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寒々しい空。
子どもの頃を思い出す。
ぼくが住んでいた郊外の街は空だけは広かった。自慢するほど広くはなかったかもしれないが、他に自慢できるものもなかった。
どうしてそんなことを覚えているかというと、ぼくはその街の空が好きだったからだ。夏の空も、冬の空も。
数年に一度、街に戻る。知り合いはあまり見かけない。構わない。ぼくは空を見上げながら街をしばらく歩いて、満足して帰ってくる。こんな話をしていたら、懐かしくなってきた。
そろそろ、空を見に帰ろうか。

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