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コミュニティメンバーからのフィードバックは宝の山!対応のポイントまとめ

コミュニティを運営しているとメンバーからフィードバックを受ける機会がよくあります。わたしの運営する議論メシというコミュニティも、7年間で1000件ほどのフィードバックをもらって改善を重ねてきました。

フィードバックのなかにはちょっとした要望もあれば、グサっと痛いところを突いてくる指摘、そしてメンバー間トラブルの報告など、さまざまなバリエーションがあります。

適切に対応する必要があるのはどのタイプでも同じです。逆に、フィードバックに反応をしなかったり適切に対応できなければ、せっかくのメンバーの労力や善意をムダにしてしまうことになります。そのことがコミュニティや運営者への失望につながることがあるのは忘れてはいけません。

では、メンバーからのフィードバックを活かし、コミュニティの熱量を高めるようなコミュニケーションとはどんなものでしょうか?今回はそれを構造化して考えてみたいと思います。

※見出しなど文字数が限られる箇所ではフィードバックのことを以下では「FB」と省略することがあります。

今回の研究成果の要約:
コミュニティ運営においてメンバーからのフィードバックは重要な役割を果たします。フィードバックの数や届き方に応じて、適切な対応が求められます。

フィードバックが多い場合は優先順位を付けて効率的に対応し、少ない場合は丁寧に対応しつつフィードバックを促進。フィードバックの増減はコミュニティの健全性を測るバロメーターにもなります。

フィードバックは直接的なものと間接的なものがあり、それぞれ対応方法が異なります。直接的なフィードバックは親密な関係構築のチャンスであり、間接的なフィードバックはコミュニティ全体の意見把握に役立ちます。コミュニティの特性に合わせてフィードバック経路を多様化することが大切です。

対応が難しいフィードバックもありますが、無視せず誠意を持って説明することが重要です。メンバーの声に耳を傾けつつ、コミュニティにとって最善の判断を下す必要があります。

フィードバックは貴重な資源であり、それを積極的に活用することでメンバーの満足度向上とコミュニティの活性化につなげることができます。フィードバック対応を通じてメンバーと共に成長していくことが望ましいです。

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FBの数は多い?少ない?

フィードバックが多いときと少ないときで対応の方向性が変わることがあります。多すぎると一つひとつ対応できませんが、少ない場合は丁寧にすべてに対応することができます。

まずは、コミュニティに寄せられるフィードバックの数を把握しましょう。「多い」「少ない」は、コミュニティの規模や活動内容によって異なります。例えば、数千人規模の活発なコミュニティなら、月に数十件のフィードバックは「少ない」と言えるかもしれません。一方で、数十人規模の落ち着いたコミュニティなら、月に数件でも「多い」と感じるでしょう。


FBが多い場合:優先順位を付けて効率的に対応

フィードバックが多い場合、すべてに対応するのは難しいかもしれません。そこで、以下のポイントを意識して効率的に対応しましょう。

  • FBの分類と優先順位付け:フィードバックを内容ごとに分類し、重要度や緊急度に応じて対応の優先順位を決めます。例えば、メンバー間のトラブル解決や重大なバグ修正は優先度が高く、迅速に対応する必要があります。

  • 共通テーマの抽出と一括対応:似た内容のフィードバックをグループ化し、共通の問題点や改善点を見つけます。これにより、個別対応ではなく一括対応が可能になります。ただし、フィードバックを寄せてくれたメンバーへのコミュニケーションは一括ではなく個別の方が望ましいです。

  • 定期的なFBセッションの開催:定期的にフィードバックを集め、全体的な傾向を把握するためのセッションを開催します。このセッションでは、主要なフィードバックについての進捗状況を報告し、メンバーから追加の意見をもらいます。

  • FBのリスト化:リソース等の観点でフィードバックセッションの開催が難しい場合は、オンラインでフィードバックのリストを定期的に共有したり常に公開したりするのがいいでしょう。リストには運営者の見解や対応時期を記載しておきましょう。


FBが少ない場合:丁寧な対応とFBの促進

フィードバックが少ない場合は、メンバー一人ひとりの声に丁寧に耳を傾け、感謝の気持ちを伝えた上で、可能な限り要望に応えましょう。時間をかけて対応することで、メンバーとの信頼関係を築き、より深いエンゲージメントにつなげることができます。

ただし、フィードバックが少なすぎる場合は注意が必要です。メンバーがフィードバックを躊躇している可能性もあります。以下のような施策で、フィードバックを促進しましょう。

  • FBを求める環境の整備:メンバーが意見を出しやすい雰囲気を作ります。例えば、フィードバック専用のチャネルを設ける、匿名で意見を投稿できる仕組みを導入するなどです。

  • FBの価値の強調:メンバーにフィードバックの重要性を伝え、彼らの意見がどのようにコミュニティの改善に役立っているかを具体的に示します。これにより、フィードバックを提供する動機が高まります。

