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『現代短歌新聞』2021年9月号

①「インタビュー小野田光氏」〈スポーツ評論ではスコアや成績、つまり数字が客観的な裏付けになります。〉数値化して評をする、面白い。賞の選考にも取り入れたらいいのにな。今、賞の選考に共通の観点が無いと感じることが多い。まあ、まず項目で一致しないだろうけど。

②「インタビュー小野田光」〈作者として薄々感じながら、自分では言語化できずにいたことを、的確に論じられたときが最も心に刺さると思います。〉それは確かにそうだ。その時、書く側が変に遠慮せず、短所と思うところもズバッと書けるかどうかだと思う。

③小塩卓哉「短歌文法道場(二)連用中止法」〈終止形ではなく連用形で歌を中止する方法です。散文でも、言いさしにして次に続けようという場合に用いられます。確立された技法であることは間違いありません。〉そうなんだ。否定的に言われることが多いような気がしていた。

〈「て」で終始することを「て」止めと言いますが、安易に多用しがちなので、使用を戒める傾向があります。連用中止法ならば、用言の数だけ終止の形があり飽きることがないと言えます。〉「て」止めは戒められてきたが(笑)、やってしまいがち。連用中止法にちょっと注意してみよう。

どこからも遠い場所にてあかねさすアサヒビールを飲む寂しくは 大橋春人 「ど」「と」の音の強い響きで始まる。枕詞の「あ」とビールの「ア」音が奇妙に明るい。「寂しくは」と来れば「ない」と続くはずだが、言わないことで寂しいのだと感じさせる。結句の句切れがいい。

2021.10.26.~27.Twitterより編集再掲