見出し画像

『又吉直樹のヘウレーカ!』2021年2月24日放送「その記憶 未来にどうやって伝えますか?」

 録画していた「又吉直樹のヘウレーカ!」を見た。庭田杏珠×渡邉英徳『戦前・戦争』の「記憶の解凍」プロジェクトには感銘を受けていたが、今回東日本大震災の多元的デジタル・アーカイブスについて知った。特にグーグル・アース上に、震災から24時間以内のツイートをマッピングしたものに驚く。

 内面の声の可視化という考え方に強く惹かれた。心の中のつぶやき、声が肉体を持って感じられる。多数の声を重ねることによって、一元化されない歴史の証言としての力を持つのだ。この番組を見たことは、自分を取り巻く世界が多重に感じられるような体験だった。

 声の可視化。肉体の一部としての声。近代以降の印刷媒体による文字化された短歌も、心の声を可視化したものと言えないだろうか。どうしてもこの歌を思い出してしまう。
こゑのみは身体を離れて往来(ゆきき)せりこゑとふ身体の一部を愛す 河野裕子

2021.2.27.Twitterより編集再掲