  • 定期的なアンケートの実施:定期的にアンケートを実施し、メンバーからのフィードバックを積極的に収集します。アンケートは簡単で答えやすい形式にし、回答者に感謝の意を示すことで参加意欲を高めます。

  • FBのフォローアップ:フィードバックを受け取った後の対応状況をメンバーに報告します。これにより、メンバーは自分の意見が尊重されていると感じ、今後も積極的にフィードバックを提供するようになります。


FBの数の増減に注意!コミュニティの健全性を測るバロメーター

フィードバックの数は、コミュニティの活性度やメンバーの満足度を測るバロメーターと言えます。数が急に増えた場合は、コミュニティ内で何か問題が起きている可能性があります。逆に、数が減った場合は、メンバーがコミュニティに無関心になっている、あるいはFBしにくい雰囲気になっている可能性があります。

もちろん、コミュニティが進化したおかげでフィードバックが減った、もしくはコミュニティへの関心が高まったおかげでフィードバックが増えた、という可能性もあります。それならそれで素敵なことですね。

どちらにせよ、FBの数が増減した背景を探り、コミュニティの状態を把握することが大切です。必要に応じて、アンケートを実施したり、メンバーと直接対話する機会を設けるなどして、積極的に意見を収集しましょう。


FBの届き方は直接?間接?

フィードバックは直接メンバーから個別連絡が来ることもありますし、アンケートフォームなどへの書き込みのように間接的に届くこともあります。届き方によって、対応の優先度や方法を変える必要があるでしょう。

フィードバックの届き方は、コミュニティの規模や文化、メンバーの属性によって様々です。重要なのは、直接的、間接的両方の経路を意識し、多様な意見を収集できるようにすることです。

直接的なFB:親密な関係構築のチャンス

直接のフィードバックは、メンバーとの親密な関係を築けている証と言えるでしょう。具体的には以下のような形で届くことが多いです。

  • 個別メッセージ:メンバーから直接メッセージが届く場合、迅速かつ丁寧に対応することで、信頼関係を育みましょう。

  • 口頭での意見:イベントや交流会などで直接意見を聞くことも重要です。その場で感謝の気持ちを伝え、具体的な改善策を検討しましょう。

直接フィードバックへの対応方法は以下のような流れになります。

  1. 即座に受信確認の返信をする

    • メンバーからのフィードバックを受け取ったらすぐに、受信確認と対応への感謝のメッセージを送ります。これにより、メンバーは自分の声が届いたことを実感でき、安心感を得られます。

  2. 追加で詳細な情報を収集する

    • フィードバックの内容について、追加でヒアリングをしたりデータをチェックすることで、より詳細な情報を収集します。状況を正確に把握することで、適切な対応策を講じることができます。

  3. 対応方針を伝える

    • 収集した情報をもとに、対応方針をメンバーに伝えます。具体的な対応策と、対応にかかる期間の目安を示すことで、メンバーの不安を和らげることができます。

  4. 対応結果を報告する

    • 対応が完了したら、結果をメンバーに報告します。問題が解決したことを伝え、再びフィードバックを寄せてくれたことへの感謝の意を示します。


間接的なFB:全体像を把握し、客観的に分析

アンケートフォームやフォーラム、提案箱などを通じて間接的に届くフィードバックは、直接のフィードバックに比べて緊急度は低いかもしれません。しかし、これらのフィードバックから得られる情報は、コミュニティ全体の意見や傾向を把握する上で重要です。具体的には以下のような方法で募ることができます。

  • アンケート:定期的なアンケートを実施することで、メンバーの満足度や要望を定量的に把握できます。自由記述欄を設けることで、より詳細な意見を集めることも可能です。

  • フォーラム/掲示板:メンバー同士が意見交換できる場を設けることで、多様な意見を収集できます。運営者は、寄せられた意見を分析し、コミュニティ運営に活かしましょう。

  • 提案箱:匿名で意見を投稿できる提案箱を設置することで、普段は言い出しにくい意見も集めやすくなります。

  • SNS:SNSでのつぶやきでコミュニティについて言及されることがあります。ポジティブなものは拡散したほうがいいですが、ネガティブな場合は対応を検討し、必要に応じて連絡を取りましょう。

間接フィードバックへの対応方法は以下のような流れになります。

  1. 定期的にFBをチェックする

    • アンケートフォームやSNSなどのチャネルを定期的にチェックし、新しいフィードバックがないか確認します。見落としがないよう、チェックする頻度や担当者を決めておくとよいでしょう。

  2. FBを集約し、傾向を分析する

    • 収集したFBを内容ごとに分類し、全体的な傾向を分析します。多くのメンバーから同様の意見が寄せられている場合は、優先的に対応する必要があります。

  3. 対応方針を決定し、実行する

    • 分析結果をもとに、対応方針を決定します。必要に応じて、メンバーに追加の情報を求めることもあるでしょう。対応方針が決まったら、速やかに実行に移します。

  4. 対応結果をコミュニティ全体に共有

    • 対応が完了したら、その内容をコミュニティ全体に共有します。メンバーのフィードバックを真摯に受け止め、改善に活かしている姿勢を示すことで、メンバーの信頼を得ることができます。


FB経路の多様化:コミュニティに合わせて最適化を!

