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コミュニティは小さく始めるのがいいって本当?何から始めればいいの?に答えます

コミュニティは小さく始めたほうがいい。これは焚き火に喩えるとわかりやすいでしょう。小さな種火と着火しやすい落ち葉から始まり、徐々に木材に火が移って火が大きくなっていく。このプロセスのように、コミュニティも最初は小さく始まるものです。

仮に大きく始めようとしても、コンテンツやイベントの少ない初期のコミュニティにはメンバーは簡単には集まりません。仮にコストをかけてたくさんのメンバーを集めたとしても、一度アクセスしたときのコミュニティ体験が悪ければその多くは再訪を望めません。

だから、コミュニティは小さく始めるべし。しかし、それは実際にはどういうことなのでしょうか?この記事では、初期のコンテンツやイベント、メンバーについていくつかのポイントをご紹介します。それらを押さえておけばコミュニティを立ち上げるハードルが大きく下がるはずです。

Commune Community Lab が属するコミューン株式会社ではたくさんのコミュニティが日々立ち上がっているので、そこから見えてくるポイントを整理していきます。どうぞ!




小さく始めるメリット

コミュニティを小さく始めることには明確なメリットがあります。まるで、小さな種から芽が出て、やがて大きく成長していく植物のように、コミュニティも小さく始めることで、健全な成長を遂げることができるのです。

以下にそのメリットを4つ挙げてみます。

  1. メンバーの強い愛着:小さなコミュニティでは、メンバー同士の結びつきが強くなり、初期メンバーであるという特別感も相まって愛着が強まるというメリットがあります。メンバー数が少ないということは、一人一人との交流が深まる機会が多いということです。互いの顔が見える関係性の中で、信頼や協力関係が生まれやすくなります。このような強い結びつきは、コミュニティの一体感を高め、活発なコミュニケーションを促進します。

  2. 高速な検証プロセス:メンバーからのフィードバックを迅速に収集し、コミュニティの改善に反映できます。小さなコミュニティでは、メンバーの意見や要望に耳を傾け、柔軟に対応しやすいものです。この試行錯誤のプロセスを通じて、コミュニティのビジョンやコンセプト、文化やルール、イベントやコンテンツを明確化し、メンバーの満足度を高めていくことができるでしょう。

  3. 最小限のリソース:小さなコミュニティであれば、限られた時間、資金、人材で運営することができます。特に初期段階では、無駄を省き、重要な要素に集中することが成功への鍵となります。これにより、コミュニティ運営に少人数でも専念できる体制を整えやすくなります。コミュニティが軌道に乗ってきたらリソースを増やしていきましょう。

  4. 最小限のリスク:小さなコミュニティはリスクを最小限に抑えられます。大きなコミュニティを最初から目指すと、失敗した場合の影響も大きくなりますが、小さく始めることで、リスクを軽減できます。仮に失敗したとしてもダメージは小さく、そこから学びを得て、次の施策に活かすことができます。


初期にオススメのコンテンツやイベント

先ほど述べたように、小さなコミュニティでは最小限のリソースとリスクで高い愛着を持ったメンバーと高速に検証することが重要です。実験的にいろいろなコンテンツ投稿やイベント開催を実施してみましょう。

小さなコミュニティでのコンテンツやイベントとして、具体的には以下のようなものが考えられます。

①新規メンバーへのウェルカムイベント

新しいメンバーを迎えるウェルカムイベントは、大規模になってくると都度開催するリソースはなくなっていきます。小さいからこそ毎月のように開催できるわけです。ウェルカムイベントはコミュニティの雰囲気を感じてもらうための絶好の機会です。オンラインミーティングやカジュアルなオフラインの集まりなど、小規模な形式で開催することで、新規メンバーもリラックスして参加しやすくなります。イベントでは、コミュニティのテーマや楽しみ方を伝えるのがオススメです。また、メンバー同士の自己紹介や参加理由をシェアする時間を取れば、安心感や親近感を醸成することもできます。

