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『現代短歌新聞』2022年4月号

①「インタビュー笹川諒氏に聞く」現代歌人集会賞ご受賞おめでとうございます!〈短歌を含め詩歌を書くことは、言葉では表現することが難しい領域をあえて言語化しようとする行為だと思います。〉同感する。言語化できないものを言語化しようとする試みなのだ。 

②笹川諒〈永井陽子さんの『ふしぎな楽器』に〈梅雨晴れのふとまばゆさを増す空にモーツァルトの靴音がする〉という歌がありますが、笹井宏之さんの『ひとさらい』に〈靴音が消えてしまった街角でふいにモーツァルトがうたいだす〉という返歌のような歌が入っているんです。
 この笹川の発言が頭にあったので、永井と笹井の歌集を読んだ時にふと、これもイメージ似てると思った。

嗤(わら)ひをるあの白雲め天と地のつっかひ棒をはづしてしまへ 永井陽子『モーツァルトの電話帳』
空と陸のつっかい棒を蹴飛ばしてあらゆるひとのこころをゆるす 笹井宏之『ひとさらい』

③佐々木亜子「読売文学賞の歌集」母死にて四日泣きゐしをさならが今朝登校す一人また一人 吉野秀雄〈戦時下に四人の子を残して病没した妻の死の前後が詠まれている。〉吉野の歌が取り上げられていてうれしい。特に好きな歌人の一人だ。教科書で読んだ歌などは特に忘れ難い。

2022.5.18.Twitterより編集再掲