コミュニティの規模や文化、メンバーの属性に合わせて、フィードバック経路を多様化しましょう。例えば、オンライン上のコミュニティであれば、アンケートフォームやフォーラムを活用するのが効果的です。オフラインでの活動が中心のコミュニティであれば、イベント後にアンケートを実施したり、提案箱を設置するのが良いでしょう。

最も効果的なのは、直接フィードバックと間接フィードバックの両方をバランス良く活用し、多様な意見を幅広く収集することです。メンバーが意見を言いやすい環境を整え、フィードバックを促進することが重要です。

それぞれの特性を理解し、適切に対応することで、メンバーとの信頼関係を築き、コミュニティをより良いものにしていくことができるでしょう。


FBに対応しない場合のコミュニケーション

フィードバックの中には、対応が難しいものや、対応すべきではないものもあります。時間やリソースには限りがあり、すべてのFBに対応することは難しい場合もあるでしょう。また、コミュニティの理念に反する要望や、一部のメンバーだけに有利になるような要望には応じない決断も必要です。

しかし、対応しない場合でも、無視したり、ぞんざいに扱うのはNGです。なぜ対応できないのか、誠意をもって説明することで、メンバーの理解と信頼を得ることが重要です。

対応しないフィードバックの種類

  • 非現実的な要求:実現が難しい、またはコミュニティの方向性に合わない要求。たとえば大規模なリソースを必要とする機能追加、コミュニティの基本方針に反する提案など。

  • ネガティブな意図のあるフィードバック:建設的ではなく、単に批判や中傷を目的とする意見。たとえば他のメンバーを攻撃する内容や、不適切な言葉遣いを含むフィードバック。

  • すでに検討された意見:以前に検討され、対応しないと決定されたフィードバック。

対応しない場合のコミュニケーションのポイント

  1. 迅速な反応

    • フィードバックを受け取ったら、まずは迅速に反応しましょう。対応しないからといって放置してはいけません。対応可否にかかわらず、意見をくれたことに対する感謝の気持ちを伝えましょう。

  2. 誠実な説明と対応不可理由の提示

    • なぜ対応できないのか、具体的に説明しましょう。コミュニティの理念やルールに反する場合、技術的に難しい場合、他のメンバーとの公平性を保てない場合など、理由を明確に伝えましょう。

  3. 代替案の提示

    • 可能であれば、代替案を提示しましょう。例えば、要望に近い既存機能を紹介したり、別の方法で実現できる可能性を検討したりすることで、メンバーの不満を軽減できる可能性があります。

  4. 丁寧な言葉遣い

    • 否定的な表現や攻撃的な言葉は避け、丁寧な言葉遣いを心がけましょう。メンバーの気持ちを尊重し、誠意をもって対応することで、ネガティブな感情を抑え、理解を得やすくなります。


対応しないという選択:コミュニティを守るための判断

すべてのFBに対応することは、必ずしも良い結果に繋がるとは限りません。場合によっては、対応しないという選択が、コミュニティの秩序や健全性を守るために必要な場合もあります。

大切なのは、メンバーの声に耳を傾け、真摯に検討した上で、コミュニティにとって最善の判断を下すことです。そして、その判断をメンバーに丁寧に説明することで、理解と信頼を得られるよう努めましょう。

フィードバックに対応しない場合でも、適切なコミュニケーションを通じてメンバーとの信頼関係を維持することが重要です。誠実な説明、代替案の提示、感謝の意を示すことで、メンバーは自分の意見が尊重されていると感じ、コミュニティへの参加意欲を保ち続けます。


この研究の活かし方

今回はコミュニティメンバーからのフィードバックについて考えてきました。大きな枠組みとして、フィードバックへの対応はマインドとアクションの2つに分けて考えるのが良さそうです。マインドとしてはフィードバックしてくれたメンバーへの感謝をもって誠実に対応することが重要です。アクションとしては、フィードバックの量や経路によって多少の変動はあるものの、「応答」「分類・分析」「実行」「共有」という流れをイメージすると的確な対応になっていくかと思います。

フィードバックは、コミュニティをより良くするための貴重な資源です。フィードバックを積極的に活用することで、メンバーの満足度を高め、活気あふれるコミュニティを築くことができるはずです。

メンバーの声に耳を傾け、積極的にフィードバックを活用することで、メンバーと共に成長する、活気あふれるコミュニティを築いていきましょう。



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