②少人数でのワークショップ

少人数でのワークショップは、メンバーが新しいスキルを学び、共有する機会になります。専門家を招いてもいいですし、メンバー自身が講師となって行うワークショップもいいでしょう。コミュニティのテーマやメンバーが持ち込んだトピックに関連したスキルや趣味に関するワークショップが一般的ですが、初期段階なら「コミュニティ名」や「コミュニティの未来像」をメンバーと一緒に考えるのも有意義です。コミュニティを自分ごと化するメンバーが増えて能動的なアクションが増えやすくなります。

③テーマについてディスカッション

同じコミュニティに集まっているからには、コミュニティのテーマに関連した興味関心は互いに近いはずです。そのため、コミュニティのテーマについてディスカッションを行う場を設けることが効果的です。例えば、テーマに関連する特定のトピックについて投稿やコメントで意見交換を行ったり、月に一度のディスカッションイベントを開催するなど、参加者が自分の意見を自由に述べられる場を提供します。これにより、メンバー間の絆が深まり、コミュニティへの愛着も強まります。

④メンバー紹介コンテンツ

コミュニティ内のメンバーを紹介するコンテンツを定期的に投稿することも、初期段階では特に有効です。インタビュー形式やメンバー自身による投稿を通じて、それぞれのバックグラウンドや興味を紹介し合うことで、互いの理解が深まり、連帯感や親近感が生まれます。オフラインイベントに先駆けてこうしたオンラインコンテンツを投稿しておくことで、実際に対面したときの共通の話題となり交流が促進されます。

⑤定期アンケートによるフィードバック

定期的にアンケートを実施し、メンバーの意見やニーズを把握することも重要です。簡単なオンラインフォームや投票機能を使って、今後のイベントやコンテンツの方向性について意見を募ることで、メンバーの期待に応えた活動ができるようになります。メンバーの声を反映したコミュニティ体験は、メンバーの満足度や愛着の向上につながります。過去記事「コミュニティメンバーからのフィードバックは宝の山!対応のポイントまとめ」もあわせてご覧ください。


テーマ・メンバー・コミュニティを切り口にする

まとめると、コミュニティのテーマについて「ディスカッション」したり、メンバーの「紹介コンテンツ」を投稿したり、コミュニティそのものについて「アンケート」をとること。また、「ウェルカムイベント」や「ワークショップ」ではテーマ・メンバー・コミュニティの全てをネタにすることができます。

これらのコンテンツやイベントを通じて、コミュニティの初期段階を充実させ、メンバーの愛着を強めていくことができるでしょう。小さなステップから始め、メンバーの反応を見ながら、より良いコンテンツやイベントを開発していくことが重要です。実験と検証を繰り返し、コミュニティに最適な施策を見つけていきましょう。


初期メンバーの重要性

最後に初期メンバーについて少し触れておきましょう。小さく始めるうえで初期メンバーはとても重要です。なぜなら、初期メンバーはコミュニティのその後を左右する存在だからです。

まるで、家の土台となる柱のように、初期メンバーはコミュニティの基盤を築き、その後の成長を支えていく重要な役割を担います。彼らが持つ情熱や積極性は、コミュニティ全体の雰囲気を形作り、新たなメンバーにとっても魅力的な場所となるよう導いてくれるでしょう。

初期メンバーについては特に以下のポイントを押さえておきましょう。

共感者を募り、共に創り上げる

初期メンバーは、コミュニティのビジョンや目的に共感し、積極的に活動してくれる人々であることが重要です。なぜなら、初期段階では、人数が少ないからこそ、それぞれの熱意や行動力がコミュニティの成長に大きく影響するからです。

  • 共感者を巻き込む:個人であれば周りの友人や知人、企業であれば既存顧客のデータベースなどを活用してコミュニティのコンセプトやテーマを発信し、共感してくれる人を探してみましょう。

  • 熱意を共有する:集まった初期メンバーと、コミュニティに対する想いや目標を共有し、共に創り上げていくという意識を醸成しましょう。

多様性とバランス

初期メンバーは、コミュニティの多様性を確保する上でも重要な役割を果たします。異なるスキルや経験、個性を持ったメンバーが集まることで、コミュニティはより魅力的で活気のある場所になるでしょう。

