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「先生嫌い」と言った子が、「先生、先生!」と話しかけてくれるようになったきっかけ

面白い子がいた
簡単に言ってしまうと、不思議ちゃん
会話の途中で、急に猫に変身する
「遠足で楽しみなのはね…ニャー、ニャー」
会話の途中で急に来るので、びっくりする
独自の世界観で生活している
私自身、面白い子だなあと思って声をかけていたが、嫌われたらしい
よく原因もわからないけど、
「先生、嫌い!」
と言われてしまった
これまで、面白い子だなあ、と思ってきたけれど、ちょっと距離をとった方がいいかなあ、と思った

こうした不思議ちゃんは、大人であれば面白い子として受け入れられる
しかし、友達からはどうしても、変な子に見えてしまうらしい
マイペースという理由でA子は友達とのトラブルも多かった
生徒指導主任として、話し合いに入ることになった
A子と、数人の女子との間で、放課後の遊びに関するトラブルだった
いつも通り生徒指導主任として話を聞いていった
トラブルの話し合いを解決するために、いつも決めていることがある

どちらの立場にも、共感性を生かして話を聞き、中立に立つこと

特別なことではないけど、大事なこと
そう考えているのは、私の経験からきている
小学校の時も、そして今も、よく失敗ばかりしている
そんな失敗だらけの自分だから、トラブルになる子どもの気持ちがよくわかる
だから、責めることはしたくない
自分だって、責められるのは嫌だから
子供の話を自然な感じでうなずきながら、落ち着いて聞く
それぞれ、別々に話を聞きながら、矛盾する点を明確にし、整理して聞く
そうして、いつも通りにトラブルを解決した
保護者にも連絡しその後の経過もよかった

それから、しばらくたって、A子からよく話しかけられるようになった
「先生、先生!」
嫌い、と言われたのがうそのようだ
遠くからでも大きな声で話しかけてくる
トラブルを解決した恩人になったのであろうか
それもあるかもしれない
でも、よく考えてみると、「面白い子」として話しかけてきた自分に気づいた
あくまでも、他の子と同じように接したことで、自然な付き合い方ができるようになったのかもしれない
                      三浦健太朗

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