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足し算より引き算上手に

引き算を習ったのは小学校1年生のときでしょうか。足し算よりも、難しかったという記憶がありますし、その感覚は今も同じです。

私は現在、研究員として勤務していますが、研究している要素に足し算をすることも、割と簡単です。先行研究の論文や書籍、信頼できるデータから、研究に関係のあることを引用していけばよいのです。

しかし、引き算となると非常に難しいのです。ある部分を削ると、研究自体の概要が伝わらなくなるし、論立てが崩れることもあります。怖くて、引き算できないのです。

そんなとき、私はNHKプロデューサーで、「デザインあ」「パプリカプロジェクト」「ピタゴラスイッチ」などを手掛けた佐藤正和さんから聞いた言葉を思い出します。

世界的なアーティストに番組に出演してもらう際、子どもでもわかる言葉で説明してください、と伝えます。いろいろと提案があるのですが、私は「それでは、子どもに伝わりません」とお伝えします。すると、みなさん、悩みます。そして、子どもにも伝わるシンプルな言葉になったとき、「あ、私が本当にやりたいことって、こういうことだったのか」と、ご自身でも気づきがある場面があるのです。

この言葉を聞いた時、引き算は、物事の本質を見つけることだと教えられました。

今、「働き方改革」という言葉を耳にします。この言葉を言い換えるならば、「私たちの仕事の、最も本質的なことを見つけること」なのだと思います。

ただ早く帰る、ということではなく、自分らしい仕事の仕方を最大限に効率化するために、何が必要で何が必要でないのか、ということを積極的に考えて、幸せな生き方を見つけたいと思います。

                    三浦健太朗

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