデザインによって
「このコミュニティにしかない面白い体験」
を生み出すしかありません。
今回はそれを「逆説のコミュニティデザイン」と呼び、わたしが実践しているやり方をいくつか挙げていきたいと思います。
それらはすべて「議論メシ」というコミュニティでの実践をとおして見つけたやり方です。
最初から逆説的なやり方を目指していたというよりは、創立以来の膨大な試行錯誤のなかで行き着いた先が、結果的にインフルエンサーたちとは真逆のコミュニティデザインだったのです。
では具体的に、どんな逆説でコミュニティをデザインすればよいのでしょうか?そんなことをこのマガジンではお伝えしていきます。
※本来であればコミュニティデザインの範囲を定義してから説明したいところですが、私自身もまだ実験中の取り組みが多いので、一旦それは保留した状態で進めます。
以下はこれから書いていく記事のタイトル案です。お楽しみに!!
逆説その1:中央集権型ではなく自律分散型のデザイン
持続可能性が高い/点(メンバー)の数じゃなく線(つながり)の数が重要/メンバーが大半のイベントをやる議論メシ
逆説その2:大物ゲストをイベントに呼ばない
すごい人に会える場ではなく、自らがすごい人になろうと動き出せる場/メンバーの魅力を引き出す/ブリコラージュ的アプローチ
逆説その3:非日常ではなく日常としてのコミュニティ
目に見えないタイプの静かな熱狂/日常のしごとやくらしが豊かになるコンテンツ
逆説その4:コミュニティの目的よりもメンバーの目的
コミュニティの目的が強いとメンバーを手段化してしまう/コミュニティマネージャーではなく、コミュニティデザイナーが必要な理由
逆説その5:マーケティングではなくクチコミで広げる
森を育てるようにコミュニティを育てる/文化とルール/バームクーヘンと和ろうそく
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