  • 様々なバックグラウンド:年齢、性別、職業、興味関心など、多様なバックグラウンドを持つ人を積極的に巻き込むことで、コミュニティにコラボレーションの可能性が生まれます。

  • 得意分野を活かせる役割分担:メンバーそれぞれの得意分野を活かせるような役割分担をすることで、コミュニティ運営がスムーズに進み、メンバーのモチベーション向上にも繋がります。

信頼関係の構築とメンバーの育成

初期メンバーとの間に強い信頼関係を築くことは、コミュニティの成功に欠かせません。彼らとの緊密なコミュニケーションを通じて、意見やアイデアを積極的に交換し、共通の目標に向かって協力することが重要です。また、初期メンバーがコミュニティで積極的に活動できるよう、育成にも力を入れる必要があります。

  • 成長機会の提供:定期的なトレーニングやワークショップを開催し、メンバーが成長する機会を提供する。

  • 意見の反映:初期メンバーの意見やアイデアを尊重し、実際にコミュニティ運営に反映させることで、彼らのモチベーションを高める。

コミュニティの「顔」として

初期メンバーは、コミュニティの「顔」として、外部への情報発信や新規メンバーの勧誘など、重要な役割を担います。

  • 魅力を積極的に発信:ブログやSNSなどを活用し、コミュニティの活動内容や雰囲気を積極的に発信してもらうことで、新たなメンバー獲得に繋げましょう。

  • 新規メンバーを歓迎:新しく参加したメンバーに対して、積極的にコミュニケーションを取ってもらい、コミュニティに馴染みやすい雰囲気作りを心がけましょう。

初期メンバー一人ひとりの力は小さくても、その力はコミュニティにとって重要なものです。初期メンバーと協力し、共に成長していく喜びを分かち合いながら、理想のコミュニティを築き上げていきましょう。彼らと共に成長していくことで、コミュニティはより強固で魅力的なものになるでしょう。初期メンバーの重要性を認識し、彼らの力を最大限に引き出すことが、コミュニティの成功への鍵となります。


まとめ

本記事では、コミュニティを立ち上げる際に重要な「小さく始める」というアプローチについて詳しく解説してきました。ポイントを振り返ってみましょう。

  1. 小さく始めるメリット

    • 最小限のリソースで運営できる

    • メンバーの高いエンゲージメントが得られる

    • 高速な検証プロセスが可能になる

    • 最小限のリスクで始められる

  2. 初期にオススメのコンテンツやイベント

    • 新規メンバーへのウェルカムイベント

    • テーマについてのディスカッション

    • 少人数でのワークショップ

    • メンバー紹介コンテンツ

    • 定期アンケートによるフィードバック

  3. 初期メンバーの重要性

    • コミュニティの基盤を築く存在

    • 共感者を募り、共に創り上げる仲間

    • 多様性とバランスを保つ役割

    • 信頼関係の構築とメンバーの育成

    • コミュニティの「顔」としての情報発信

小さく始めることで、限られたリソースを最大限に活用し、メンバーとの強い絆を築きながら、コミュニティを着実に成長させていくことができます。初期メンバーと協力し、実験と検証を繰り返しながら、コミュニティに最適な施策を見つけていきましょう。

ただし、小さく始めることは、ゴールではありません。あくまでもスタートラインに立つための戦略なのです。コミュニティが軌道に乗り始めたら、徐々に規模を拡大し、より大きなインパクトを生み出せるよう進化させていくことが重要です(もちろんサイズだけが重要というわけではなく)。

常にメンバーの声に耳を傾け、フィードバックを運営に反映させながら、コミュニティの価値を高めていきましょう。メンバーと運営者が一体となってコミュニティの未来を作っていけたら素晴らしいですね。そんなコミュニティを、まずは小さな一歩から始めてみてください。

本記事が、これからコミュニティを立ち上げる方にとって、小さく始めることの重要性と具体的な方法を理解するための一助になればと思います!



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