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『短歌研究』2020年4月号

①日高堯子「百鳥」20首 繰り返し読めば読むほど味わい深い一連。老いていく際の性がテーマだが、自然詠や昔話などに絡めて、柔らかく描いている。

②島田幸典「碑の蟻」端正な写実。山木礼子「朝」きれいごとを排した子育ての歌。花山周子「長生き」独特のリズム感。 これらの連作も印象に残った。

③阿木津英「短歌時評」〈短歌界はこの数十年、「母語のアーカイブ」からあえて自らを断ちきり、口語使用に邁進してきたのではなかったか。〉つまり、文語使用が母語の(古典の)アーカイブに繋がっているという意味か。どうなんだろう?現代短歌の文語と古語は乖離しているのでは?

④品田悦一「万葉ポピュリズムを斬る」〈『万葉集』に庶民の歌なんかありません、庶民の歌の代表みたいに考えられていた東歌だって実は都の人と地元の豪族の合作なんです〉色々な資料を駆使して東歌が豪族の作ったものだと例証する。品田の説は豪族≒貴族。だから庶民ではない。が→(角川『短歌』4月号に続く)

2020.4.8.~10.Twitterより編集再掲