『現代短歌』2020年1月号

①リニューアルになって初めての号。隔月刊で奇数月なので1月号となる。今月号は「佐藤佐太郎賞」と「現代短歌社賞」がメイン。気になるのは紙質が今までと違う感じがすること。判型が大きくなったので粗く感じるのだろうか。

②「現代短歌社賞選考座談会」選考委員が連作のタイトルを挙げて、良し悪しを言っている場面が多いのだが、誌面の抄出歌だけでは分からない。読者としては置いてけぼり感がある。他の新人賞座談会も多かれ少なかれそうなのだが、この賞は元が300首なので、強く感じるのだろう。

③加藤英彦「歌壇時評」あいちトリエンナーレの「表現の不自由展・その後」について。同誌11月号の川野芽生の時評に付け足す形で書かれている。法や制度に対する基本的な理解を助けてくれる文章。加藤の明晰な文章に脳内が整理される思い。

蝶はみな死者と思えば秋の日の写真の中にもつれ合う二羽 前田康子 「・・・と思えば、この二羽は誰と誰なんだろうと思った」と読んだ。散文にし難い、短歌ならではの「ば」に、余韻と力がある。

2019.12.15.~17.Twitterより編集再掲