グラスゴー大学 ソフトウェア修士課程 概要解説!【Part 1】
こんにちは!もう11月に入り、留学を終えてから約2ヶ月経ちました。私は2023年9月からイギリス/スコットランドにある、グラスゴー大学のソフトウエア開発修士課程に進学し、無事先月10月に卒業確定をメールを受け取り、12月に卒業式が控えています。
プログラムが修了してはや2ヶ月、今回は私が進学したグラスゴー大学のソフトウェア開発修士課程(MSc in Software Development)について詳細に解説したいと思います。
**今回は概要を説明した【Part 1】、次のNoteではセメスターごとに授業内容やプロジェクト内容の解説をしていきたいと思います。**
私が進学したこのプログラムは、Computing Scienceの学位を持っていない学生を対象にした修士課程だったので、授業内容や個人・グループプロジェクトの内容は、これからエンジニアを目指す方にとって、何を学べば良いかの目安になるかもしれませんので、お見逃しなく!
グラスゴー大学(University of Glasgow)とは?
まず、グラスゴー大学(University of Glasgow)について紹介したいと思います。グラスゴー大学はイギリス・スコットランドにある大学で以下のような特徴を持ちます。
世界トップレベルの教育: 世界大学ランキングで常に上位(100位以内)にランクインしており、質の高い教育を提供することで知られています。
美しいキャンパス: グラスゴー大学は、ゴシック建築の美しい建物が立ち並ぶキャンパスで有名です。メインのキャンパスは、ハリーポッターを彷彿させるような建物があります。
活気のある都市: スコットランド最大の都市グラスゴーに位置し、学生生活も充実しています。スコットランドの首都はエディンバラですが、グラスゴーは経済の都市と言われています。大学が位置しているのはWest End (グラスゴーの西側)で、そこではKelvingrove 美術館/博物館やKelvingrove Parkなど芸術や自然が豊かな場所です。
大学の東側のCity Centreに行くと、商業施設など栄えた箇所があります。
ソフトウェア開発修士課程とは?
この修士課程は、コンピュータサイエンスのバックグラウンドを持たない学生を対象に、ソフトウェア開発に必要なスキルを習得するための1年間のTaught Programmeです。似た専攻にMSc in Information Techinologyがあります。これはその専攻との比較についても以降に紹介したいと思います。
プログラムの目的
実践的なスキル習得: 実務で役立つソフトウェア開発スキルを、集中的に学ぶことができます。Javaというプログラミング言語を用いて、Javaの基礎から、ソフトウエアエンジニアリング、そして課題を通してhands-onに落とし込むまでやります。
キャリアアップ: IT業界でのキャリアアップを目指せる、実践的なスキルと知識を身につけることができます。このプログラムでは主にバックエンド側を学ぶので、Back-end Developerとして、もしくはFull-stack Engineerとしてのキャリアアップを見込めます。
幅広い分野への応用: ソフトウェア開発スキルは、様々な業界で必要とされています。このプログラムで得たスキルは、将来のキャリアの選択肢を広げてくれます。クラスメイトの中には、環境部門で働いていた経験を活かし、環境保護に取り組む企業のエンジニアとして就職した方もいました。
卒業後の進路
ソフトウェアエンジニア: 様々なソフトウェア開発プロジェクトで活躍できます。
ウェブ開発者: ウェブサイトやウェブアプリケーションの開発に携わることができます。
データベース管理者: データベースの設計、構築、管理を行うことができます。
ITコンサルタント: 企業のIT戦略策定やシステム導入を支援することができます。
などなど。就職先はさまざまに分岐しています。
申し込みできる対象者
***23年度のEntry Requirement***
コンピュータサイエンス以外の分野で学士号を取得した方
プログラミングの経験がほとんどない、または全くない方
IT業界でキャリアチェンジを考えている方
ソフトウェア開発に興味があり、実践的なスキルを身につけたい方
最新のウェブサイトをチェックしたら、少し変わっていました。
***24年度のEntry Requirement***
2.1 任意の科目で優等学位(または英国外の同等学位)を取得し、コンピューティング分野の単位取得モジュールが 50% 未満であること。
8 年以上の職務経験または英国外での同等の経験を有する 2.2 Hons の学位を受け入れる場合もある。
コンピューターに関する事前の知識とスキルがあれば有利ですが、必須ではない。
プログラム構成
この1年のコースは3つのセメスターに分かれています。第1セメスターは授業中心、第2セメスターになると、応用の内容の授業とともに、グループプロジェクトが加わります。最後の第3セメスターは修論にあたる個人開発です。
必修科目: Advanced Programming、Algorithms And Data Structures、Database Theory and Analytics、Enterprise Cyber Security、Programming、Software Engineering、Systems And Networksなど、ソフトウェア開発の基礎から応用までを網羅した科目が用意されています。
選択科目: Cybersecurity Fundamentals for MSc、Forensics、Human Computer Interaction Design and Evaluation、Internet Technology、Information Visualisationなど、自分の興味に合わせて専門性を深めることができます。
チームプロジェクト: 実際のソフトウェア開発プロジェクトをチームで進めることで、実践的なスキルを磨くことができます。
個人プロジェクト: 自分の興味のあるテーマでソフトウェア開発を行い、その成果を論文にまとめます。
MSc in Software Development とMSc in Information Technologyの違い
MSc in Information Technologyも基本的には似たような内容ですが、受講するコースに違いがあります。第1タームはどちらも同じ授業を受けますが、第2タームで必修と選択できるコースに違いが出てきます。
Advanced Programming
Algorithms And Data Structures、
この2つがSoftware Developmentでは必須ですが、Information Technologyでは選択科目になります。基本的にこの違いだけですね。授業は一緒に受けています。
取り組んだ個人・グループプロジェクト
グループプロジェクト:
主要科目:Enterprise Cyber Security, Software Engineering
選択科目: Cybersecurity Fundamentals for MSc, Human-Computer Interaction Design and Evaluation, Internet Technology、Information Visualisation
個人プロジェクト: 主要科目・選択科目の課題とともに、第3タームのいわゆる「修論」で個人プロジェクトの開発をしました。
**プロジェクトの詳細は別のNoteで紹介していきたいと思います**
申し込みに必要な書類
学位証明書
成績証明書
英語能力証明書 (IELTSなど) - 6.5以上が目安です。
推薦状(1枚)
パスポートのコピー
その他必要な書類
申し込める奨学金
WebsiteのFee & Fundingというセクションにさまざまな奨学金が記載されています。対象者を確認し、申し込んでみるといいと思います。
私は、当時あったBaillie Gifford Scholarshipに申し込みをし、無事奨学金(£10,000)を獲得しました。申し込みに必要な書類であったPersonal Statementを書くうえで工夫した点や実際に提出した内容も載せていますので、参考にしてみるといいかもしれません。
学生のバックグラウンドはさまざま!
アジア(特に中国)からの学生は約50%、次インド、ヨーロッパ(スコットランドを含む)、その他東アジア
東アジア系の学生は学部卒から直この修士に来た人が多い
すでに社会人経験がある人たちもいる(数学教師、フロントエンドエンジニアなど)
私は学部卒業後、直接この修士課程に進学しました。
最後に
今回は、私が進学したMSc in Software Developmentの概要について紹介しました。どんな専攻なのか、プログラム内容など知っていただけたかなと思います。次回はそれぞれのセメスターで習った内容、科目について紹介していけたらなと考えているので、ぜひそちらもご覧ください。
参考情報
MSc in Software Development
MSc in Information Technology